米津玄師CMソング「LOSER」、アルバム曲からの新たな波及ヒット

 米津玄師のHonda『JADE』テレビCMソング「LOSER」がオンエアスタート。過去のアルバム収録曲が各種ランキングにうねりを起こす、デジタル音楽時代の新たな波及ヒットになっている。

ドラマ主題歌「Lemon」に続くムーブメントに

 テレビCMが5月17日より全国でオンエア開始された今週のランキングでは、「LOSER」だけでなく、これまでの主な米津作品が軒並み順位を急上昇させた。興味深いのは、新曲ではなく、過去のアルバム収録曲がCMソングとしてフィーチャーされたことで、同アルバムだけでなく、ほか収録曲から最新ヒット曲までシングルにも影響が現れ、それもライトユーザーが動きやすいデジタルとともに、すでにコアファンは所有しているであろうフィジカルをも動かす大きなうねりになっていることだ。
  • 「LOSER」(ソニー・ミュージックエンタテインメント)

    「LOSER」(ソニー・ミュージックエンタテインメント)

『BOOTLEG』に収録されていた「LOSER」は、16年9月の配信開始からロングヒットとなり、今年に入ってからも毎週2000〜4000DLをキープ。CM放送前の先週は36位(0.3万DL)だったが、今週一気に3位(2.0万DL)に駆け上がった(累積9.6万DL)。そして、この波及効果は、名曲「Lemon」の爆発的なヒットで米津作品が動きやすい状況になっていたなかで、見事に各種ランキングに及んだ。

『BOOTLEG』がデジタルアルバムで9位→3位(0.2万DL)、フィジカルで21位→11位(0.4万枚)。そのほかにも、デジタルシングル(単曲)で「ピースサイン」が13位→12位(0.6万DL)、「灰色と青(+菅田将暉)」が16位→15位(0.5万DL)、「アイネクライネ」が30位→26位(0.4万DL)、「orion」が65位→42位(0.3万DL)。「Lemon」は変わらず1位(2.8万DL)をキープしながらDL数を再び上げ、さらにフィジカルでも19位→13位(0.3万枚)と異例の推移を見せている。

デジタル、CDランキングで大きなうねりになった

  • 『BOOTLEG』

    『BOOTLEG』

 アルバム、シングルとリリースのたびに話題を巻き起こして大ヒット。その新曲からアルバム収録曲、旧作まで多くの米津作品がロングテールとなってデジタルランキング内に長くランクインしていたなか、今回のアルバム収録曲のCMソング起用は、新作リリース時とは異なる、デジタル、フィジカルなどメディアや盤種を超えてそれらの新旧楽曲が再上昇する、各種ランキングをうねりのように動かすヒットになった。

 米津だから起こせた事象ではあるが、サブスクやダウンロードといったデジタルでの楽曲視聴が一般層に普及しはじめ、SNSからの拡散にも多様性が見られるようになり、よりライトユーザーが好きな音楽に気軽に触れられる環境が整いつつあるなか、CMソングという1つのきっかけで、大きなヒットのうねりを起こせる時代になっていることも示した。今回はそれが新曲ではなく、アルバム収録曲であったことが新たな動きとして注目される。

提供元: コンフィデンス

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