俳優の椎名桔平が7日、都内で行われた舞台版『オリエント急行殺人事件』開幕直前取材会に出席。同作で、探偵・エルキュール・ポアロを演じているが「共演者のみなさんとひとつになって、作り上げてきたという実感ができております。あしたから幕は開くんですが、『鬼滅の刃』の無限列車に例えますと“全集中”ですよ。せりふも膨大で抜けるところが本当にない」とユーモアを交えて意気込んだ。

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　同作は、1934年に英国での出版以降、名探偵ポアロが軽妙に事件を解決する様が世界中の人々を魅了し、長きにわたりドラマ化、映画化されてきた。昨年、満を持して日本初演の幕を開け、巧みに構成された心理会話劇とコメディを、演劇界の奇才・河原雅彦氏によって演出し好評を博したが、今回キャストを新たに待望の上演となる。

　椎名は初日を前に「いっぱいいっぱいでけいこをやってきましたので、感無量だなというか、そういう感じにはまだいたっていないのですが、とにかくこれから（ゲネプロで）初めて劇場の明かりの中でお芝居をする。そして、いよいよあした初日を迎えた時に、無事に終えた時に自分の中で湧き上がってくるものがあるんじゃないでしょうか」としみじみ。「スタッフのみなさんが本当に気を遣ってくれて、清潔面での管理ですとかもしていただきました。私たちもフェイスシールド、マスク、うがい・手洗いをやってきましたが、本当に幕が開くのかという心配もどこか持ちながら、あすを迎えることを信じて、けいこをしてきたわけです」とコロナ禍での舞台に言葉に力を込めた。

　椎名は続けて「あした、ここにお客様がいらっしゃってくれて、我々の『オリエント急行』を見ていただけるということに対して、すごくワクワクしてきました。劇場の衛生面もしっかりやってくれているということなので、安心して来ていただければと思います。必ず、楽しさと何かひょっとしたら勇気を与えたり、何かネガティブな気持ちになっている人にポジティブに変えるパワーが僕たちの芝居にあると実感があるので、お楽しみにしていただけたら」と力強くアピール。そんな椎名の姿に、共演者の室龍太（関西ジャニーズJr.）は「すごく大人の男性でかっこいいなと思いながら、ちゃめっ気もあるので、すばらしい大人の男性です」と賛辞を送っていた。

　取材会にはそのほか、松井玲奈、松尾諭、本仮屋ユイカ、粟根まこと、宍戸美和公、中村まこと、マルシア、高橋惠子も出席。同作は、あす8日から27日まで、東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで上演される。