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「気持ち悪い」から「SNS大喜利」に転化…大阪万博ロゴマークの生みの親も感動「この現象こそアート」

「SNSが発達した現代ならでは」、一連の現象自体が現代アートに

  • 1970年の大阪万博のロゴ

    1970年の大阪万博のロゴ

 「一つのモチーフが生まれ、それを見て皆が何かを感じとり、さらに別のものに変化させて発表する。これもまた、違う形のアートなのかな」とシマダ氏。

 現代アートには“コンセプチュアル・アート”というジャンルが存在するが、見ようによっては今回のこの“現象”そのものが現代アートのようにも感じられる。コンセプチュアル・アートは、1910年代のフランスのマルセル・デュシャンの活動に端を発するもので、これまでのアートの枠を超え、「この作品はアートなのか」「この作品は何なのか」と鑑賞者に“思考”を要求するアート形式のこと。考えることで、鑑賞者のなかで作品が完成していくスタイルのものだ。実際、今回の現象のあとにはロゴマークの受け取られ方も変化。いつの間にか“いのちの輝き君”という愛称までが付けられ、「最初は気持ち悪いと思ったけど、だんだん可愛く見えてきた」、「いろんな作品を見ているうちに親近感がわいてきた」との声が多くなっていった。

 「SNSが発達した現代ならではの現象ですよね。今後、デジタル面でいろんな形のアートが作られる、そんなことにも想いを馳せました」

「予定調和ではない、ワクワクドキドキするような万博になれば」

 現在、SNSでは様々なジャンルのアマチュアクリエイターが作品を投稿。作品は多岐にわたり、イラストや漫画、動画、音楽、造形物からアクセサリーなど、枚挙にいとまがない。SNS以前の時代であれば、発表の場すらなかった作品たちはスピーディーに拡散され、それをきっかけにプロになる人も多い。

 「出てくる場所がSNSであろうがネットであろうが、才能は才能です。せっかくそういう時代なのだから、ぜひ若いうちからやってみた方がいいと思いますね。ただし、気軽な分、人を傷つけないなどルールは守って、自由に表現できたらいいのではないかと思います」

 SNS時代ならでは、一つの現代アートのような現象を生んだこのロゴマークだが、大坂・関西万博の場で活躍するまでには、まだ5年の時間がある。

 「ロゴマークは僕の子どものような存在だし、まだ赤ちゃん。万博が開催されるまでに皆に可愛がられ、毎年成長していってもらえたらうれしいです。そしてこのロゴのように、予定調和ではない、ワクワクドキドキするような万博になればいいなと思います」

 このロゴが今後、どんな変化を見せていくか。そして、新たなアートを生んでいくか。これからの5年が楽しみだ。

(文:衣輪晋一)

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