俳優の生田斗真(38)と門脇麦(30)が24日、都内で行われた映画『渇水』(6月2日公開)公開直前ティーチングイベントに登壇。2人は、16ミリフィルムで撮影された今作にちなみ、フィルム映画への愛を語った。 今作は1990年に第70回文學界新人賞受賞、第103回芥川賞候補となり注目を浴びた河林満氏による名篇を、刊行から30年の時を経て初映画化。『凶悪』(2013年)、『孤狼の血 シリーズ』(18、21年)で知られる白石和彌監督が初プロデュース、高橋正弥氏(※高=はしごだか)が監督を務めた。生田は水道料金を滞納する家庭の水を停める業務(=停水執行)に就く、市の水道局職員の岩切俊作を演じる。 観客からフィルム映画の魅力を問われた生田は「フィルムで撮影すると、1ロール8分しか撮影ができない。リミットが来ると、フィルムチェンジの時間があるんです。結構時間がかかるので待つんです」と説明を加え、「待ってる時間すごく好きで、『映画撮ってるな』っていう感じがする」とうっとり。「フィルム映画を映画館で観る機会も少なくなってきていると思うのですが、フィルムでしか刻めない味とか香りを体験してほしいと思います」と魅力を伝えた。 大きくうなずいて生田の言葉を聞いていた門脇は「フォルムってだけでテンションも上がります」とるんるん。「自分がずっと見てきた60年代、70年代の作品の俳優さんや監督もこうやって映画を撮っていて、フィィルムチェンジの時間をすごしてたんだと思うと、すっごいうれしい。スタッフの皆さんもうれしそうでこちらもうれしい」と憧れを語った。 さらに高橋監督は「水の表現や太陽の光は、フィルムで良かった。デジタルだとクリアすぎるところもあるので、粒子が荒れていてざらついていたりするところが、今回の映画の中では有効的だった」と今作の撮影を評価。フィルムを使用すると、ライトが当たっていないところは映らないため「夜のシーンで岩切や子どもたちにフォーカスが当たるのはメリット」と満足げな表情を見せた。
2023/05/24
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