俳優の長澤まさみが1日、東京・渋谷のユーロライブで開催されたNetflix映画『パレード』配信記念試写会イベントに出席。薄くてやわらかそうなテロンとした素材のノースリーブドレスの長澤が姿を見せると、そのスレンダーなシルエットに客席の女性客からも「わあ〜」「きれい」と感嘆の声が漏れた。 同映画は、旅立ってしまった人の目線で、遺された人への想いを描く愛の物語。瓦礫が打ち上げられた海辺で目を覚まし、一人息子の行方を捜していた美奈子(長澤)は、道中で出会った青年アキラ(坂口健太郎)とその仲間たちから、未練を残してこの世を去ったため、まだ“その先”に行けないのだ、と聞かされる。そんな思いを残して亡くなった死者たちが、それぞれの会いたかった人を探すパレードに参加することで少しずつ哀しみと向き合っていく物語。『余命10年』の藤井道人監督が、長澤をはじめ、坂口健太郎、横浜流星、リリー・フランキー、森七菜、寺島しのぶ、田中哲司らとともにつくり上げた。 藤井監督作品初参加となった長澤は「藤井監督の作品に出演することが念願でした。たぶん(撮影は)大変だろうなと思って覚悟をしていたんですけど、実際、大変で(笑)。本当にこだわる監督だと思いますし、作品に対しての思い入れが誰よりも強い監督だなって。それを感じたかったからきっと私は監督の作品に出たかったんだろうなって思った」と話すと、隣に座っていた藤井監督は顔を赤くして照れまくり。 長澤は続けて「とにかく監督が言うことを理解しようと必死になるがあまり、監督にちょっとこいつめんどうくさいな、と思われるようなところもあったんだろうな、と思いつつ、魂でお互いぶつかり合えた感じがあったんですよね。それが本当に楽しかったし、いい思い出。また監督と一緒に仕事ができるなら、何でもやりますよという感じです」と充実した表情で語った。 背中を丸めて恐縮しきりの藤井監督は「(役の)美奈子だったら全然隣にいても話せるんですけど、長澤さんだとちょっとやっぱり緊張してしまって」とますます体が縮こまって、「監督になってからいつか長澤さんとご一緒したいというのが夢だった」と打ち合えた。 さらに、撮影中の雑談で「自分の人生を変えるようなエピソードが1つあった」と切り出し、「僕は監督が全部の責任を負うべきだと思ってるし、失敗したら監督のせいだし、観客の人たちに絶対損はさせたくない、という思いで生きているんですけど、長澤さんも全く同じ気持ちで、僕と同じ、それ以上に『パレード』のことを考えてくれていた。いつかまた自分がもっと成長して、ご一緒したいなって思えた。自分にとって財産になる時間でした」と語ると、2人の相思相愛ぶりに客席から拍手が起きていた。