女優の尾野真千子と俳優の安田顕が19日、都内で行われたWOWOW『連続ドラマW　絶叫』完成披露試写会で舞台あいさつを行った。この日、3月24日からの放送に先駆け、第1話が上映される前に登壇した2人。安田は「第1話、私ほとんど出てきません。第2話、前半まったく出てきません。正直、私は（尾野の）となりにいていいのか、と思うほどでてきません。要潤さんの方がよかったのではないのか、そんな第1話ですけど、要さんは朝ドラで忙しかったんじゃないでしょうか」とあいさつして、いきなり爆笑をさそった。

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　同ドラマは、第1話のみ無料放送されるが、「私が出てくると有料になるんです」と安田。終始、軽妙なトークで舞台あいさつを盛り上げたが、「第1話は無料ですけど、WOWOWさんだからこのクオリティーです、というのを作っていかないといかんわけで、そういったクオリティーのドラマに出演できて、感謝しています」と、作品への自信をのぞかせていた。

　原作は、葉真中顕氏の同名小説（光文社文庫）。貧困、無縁社会、ブラック企業…生きるために現代社会の暗部へと足を踏み入れていく、ひとりの女の壮絶な人生を描く社会派サスペンス。

　アパートの一室で女性の遺体となって発見される主人公・鈴木陽子。家族や社会から捨てられ、経済的に、精神的に追い詰められ、転落していく陽子を演じた尾野は「とても悲しくて、台本の文字を読むだけで心が痛い。ちょっと不安になりました、これを自分が演じるのかと。だけど、これを演じることで何かがどうにかなるかもしれない、と思って。やりたい、私がやりたいと感じた作品です」と、覚悟を持って臨んだことを明かした。

　撮影中は、安田も驚くほど「尾野さんは切り替えが早い。すごいと思った」という。尾野は「本番になったら陽子になるし、カットがかかったら真千子に戻る」と、役に飲み込まれることはなかったが、「後々になって考えると、お金がない時って心まで寂しくなるじゃないですか、みんな敵に思えるというか、上から目線で見くだされていると感じる陽子の気持ちがすごくよくわかった。自分を見ているようでもあった」と、自身にもあった“お金に余裕がなかった”頃を思い出していたそう。

　打ち上げの宴でカラオケをした際には、ディズニー映画『アナと雪の女王』の主題歌「レット・イット・ゴー〜ありのままで〜」を“絶叫”ならぬ絶唱したという尾野。しかも、自分でマイクを持たずに、安田に持たせていたそうで、「立ち上がったり、かがんだり、ついていくのが大変だった」と、安田。尾野は「今回が初めてだったから間が空いたね。もう一回やったらうまくいくと思う」と悪びれず、笑っていた。

　同ドラマは、24日スタート（毎週日曜　後10：00、全4話※第1話無料放送）。