胃がん手術の療養を終えた俳優の市村正親（65）が8日、東京・帝国劇場で開幕したミュージカル『モーツァルト！』で舞台に復帰した。開演前の取材会では共演者から改めて祝福され「あんまり温かくされると涙腺が弱いので…。非常に感動です。一言では言い表せない」と舞台に立てる喜びを噛み締めた。

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　復帰第一作の開演を前に「新人のようにドキドキしています。まだこんな“うぶ”な気持ちがあるなんて」と冗談めかしたが、「もう1回舞台に立てるとは思っていなかった」と感慨もひとしお。胃がん闘病者から励ましの手紙をもらったといい「励みになるんですって言われたので、僕自身が一生懸命やってみんなの力になりたい」と力強く話していた。

　舞台上では音楽家モーツァルトの厳格な父親を熱演。実生活では子供に「デレデレ」といい「きょうは上の子と妻も観に来る。『無理をしないように』って言ってくれた」と妻で女優の篠原涼子（41）へ感謝を伝え、「支えてくれるので、その期待に応えたい。前のように無理しないで頑張りたい」と誓っていた。

　市村は今年6月下旬に初期の胃がんが判明。7月27日に公表して舞台『ミス・サイゴン』を降板して療養に専念、8月2日に腹腔鏡手術で胃の半分を切除した。9月3日に復帰会見を開いた。

　そのほか、主演（Wキャスト）の井上芳雄、山崎育三郎と、モーツァルトの姉役・花總まり、モーツァルトの妻役（Wキャスト）・平野綾、ソニンが出席した。同所にて12月24日まで上演。