世代を超えたヒット曲をめざし7年 広瀬倫子が新曲「愛を舐めるな」で挑戦する“愛の裏側”
強烈な及川眠子先生の詞、自分の中で封印していた今だから歌える愛の世界
広瀬この詞を初めて読んだ時に、自分でフタをしていた感情の扉をこじ開けられたような、昔の手紙をタイムカプセルから取り出して読んだような気持にとらわれてしまいました。自分でも若い時に、同様の世界観を詞にしたことがありまして、でもそこにとらわれてしまうと歌どころではなくなる自分がいるので、その世界は封印していたんですね。今だから歌える歌なのかなと思います。及川眠子さんの詞は本当に強烈ですよね。でも、来生さんのメロディーは、それに惑わされることなく冷淡で美しく、詞の生々しさを突き放している。そんなところがこの作品の魅力だと思います。レコーディングでは、私自身はそのサウンドに寄り添おうと思って、少しヨーロッパ風のクールな歌い方にしようと思ってました。それがうまく言ったので、これでいいかなとスタッフと話しているところに及川先生が登場しまして。「いいけれど、もっとドスを効かせた方がいいんじゃない?」っておっしゃったんです。「広瀬倫子という名前はまだまだ知られていないでしょ」と言われてサウンドと歌詞の間で自分なりの回答を歌い方にしたのが今回の作品になるんです。
広瀬プロデューサーが、彼らの存在って不思議でいいよねって。私も足長巨人と私の対比が面白いかなと思って、撮影への参加をお願いしました。仕上がりを見ると、アレンジのイメージにピッタリ合っていると思います。本当は、ジャグラーとかアコーディオンとかヨーロッパの夜の大道芸の世界をもっと出せれば良かったと思いますが。予算の関係もあって断念しました。あと今回は写真がすごくいいんです。目の下に赤いタトゥーを入れたんです。主人公の内面の毒がにじみ出た感じですかね。あまり理屈で言わなくても、こいつ何か企んでるなという女性の心の二面性がわかるんじゃないかな。