フィレンツェ市街から車で15分ほど。小高い丘の上にあるフィエーゾレという町をご存知ですか?
フィレンツェの町を一望できる絶景スポットもあり、フィレンツェよりも古い歴史を持つ、美しく興味深い町を今回はご紹介しましょう。
歴史の長さはフィレンツェ以上!フィエーゾレの魅力
フィレンツェから8kmほど小高い丘を登ったところにフィエーゾレはあります。
フィエーゾレはエトルリアの都市国家に起源し、その歴史はフィレンツェよりも古く、“フィレンツェの母”と称されます。フィレンツェの町全体を包み込むフィエーゾレの丘は正に“母”のよう。フィエーゾレにはフィレンツェの全景を望むことができる絶景スポットもあります。
この丘の上にある小さな美しい町は観光客もそれほど多くなく、静かで落ち着いた雰囲気。フィレンツェから町の中心に向かう途中の緑の木々に覆われた地域には結婚式やパーティーでも使用されるプライベートのお城や高級ホテルが点在し、高級住宅地、高級別荘地としても有名です。
その自然の美しさ、フィレンツェを眺められる立地、落ち着いた環境…多くの人が癒しを求めてフィエーゾレを訪れます。半日、1日観光で訪れてみるのも良し。または高級ホテルでアペリティフや食事、宿泊してみるのもいいでしょう。
ローマ劇場・考古学博物館
トスカーナや中部イタリアの歴史を語るうえで欠かせないのがエトルリアとエトルリア人。日本人にとってはあまり馴染みのない名前かもしれません。
エトルリアとは紀元前8世紀から紀元前1世紀ごろにかけて現在のトスカーナのほとんどの地域を含む中部イタリアに繁栄した都市国家群で、エトルリア人が生み出した文化や技術はローマ人にも影響を与えました。
また、“トスカーナ”という名前は、ローマ人がエトルリア人(イタリア語では“Etruschi(エトゥルスキ)”と呼ぶ)のことを“Tusci(トゥスキ)”と呼んでいたことに由来すると言われています。
この小さな町フィエーゾレは正にエトルリア人の町であり、考古学の町でもあります。
考古学博物館では発掘品の数々を鑑賞でき、遺跡エリアでは実際に神殿、古代ローマの浴場(写真上)やローマ劇場を見学できます。
オススメはなんといっても遺跡エリア。神殿はエトルリア人の神殿を残しつつ、ローマ人たちが築いたものです。よって、フィエーゾレの遺跡エリアではエトルリア時代とローマ時代という二つの時代の遺跡を見ることができます。
また、遺跡の向こうに広がる緑豊かな丘の景色も遺跡の美しさを際立だせています。エトルリア人もローマ人も、きっとこの美しい場所を愛したのでしょう。
保存状態も良いこのローマ劇場は今でも現役で、夏のオペラなどの会場として現在でも使用されています。
＜基本情報＞
住所:Via Portigiani 1 Fiesole FI
電話番号:+39-055-5961293
アクセス:フィレンツェの中央駅側から7番のバスに乗って終点Fiesole Piazza Mino下車。そこから徒歩1分。
フィレンツェの絶景スポット サン・フランチェスコ通り
フィエーゾレの大聖堂の前に細い坂道があります。フィエーゾレを訪れた際は、かならずその坂道を上ってみてください。
その通り(坂道)の名はサン・フランチェスコ通り。趣のある石畳の細い道を上って行くと、途中、開けた場所に出ます。そこから見えるのは緑のオリーブや糸杉の木々の丘と、その向こうにある赤茶色の屋根に統一されたフィレンツェの街並み。その景色はまさに絶景です。もちろん、フィレンツェの大聖堂も肉眼で見ることができます。
美しい緑の丘とフィレンツェの街並みを眺めることができるフィエーゾレの“テラス”に行けば、その美しい景色にに見惚れてしまうことでしょう。
丘の上にたたずむ小さくも美しいサン・フランチェスコ教会
さて、フィレンツェの絶景を堪能した後、もう一息、サン・フランチェスコ通りの坂を上ると、丘の上にあるサン・フランチェスコ教会にたどり着きます。
14世紀のロマネスク様式のこの教会は、小さいながらも神聖な空間を作り出しています。教会付属僧院の中庭も趣があり、かつての僧房も見学可能です。
＜基本情報＞
住所:Via San Francesco 13 Fiesole FI
電話番号:+39-055-59175
アクセス:フィレンツェの中央駅側から7番のバスに乗って終点Fiesole Piazza Mino下車。そこから徒歩5分。
町の喧騒に疲れたら、癒しを求めてフィエーゾレへ
あまり観光客には知られていないフィエーゾレという町。フィレンツェの喧騒に少し疲れてしまったら、歴史と絶景と静寂を求めて行ってみるのもいいでしょう。小高い丘の上にある町のため、夏場はフィレンツェ市街よりも涼しいです。
フィレンツェの中央駅側から出ている7番のバス1本、15〜20分ほどで行けます。小さな町なので日帰り観光で十分でしょう。
2020年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
■関連MEMO
ローマ劇場・考古学博物館情報(外部リンク)
https://www.museidifiesole.it/en/informations/opening-hours-and-tickets
サン・フランチェスコ教会(外部リンク)
http://fratifiesole.it/index.php-option=com_content&view=article&id=1&Itemid=101.html
【LINEトラベルjp・ナビゲーター】
Shibayama Shiho
