「アイマス」関連曲がTOP10内を席巻、デジタル配信で変わるキャラソンの楽しみ方
『アイドルマスター』シリーズは、ゲームの展開に合わせ、次々と新たな楽曲が作られていく仕組み。利用者を飽きさせない強固なビジネスモデルで、コアファンを獲得してきた。熱心なファンの存在によって、これまで発売してきたCDシングル、テーマごとのCDアルバムは常に好セールスを記録。加えて、付録が付いた“高付加価値”のあるCD BOXなども数多く発売されてきた。
これによって、サザンオールスターズやB’z など、大物アーティストなどによって度々目にする“ランキング上位の独占”という現象が起こり、この現象にSNSやネット上では多くのアイマスファンたちが歓喜。上位に『デレステ』関連の楽曲が連なる壮観なランキング結果を見て、アーティストや楽曲を応援することの“新たな楽しみ方”を知ったリスナーは多そうだ。
以前までのコアファンに向けた“周年”系の商品施策としては、先述したようにCDやブックレット、さらにはキャラクターグッズなどまで同梱したBOXセットというのが常道だった。実際、多くのファンはそうしたスペシャルな商品に収めたられた“蔵出し映像”や“描き下ろしイラスト”などを喜んで手にしていた。
しかし、今回の『デレステ』3周年記念の施策は、そうした高付加価値戦略とはまったく異なるものと言える。
実際、今回配信された29曲のダウンロード数を見ていくと、TOP100入りした楽曲でも、1800から3万5000DLとその数には大きな差があり、すべてを揃えたいといったような“収集”や“コンプリート”を楽しむというよりは、キャラクター同士や声優同士の関係性などを想像・妄想しながら、“選択”し、“自分だけのプレイリスト”を完成させるということを楽しんでいる姿も目に浮かぶ。
その意味でも、今回の『アイドルマスター』関連作の一挙配信は、キャラソンの人気をさらに拡大していくための、1つの成功パターンと言えそうだ。