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「気持ち悪い」から「SNS大喜利」に転化…大阪万博ロゴマークの生みの親も感動「この現象こそアート」
「SNSが発達した現代ならでは」、一連の現象自体が現代アートに
現代アートには“コンセプチュアル・アート”というジャンルが存在するが、見ようによっては今回のこの“現象”そのものが現代アートのようにも感じられる。コンセプチュアル・アートは、1910年代のフランスのマルセル・デュシャンの活動に端を発するもので、これまでのアートの枠を超え、「この作品はアートなのか」「この作品は何なのか」と鑑賞者に“思考”を要求するアート形式のこと。考えることで、鑑賞者のなかで作品が完成していくスタイルのものだ。実際、今回の現象のあとにはロゴマークの受け取られ方も変化。いつの間にか“いのちの輝き君”という愛称までが付けられ、「最初は気持ち悪いと思ったけど、だんだん可愛く見えてきた」、「いろんな作品を見ているうちに親近感がわいてきた」との声が多くなっていった。
「SNSが発達した現代ならではの現象ですよね。今後、デジタル面でいろんな形のアートが作られる、そんなことにも想いを馳せました」
「予定調和ではない、ワクワクドキドキするような万博になれば」
「出てくる場所がSNSであろうがネットであろうが、才能は才能です。せっかくそういう時代なのだから、ぜひ若いうちからやってみた方がいいと思いますね。ただし、気軽な分、人を傷つけないなどルールは守って、自由に表現できたらいいのではないかと思います」
SNS時代ならでは、一つの現代アートのような現象を生んだこのロゴマークだが、大坂・関西万博の場で活躍するまでには、まだ5年の時間がある。
「ロゴマークは僕の子どものような存在だし、まだ赤ちゃん。万博が開催されるまでに皆に可愛がられ、毎年成長していってもらえたらうれしいです。そしてこのロゴのように、予定調和ではない、ワクワクドキドキするような万博になればいいなと思います」
このロゴが今後、どんな変化を見せていくか。そして、新たなアートを生んでいくか。これからの5年が楽しみだ。
(文:衣輪晋一)