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本職は『わたナギ』をどう見るか? 人気高い家政婦ドラマ、過去には弊害も
放送に反響、『わたナギ』でようやく描かれた“普通の家政婦”
――ドラマを観た人からの反響はいかがでしょうか?
「当協会で『家政士検定』の公式テキストをドラマの小道具として提供したのですが、その際には放送後、サイトに300件近いアクセスがありました。家政婦サービスについての問い合わせよりも、検定や家政士の仕事に興味を持たれた方が多かったようです。やはりテレビの影響力はすごいですね。数年前に情報番組で取り上げられたときもそうでしたが、サービス自体への問い合わせは、放送から少し経ってから増える傾向があります。これからもっと多くなるかもしれません」
――本作では家政夫・ナギサさんの仕事も多く描かれていますが、本職の方はどんな感想を持たれたのでしょうか?
「誇張したものではないですし、内容がまともだと思いました(笑)。家政婦をテーマにしたドラマの中には、これまであまり良いイメージで描かれていない作品もありましたが、今回はようやく、普通に描かれているなというイメージです」
個人情報の扱いに問題、「『家政婦は見た!』に業界団体として抗議したことも」
「実は『家政婦は見た!』の放送時、業界団体として制作会社に抗議したこともあるんです。お話としては面白いし、素晴らしいドラマだとは思いますが、”個人情報”を扱う点で問題がありました。このドラマの放送が始まった当初は、まだ個人情報保護法などの法律が整っていませんでしたから、『知られたくないようなことまで覗き見したり、同僚に情報を話したりするの?』と不安になられる方もいらっしゃいました。
『家政婦のミタ』のときは、主人公が“スーパーウルトラ家政婦”だったので、『あんな完璧な家政婦さんがいるなら紹介してほしい』という問い合わせがありました。でも、ドラマですから当然誇張しているわけで、そこまで求められると困ってしまいますよね(笑)。掃除が得意、料理が得意など、得意分野を持っている方はいらっしゃいますが、さすがにああいう家政婦は見たことがないです。
『きょうの猫村さん』(2020年放送。松重豊主演)もありましたが、これは漫画も面白く拝見しました。核家族化で人間間の関係が希薄な時代に、親に叱られたことがないような子が猫村さんに親身になって叱ってもらうというのが、若い人の感性に合っていたのかなと思います」