荒川弘氏による漫画『鋼の錬金術師』連載開始20周年新プロジェクトとして、4年ぶりに製作された実写映画『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー/最後の錬成』(5月20日公開/6月24日公開)。2017年の第1作から引き続き、ヒロインのウィンリィ・ロックベルを演じるのが、本田翼(29)だ。原作の大ファンだと公言している本田に今作の魅力、さらに劇中で演じるウィンリィにちなみ、理不尽さや困難への向き合い方についても語ってもらった。
(取材・文/徳重龍徳)
■“理不尽”に立ち向かうウィンリィの強さ「本当にかっこいい」
人気グループ・Hey! Say! JUMPの山田涼介が主人公のエドワード・エルリックを演じ、2017年12月に公開された映画『鋼の錬金術師』は、興行収入約12億円と大ヒット。今回の実写映画では二部作で、原作の最終話までを描く。本田が続編制作の話を聞いたのは、第1作が公開された1年後だった。
「続編は純粋にうれしかったですね。『鋼の錬金術師』はCGを使ったシーンが多く、完成まで時間もかかるのでいつ皆さんに観ていただけるんだろう?と思ってしまいました(笑)」。
第1作ではイタリアロケも行われたが、今作はコロナ禍での撮影となり、当初予定されていた海外ロケはかなわず、「前作もグリーンバックでの撮影が多かったんですが、今回はほぼグリーンバックなので、エド役の山田くんと『想像力がはたらくかな?』とお互い不安をかかえてました」と異例の撮影を振り返った。
本田は子供の頃から原作の大ファン。その魅力について語った。
「“悪”とされる人たちにも、それぞれの過去があり、自分たちがやろうとしていることにしっかり目的がある。それが結果的に国を守ったり、一方で滅ぼしたりすることに繋がるのですが、それぞれに正誤があるという点に引き込まれます」。
完結編では新田真剣佑が演じるスカー、山本耕史が演じるアレックス・ルイ・アームストロングなど多くの新キャラクターが登場することにも触れ、「原作を読んでいても、登場人物が増えてきて、どんどん面白くなってくるところが今回の映画だと思っています。原作をリアルに落とし込むのは難しいと思うんですがキャラクターの完成度に驚きました」と見どころを明かした。
今作でのウィンリィは前作よりもシリアスなシーンが多く、新たに登場するスカー(新田真剣佑)との対峙には特に注目だ。
「目の前に両親の命をうばった、自ら復讐できる状態にあっても思いとどまる。生きて償ってもらうと言えるウィンリィは本当に強い人だと感じています。復讐をしてはいけないと第三者からは言えますけど、実際に、その犯人が目の前にいたらどうだろう…と私は思います」。
では、現実で遭遇する“理不尽”に対して、本田自身はどう対応しているのだろうか。
「ある程度は仕方ないと思います。それでも最初から諦めるのではなく、できる限りのことをして、それでもダメだったら諦める。最初から理不尽に屈したくはないですね」。
特に、新たな挑戦をしようとする際、反対される理由に納得できず理不尽さを感じることがあるそうで、私の行動を止める理由がどうにも説得力に欠けてるときは感じるかもです。でも、結局、私はやってしまうんですけどね(笑)」
「YouTube(『ほんだのばいく』)やSNSを始めるときも、(自分で)調べて、事務所にプレゼンして、食い下がって何とか開設までこぎ着けました」と意志の強さをのぞかせた。
■「等価交換」 つらい時期を乗り越えた現在
『鋼の錬金術師』の大きなテーマの一つが「等価交換」。“人は何かの犠牲なしに何も得ることは出来ない。何かを得るためには同等の対価が必要になる”とは作中に出てくる言葉だが、本田にとっての等価交換について聞いてみた。
「この仕事をしている限り仕方のないことかもですがプライバシーを守るのは難しいですね」とする本田だが、もう一つ「失ったのとは少し違うかもしれないですが…」と前置きした上で明かしたのが「自分の時間」だ。
「仕事を始めたての頃は、忙しくて『何のために仕事をしているのか』と自分を見失ったこともあって」。
ただ、自分を見つめ直す時間をもったことで、つらかった時期を乗り越え、今では仕事に対しポジティブになれたという。
「その忙しい時期を駆け抜けて、25歳前後に仕事の量も調整してもらい、ロンドンに一人旅へでかけたりもしました。そうした体験を経て少しずつ気持ちがポジティブになれたんです。ちゃんと自分の時間を持って、自分は何が好きだったのか、どういう時に心から笑えたのか、本当に当たり前のことですけれど、もう一度見つけられた。その時間があったから、今の自分でいられるのだと思えます」。
本田の魅力でもある自然体で自由なイメージは、こうした困難を乗り越え獲得したものなのかもしれない。
最後に映画を見るファンに向け、「どんどん新キャストも増えていき、今回の『復讐者スカー』からストーリーがより一層楽しくなり、深まっていきます。6月には完結策である『最後の錬成』も公開されるので、物語どう完結するのかぜひ見届けていただきたいです」と力強くメッセージを送った。
(取材・文/徳重龍徳)
■“理不尽”に立ち向かうウィンリィの強さ「本当にかっこいい」
人気グループ・Hey! Say! JUMPの山田涼介が主人公のエドワード・エルリックを演じ、2017年12月に公開された映画『鋼の錬金術師』は、興行収入約12億円と大ヒット。今回の実写映画では二部作で、原作の最終話までを描く。本田が続編制作の話を聞いたのは、第1作が公開された1年後だった。
「続編は純粋にうれしかったですね。『鋼の錬金術師』はCGを使ったシーンが多く、完成まで時間もかかるのでいつ皆さんに観ていただけるんだろう?と思ってしまいました(笑)」。
第1作ではイタリアロケも行われたが、今作はコロナ禍での撮影となり、当初予定されていた海外ロケはかなわず、「前作もグリーンバックでの撮影が多かったんですが、今回はほぼグリーンバックなので、エド役の山田くんと『想像力がはたらくかな?』とお互い不安をかかえてました」と異例の撮影を振り返った。
本田は子供の頃から原作の大ファン。その魅力について語った。
「“悪”とされる人たちにも、それぞれの過去があり、自分たちがやろうとしていることにしっかり目的がある。それが結果的に国を守ったり、一方で滅ぼしたりすることに繋がるのですが、それぞれに正誤があるという点に引き込まれます」。
完結編では新田真剣佑が演じるスカー、山本耕史が演じるアレックス・ルイ・アームストロングなど多くの新キャラクターが登場することにも触れ、「原作を読んでいても、登場人物が増えてきて、どんどん面白くなってくるところが今回の映画だと思っています。原作をリアルに落とし込むのは難しいと思うんですがキャラクターの完成度に驚きました」と見どころを明かした。
今作でのウィンリィは前作よりもシリアスなシーンが多く、新たに登場するスカー(新田真剣佑)との対峙には特に注目だ。
「目の前に両親の命をうばった、自ら復讐できる状態にあっても思いとどまる。生きて償ってもらうと言えるウィンリィは本当に強い人だと感じています。復讐をしてはいけないと第三者からは言えますけど、実際に、その犯人が目の前にいたらどうだろう…と私は思います」。
では、現実で遭遇する“理不尽”に対して、本田自身はどう対応しているのだろうか。
「ある程度は仕方ないと思います。それでも最初から諦めるのではなく、できる限りのことをして、それでもダメだったら諦める。最初から理不尽に屈したくはないですね」。
特に、新たな挑戦をしようとする際、反対される理由に納得できず理不尽さを感じることがあるそうで、私の行動を止める理由がどうにも説得力に欠けてるときは感じるかもです。でも、結局、私はやってしまうんですけどね(笑)」
「YouTube(『ほんだのばいく』)やSNSを始めるときも、(自分で)調べて、事務所にプレゼンして、食い下がって何とか開設までこぎ着けました」と意志の強さをのぞかせた。
■「等価交換」 つらい時期を乗り越えた現在
『鋼の錬金術師』の大きなテーマの一つが「等価交換」。“人は何かの犠牲なしに何も得ることは出来ない。何かを得るためには同等の対価が必要になる”とは作中に出てくる言葉だが、本田にとっての等価交換について聞いてみた。
「この仕事をしている限り仕方のないことかもですがプライバシーを守るのは難しいですね」とする本田だが、もう一つ「失ったのとは少し違うかもしれないですが…」と前置きした上で明かしたのが「自分の時間」だ。
「仕事を始めたての頃は、忙しくて『何のために仕事をしているのか』と自分を見失ったこともあって」。
ただ、自分を見つめ直す時間をもったことで、つらかった時期を乗り越え、今では仕事に対しポジティブになれたという。
「その忙しい時期を駆け抜けて、25歳前後に仕事の量も調整してもらい、ロンドンに一人旅へでかけたりもしました。そうした体験を経て少しずつ気持ちがポジティブになれたんです。ちゃんと自分の時間を持って、自分は何が好きだったのか、どういう時に心から笑えたのか、本当に当たり前のことですけれど、もう一度見つけられた。その時間があったから、今の自分でいられるのだと思えます」。
本田の魅力でもある自然体で自由なイメージは、こうした困難を乗り越え獲得したものなのかもしれない。
最後に映画を見るファンに向け、「どんどん新キャストも増えていき、今回の『復讐者スカー』からストーリーがより一層楽しくなり、深まっていきます。6月には完結策である『最後の錬成』も公開されるので、物語どう完結するのかぜひ見届けていただきたいです」と力強くメッセージを送った。
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2022/05/21