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国民の館も!ルーマニア・ブカレスト観光で必見の見どころ


ルーマニア最大の都市の首都ブカレストは、共産主義時代の大きな建物が多く残されており、今では定番観光地です。
24年間ルーマニア大統領だったチャウシェスクが倒れる革命の舞台となるブカレスト大学図書館広場、彼が最後の演説をした旧共産党本部庁舎、世界で大きさが二番目となる国民の館(国会宮殿)も徒歩観光可能。
また、美しい凱旋門は中心地から少し離れるものの歴史があり、静かな雰囲気の観光名所なのです。

革命の舞台近く「ブカレスト大学図書館」

写真:大里 康正

ブカレスト大学図書館周辺は、1989年のルーマニア革命で重要な場所で、図書館前は大学広場と呼ばれます。付近を歩くと、ここに多くの民衆が詰めかけ革命の舞台となったことが本当なのだろうかと感じるほど美しい佇まい。しかし当時は図書館も影響を受け、多数の本が焼け落ちたのです。

写真:大里 康正

図書館正面の銅像は、カロル1世(1839年-1914年)の騎馬像。初代ルーマニアの国王であり、今でもルーマニアの人々から敬愛されている人物です。

写真:大里 康正

これは図書館前の大学広場の様子。ここから次に紹介するルーマニア共産党本部庁舎前まで多くの民衆が詰めかけ、それが歴史を大きく変える革命に繋がるのです。
<ブカレスト大学図書館の基本情報>
住所:Strada Boteanu 1, Bucuresti
電話:+40-21-313-1606
アクセス:地下鉄Universitate駅すぐ

歴史を変えたルーマニア共産党本部庁舎(旧庁舎)

写真:大里 康正

ブカレスト大学図書館に隣接するのがルーマニア共産党本部庁舎(旧庁舎)です。東欧革命と言われる一連の流れの中で起きたルーマニア革命は、1989年12月16日から26日の出来事でした。12月16日、ルーマニア西部のティミショアラでデモと暴動が発生。そこに治安警察が発砲し多数の死傷者が出たのです。
24年の間、ルーマニアの大統領として権力を握っていたニコラエ・チャウシェスクは、周辺諸国で起きた共産政権打倒革命の流れと、国内でデモが発生したことに危機感を覚えます。そこで自分を支持する人たちを集めて集会を開いたのが、このルーマニア共産党本部庁舎前で12月21日のこと。
この時の映像は全世界に流れているので、見たことがある人も多いのでは。

写真:大里 康正

演説をしていたチャウシェスクですが、突如聞こえた爆発音。そして民衆の異変を感じ演説をストップします。やがて、自分を支持する人たちの集まりだったはずが反チャウシェスクの声が高まっていき、狼狽する様子が放映されたのです。大統領夫人は、マイクを通して静まるように訴えかけましたが声は止みませんでした。
翌日になると鎮静化とは逆に、打倒チャウシェスクの大きなうねりに。鎮圧を命じ戦車まで動かして民衆を蹂躙するのです。更なる鎮圧を国防大臣に命じますが、拒否した大臣はなぜか死亡。大統領による殺害と判断した陸軍が反チャウシェスクに合流する事態となり、大統領夫妻はルーマニア共産党本部庁舎の屋上からヘリコプターで逃走したのです。
しかしながら翌日23日には逮捕され、25日のクリスマスには夫婦ともに公開の銃殺刑に。そして26日には暫定政権が出来るという極めて短い間に起きた「革命」だったのです。

写真:大里 康正

旧共産党本部庁舎前には、革命での犠牲者への慰霊碑が建立されています。付近は革命広場と呼ばれる現在。そしてモニュメントの特徴は、革命で流された血をイメージして一部に赤色が使われていること。賛否両論が今でもありますがそのまま残されているので、観光の際には見落とさないようにして下さい。
<旧共産党本部庁舎の基本情報>
住所:Piata Revolutiei, Bucuresti
電話:+40-21-315-8556
アクセス:地下鉄Universitate駅すぐ

超巨大な国民の館(国会宮殿)

写真:大里 康正

日本円にして当時の金額で1500億円。1984年から約6年間、チャウシェスクが作らせた国民の館(国会宮殿)の費用です。これには同時並行で作られた周辺道路と周囲の建物の費用は含まれていません。当時でその金額ですので、現在に換算すればとてつもない金額となるのです。
ルーマニア革命では、一部が壊されることになりました。そして、最終的な完成は1997年となります。

写真:大里 康正

国民の館とは表向きの名前で、実際はチャウシェスク一族のための建物でした。部屋数は3,107もあり、内部はあらゆる場所に純金の装飾が施されています。贅の限り尽くした建物ですが、国民の生活は貧困レベルに落ちており、この建物こそ革命に繋がったきっかけとも言われているのです。

写真:大里 康正

怨嗟の象徴となりそうですが、現在は国際会議やコンサート会場として利用されているのがルーマニアのユニークなところ。観光客の撮影スポットにもなっています。
建築物としては世界一大きな米国防総省に次ぐ二番目。あまりに巨大なので撮影では距離が必要ですが、建物の前は広場となっていますので利用しましょう。
<国民の館の基本情報>
住所:Strada Izvor 2-4, Bucuresti
アクセス:旧共産党本部庁舎から約1.5km

あまり知られていないブカレストの凱旋門

写真:大里 康正

最後に紹介するのは、ブカレストの美しい凱旋門です。こちらも大きな建造物となりますが、第一次世界大戦勝利を記念して1922年に作られました。当初は漆喰でしたが、1930年に有志の建築家によって作りかえられ現在の姿となっています。

写真:大里 康正

凱旋門には、ロマナ駅近くのロマナ広場から131番バスを利用し、Arcul de Triumfで下車となります。ロマナ広場は、国民の館から約1.5kmの距離で徒歩圏内。

写真:大里 康正

中心地からはやや離れていますので賑やかさはありませんが、近くのヘラストラウ公園を含めて静かな雰囲気を楽しむことが出来ますので、足を運んでみましょう。
<凱旋門の基本情報>
住所:Piata Arcul de Triumf, Bucuresti
電話:+40-787-584-104
アクセス:ロマナ広場から131番バスでArcul de Triumf下車

大きな建築物と旧市街地が同居するブカレスト

ルーマニア革命で、独裁政権が倒れるというルーマニアの歴史の中でも大きな出来事に関係する場所の数々。また、美しい凱旋門では辛い革命とは異なった歴史を感じることでしょう。
なお、更にブカレスト散策を楽しみたい方にお勧めするのは旧市街地。今回紹介した大きな建物とは違った魅力満載で、マッカヴィッラクロス・パサージュやドラキュラ伯爵の旧王宮跡、クルテア・ヴェケ教会、風情あるハヌル・マヌク等、見どころが多数あります。
そしてルーマニア人が観光に勧める世界遺産・シギショアラの町にも足を運んでみてはいかがでしょうか。詳細はぜひ、下記の関連MEMOを参考にして下さい。
2018年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
ルーマニア・ブカレスト観光 地元民が勧める旧市街地散策
https://www.travel.co.jp/guide/article/34905/
ルーマニア・世界遺産シギショアラの時計塔と山上教会からの絶景
https://www.travel.co.jp/guide/article/34758/
ドラキュラの生家で赤い料理も!ルーマニアの世界遺産シギショアラ
https://www.travel.co.jp/guide/article/34765/
凱旋門
https://ampt.ro/ro/monument/arcul-de-triumf-2
ルーマニア観光・商務局
http://www.romaniatabi.jp/regions_cities/bucharest.php

【LINEトラベルjp・ナビゲーター】
大里 康正

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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