とことん欲張り
「BMW 6シリーズ」のラインナップに加わった、5ドアハッチバック「6シリーズ グランツーリスモ」に試乗。高級セダンとクーペの長所を併せ持つという、その実力やいかに? ポルトガル・リスボンからの第一報。
モデルチェンジで新たな車名に
1976年に誕生し“世界で最も美しいクーペ”として名をはせた、E24型の初代BMW 6シリーズ。
その後、長い空白期間を経て2003年に復活した2代目以降、この由緒正しき名称は「5シリーズ」をベースとした2ドアクーペに与えられるとばかり思っていたが、さにあらず。フルオープンボディーの「カブリオレ」に4ドアの「グランクーペ」と、いつの間にかBMWはボディーバリエーションを拡充させ、予想外の大所帯になっていた。
そんな拡大戦略は“吉”だったという判断なのか、6シリーズファミリーには、「グランツーリスモ」という新たなボディー形態が加えられることになった。
もっとも、よりストレートに説明するならば、これまでは「5シリーズ グランツーリスモ」と呼ばれてきたものが、フルモデルチェンジを機に6シリーズ グランツーリスモへと名前を変えたというのが真実である。
そこには、「5シリーズはセダンとステーションワゴンという伝統的なボディーの本流モデルへと回帰させ、6シリーズを含む“偶数名モデル”と、BMWが“スポーツアクティビティービークル”と呼ぶSUVの『Xシリーズ』は、新たな顧客を開拓するモデルと再定義しよう」という戦略が読み取れる。...