10月改編各社の狙いとは
10月クールのドラマは各社の色がよりわかりやすい
バラエティ枠は各社揃って“ちょい攻め”
ここのところ大幅改編続きのフジテレビは「変える、変わるためにフジテレビをrebootする」を掲げ、週末の19時台に古館伊知郎の『モノシリーのとっておき』、『さまぁ〜ずの神ギ問』をゴールデンに昇格する改編や、23時台を40分にワイド化。また、「他局とはひと味違う独自路線」を重視するテレビ東京は看板バラエティである『主治医が見つかる診療所』と『ニッポン行きたい人応援団』の入れ替えが改編ポイントのひとつ。同社縄谷編成部長は「各社のタイムテーブルに並ぶ医療や外国×日本、グルメなどの人気定番バラエティを視聴者は毎日まんべんなく楽しみたいはず。攻めたい気持ちもあるが、各社と曜日と時間が被らないように裏環境を考える柔軟な改編も必要だと思う」と理由を話す。
これに対して、「独走的なタイムテーブル改革」を着々と進めるテレビ朝日は不動の裏番組を相手に、日曜朝に東山紀之MCの『サンデーLIVE!!』と夜に『ビートたけしのスポーツ大将』を編成するなど、攻めの姿勢を崩さない。地上波全体の低迷感もあり、高視聴率を獲得できるバラエティ番組が出にくい状況にあるが、日本テレビの『世界の果てまでイッテQ!』のように高水準で長期的に安定するバラエティがあるのは強い。各社のバラエティ枠の改編は、視聴習慣に繋がる安心材料の種まき作業とも読み取れる。
(文/長谷川朋子)