ザ・コインロッカーズ、悩みながらも“個性”を実感した1年「ほかのバンドにはない面白さがある」

 楽曲ごとにその世界観に合わせてメンバーを選抜する、秋元康プロデュースの38人組ガールズバンド、ザ・コインロッカーズが、昨年12月23日の結成からまもなく1周年を迎える。世界的にも類を見ないスタイルで活動するグループはこの1年、変幻自在にメンバー構成を変えながらバンド全体で150公演以上のライブを展開。個々の課題と向き合いながら、グループとしても結束を深めてきた。メンバーの松本璃奈(キャプテン)、早坂つむぎ、船井美玖の3名に、激動の1年を振り返ってもらうとともに、活動のなかで気づいた“特殊なバンド”の面白さなどについて聞いた。
インタビュー・文/永堀アツオ、撮影/厚地健太郎

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それぞれの課題やプレッシャーと闘いながら、1年間で152公演を実施

 楽曲ごとにメンバーを選抜する、秋元康プロデュースのガールズバンドプロジェクト、ザ・コインロッカーズが、昨年12月23日の結成から、まもなく1周年を迎える。13歳〜17歳までをAKB48のチーム8に在籍し、ザ・コインロッカーズには楽器初心者として加入したベースの早坂つむぎは、「悩んでない時がない1年間だった」と振り返る。
「いつも課題があって、常に悩んでいたと思います。特に私は初心者だったので、まず、ベースとして、ライブのステージに立つということ自体が怖かった。バンドなので、わかりやすく足を引っ張ってしまわないか、ずっと気にしていたし、いつも何かに追われている感覚があって。とにかく、自分は何ができなくて、何ができるのかを考えて考えて、不安に飲み込まれないように頑張って、気が緩んでる暇もなかった1年間でしたね」(早坂)

 ザ・コインロッカーズの全国オーディションが開始されたのは、2018年9月。約1万人の応募が殺到するなか、同年12月23日に無観客のZepp Tokyoで結成会見が行われ、総勢41名のメンバーがお披露目された(11月現在は38名)。1年後となる今年12月23日にZepp Tokyoで開催されるワンマンライブのソールドアウトをめざして活動をスタートさせ、各メンバーのスキルチェックやレッスン、個人面談、アンサンブル練習を経て、4月15日にデビューシングル「憂鬱な空が好きなんだ」(CD発売は6月19日)の選抜メンバー9名が発表された。ボーカルを務めるのは、ドラム担当をめざしオーディションを受けながらも、ボーカルとしての適性を見出された松本璃奈だ。

「ドラムではなく、ボーカルで選ばれたことには悔しい気持ちもあったんですけど、曲調的には歌いやすくて。自分の得意分野だったので、素直に嬉しかったし、頑張ろうって思いました。ただ、バンドで最初に見られるのがボーカルで、選抜のボーカルとなると39人(当時)の中で一番目立つ場所になるからこそ、グループの魅力をできるだけ多くの人に伝えたいと思ったし、グループの顔として活動するプレッシャーに悩んだことが多かったなと思います」(松本)
 選抜メンバー以外の30名で、デビューシングル「憂鬱な空が好きなんだ」のカップリング4曲(「月はどこに行った?」、「桜なんか嫌いだ」、「歌いたくて歌いたくて」、「最後の蝉」)を担当する4つのチームを結成(計5チーム)。5月27日、28日の下北沢ガレージでの初ライブを皮切りに“お披露目ライブツアー”を開始したが、初ライブでトップバッターを務めた「月チーム」のボーカル・船井美玖は、アカペラでの歌い出しを間違えるという“ミス”からのスタートとなった。

「ザ・コインロッカーズ として、一番始めに声を出させていただいたんですけど、まさか別の曲を歌ってしまうっていう(苦笑)。本当は『月はどこに行った?』を歌うはずだったんですけど、リハーサルの時に『歌いたくて歌いたくて』を歌えていなかったので、頭の中で練習していたら、ついそっちを歌ってしまったんです。でも、ファンの方が温かく迎えてくださって、その瞬間に私もバンドメンバーも緊張が解けた。『やってしまった〜』って思ったけど、今では忘れられない思い出です」(船井)

“アメーバ”のような活動スタイルは魅力だらけ「楽しみながら活動してる」(松本)

 ライブでは、5つのバンドチームすべてが「ザ・コインロッカーズです!」と声を上げてあいさつし、必ず同じ5曲を演奏する。そんなバンドは世界中を探しても見つからないだろう。
「日によってライブをするチームも違うし、アレンジも違う。自分がどこだったら一番活かせられるかっていう可能性が広げられるし、このバンドのシステムはプラス面しかないと思いますね。その時々で異なるライブは、推しがいなくとも楽しんでいただけると思います」(早坂)
「そうだね。ザ・コインロッカーズは、ほかのバンドにはない面白さがあるよね。組み合わせが変わるのは、私にとってもすごく刺激的で。このドラムは歌いやすいとか、このメンバーとやると曲がこういう雰囲気になるんだとか、毎回発見があります」(船井)

 1stシングル時に結成された5つのバンドチームは、9月末日までのお披露目ツアー第1弾をもって解体。10月からは「緑」、「黄」、「青」、「オレンジ」、「紫」、「赤」と、色別の6チームに分かれてのお披露目ツアー第2弾がスタートし、新メンバーオーディションも開催されることに。チーム替えによって、ボーカルからドラムへと担当が変わった松本は、「次は(メンバーの)誰とやるんだろう?次はどのパートを任されるんだろう?って、楽しみながら活動してます」と前向きな姿勢を見せると、早坂と船井も大きくうなずいた。

 第2弾の色別6チームのライブでは、紫チームがダンスや大喜利に挑戦し、赤チームはトランペットやウクレレなどを演奏。黄色チームは“スタイリスト”と称されるメンバーの戸谷奈桜実によるオリジナルの衣装を披露。青チームはアコースティックセットでパフォーマンスし、緑チームは日本舞踊とエレキギターのコラボも実現。そのほか、ライブペインティングやオリジナル楽曲の演奏など、メンバーの個性を最大限に活かしたライブを展開し、11月24日をもって152公演におよぶお披露目ライブツアーは大団円を迎えた。

 そして、結成記念日となる12月23日。いよいよ彼女たちは、結成会見を行ったZepp Tokyoのステージで1周年記念ライブを行う。

「今年は本当にたくさんのライブができて充実していたので、来年も引き続きライブはたくさんしたいなと思ってます。これまでは東京、名古屋、大阪、北海道、福岡の5ヶ所だけだったので、今後はほかの地域も回りたいと思うし、毎年12月23日に結成記念ライブができたらいいなと思いますね」(松本)

提供元: コンフィデンス

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