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「気持ち悪い」から「SNS大喜利」に転化…大阪万博ロゴマークの生みの親も感動「この現象こそアート」
賛否両論からのSNS大喜利、「“公式”ではないところの遊び心がすごくいい」
このロゴマークを作ったのは、シマダデザイン(大阪市浪速区)のデザイナーらで構成する「TEAM INARI」。その代表がシマダタモツ氏だ。1965年生まれで大阪出身。主な作品に朝日放送株式会社(ABC)のロゴマークなどがあり、88th NY ADCポスターデザイン部門・ブックデザイン部門でGOLD CUBEなど数多くの受賞歴もある。シマダ氏は、これらSNSやネットの反響について、「賛否が両極端だったのが、すごく面白いと思いました」と振り返る。
「『気持ち悪い』という言葉も、興味を持ってもらわないと出てこない言葉じゃないですか。それがまず、うれしいですね。また、小さいお子さんからの反応はいいようで、小学校でもその話題で1日盛り上がったと聞きました。次世代の子どもたちに人気ということは、とてもうれしいことです」(シマダ氏/以下同)
発表後わずか数時間で、ロゴを元にしたイラストやアニメ、ゲーム、キャラソンなどのアレンジ作品がSNSに殺到していたことも、もちろん把握している。
「ちょうどロゴ決定記者会見の後、スタッフと食事会をしていたときに見ていたんです。わずかな時間にいろんな派生作品が出来上がっていく、そんなデジタル世代ならではのスピード感に驚きましたし、“公式”ではないところの遊び心もすごくいい。皆で食事をしながら、『こんなのも上がってる!』など盛り上がりましたね(笑)」
目玉ではなく“細胞の核”、アレンジされることも前向きに受け止め
「最初はサークルのモチーフから始まり、制作過程で『命を表現するものは何か』と考え、“セル=細胞”のアイディアが生まれたんです。さらにその“セル”で躍動感や存在感を表現できたら…と、だんだんと変化していきました」
目玉に見えるものは、実は細胞の“核”。これを1970年大阪万博のロゴマークの花びらにあわせて5個配置し、核の色も同じく引用した。細胞の赤は、日の丸や生命力をイメージしている。
「キーワードとして、“個と個のつながりで競争が生まれていく”というものがあったので、それもイメージしました。目玉に見えるという声もありますが、それもまた“いのち”が表現できた結果ではないかと考えています」
こうした様々な意図を込めて生まれたこのロゴマークだが、SNSのアマチュアクリエイターたちから自由にアレンジされていることも、前向きに受け止めている。
「『勝手にロゴを使って!』なんていうことは思っていませんし(笑)、可能ならば皆さんの作品とコラボしてみたいくらい。僕はアナログ世代で、インターネットやSNSをほとんど見ない人間なのですが、今回の件でデジタルのスピード感を知り、そこについていけるようにならなければいけないと思いました」