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【aiko】ライブに紅白…怒涛の日々の中で発表した46枚目の新作、“都合よく生きる”の言葉の真意とは?「今だから書けた曲なのかな」

aiko

 aikoから46枚目のシングル「シネマ/カプセル」が届けられた。本作は「シネマ」(日本テレビ『アンサンブル』主題歌)、「カプセル」(TVアニメ『アポカリプスホテル』エンディング主題歌)による両A面シングル。初回限定仕様盤には、『Love Like Aloha vol.7 director’s cut』の映像が収録されたBlu-rayまたは DVDが付属される。年末には東京、大阪で『Love Like Pop vol.24.9』の開催も決定。精力的な活動を続けるaikoにニューシングルについてじっくりと語ってもらった。

紅白でも大反響、「相思相愛」は累計1億回突破「コナンくんには感謝しかないです」

フリーライブ『Love Like Aloha vol.7』

フリーライブ『Love Like Aloha vol.7』

――昨年8月のアルバム『残心残暑』から、フリーライブ『Love Like Aloha vol.7』、ツアー『Love Like Rock vol. 10』、年末の『NHK紅白歌合戦』、年明けには配信リリースと、怒涛の忙しさだったのではないかと思いますが、この数ヵ月はいかがでしたか?

aiko 自分史上最高に忙しかった時期は3rdシングル「花火」の頃だったんです。後でレコード会社の方に「光GENJIより忙しかった」と言われたんですけど(笑)、いま振り返ってみると「あのときがんばってよかったな」という気持ちがあって。それに比べると今のほうが余裕がありますけど、いろんな活動ができるのは本当にうれしいし、必要としてもらえてるのはありがたいです。

――さらに、「相思相愛」(劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』主題歌)の累積再生数が1億回を突破(自身通算4作目、オリコン史上500作目)。紅白でも歌われたこの曲が長く広く愛されている証拠だと思います。

aiko 全然想像が追い付いてないですけど、すごいことだなって思います。たくさんの人に聴いてもらえるきっかけを作ってくれたコナンくんには感謝しかないです。いろんな場所で曲がかかっていて、映画をきっかけにライブに来てくれた方もいらっしゃるし、うれしいことばかりです。
――そしてニューシングル「シネマ/カプセル」がリリースされます。通算46作目のシングルですが、パッケージを届けることに対してはどんな思いがありますか?

aiko CDを出させてもらえるのは本当にうれしいし、やっぱり大事だなって思います。「シネマ」は日本テレビ『アンサンブル』の主題歌、「カプセル」はTVアニメ『アポカリプスホテル』のエンディング主題歌として使っていただいたこともあって、CDを出すきっかけをいただけて。ライブのMCでも話したんですけど、「もしかしたら明日突然、私の曲の配信が全部なくなることがあるかもしれないし、何かあるかわからないじゃないですか」って言ったことがあるんですよ(笑)。それは冗談としても、できたらCDを手に取ってほしいなって。

――今はどうしてもサブスクが主流ですからね。

aiko そうですよね。お洋服のサブスク(月額定額で服をレンタルできるサービス)なんかもあって、便利だなと思いつつ、私は収集癖があるので好きなものは持っておきたくて。自分のCDも、みなさんが「手元に置いておきたい」と思ってもらえるようなものを作らないとダメだなと思ってます。

もともとは放棄しがちなタイプ、でも「イヤなことがあっても、ちゃんと向き合って考えることが大事」

「シネマ/カプセル」初回限定仕様盤

「シネマ/カプセル」初回限定仕様盤

――では、収録曲について聞かせてください。「シネマ」は〈孤独とは儚いもの〉と言うフレーズではじまるミディアムチューン。aikoさんはこの曲に対して「人生は自分にとっての映画だな、そして人生をしぶとくねばり強く全うしたい」とコメントしていました。

aiko はい。誰かに言われたことで勝手に落ち込んで、「人間ってやっぱり一人なんだな」と思ったことがあって。いろいろ考えるなかで、「相手のことをわかろうともせずに、自分本位で勝手に傷ついて、落ち込んでる自分ってダサいな」と思ったのが、この曲を書いたきっかけなんです。

――それが「今日も都合よく生きる」というフレーズにつながった?

aiko そうですね。それは決して後ろ向きではなくて。何かを諦めてしまうのではなくて、前向きに飲み込んで進んでいくというのかな。私はもともと放棄しがちなタイプで、学生の頃とかは考えないで逃げ出そうとすることもあったんです。でもそれって何の成長もないし、イヤなことがあっても、ちゃんと向き合って考えることが大事なんだなって。もしかしたらこの先、「そんな都合よくいかないよ」と思うくらい悲しい出来事があるかもしれないけど、今は「都合よく生きよう」という気持ちがあります。そういう意味では、今だから書けた曲なのかなって思いますね。

――「シネマ」はライブでも披露されましたが、手ごたえはどうでした?

aiko 「新曲歌います」と言った時、来てくれたみなさんが歓声を上げてくれるのがとても嬉しかったです。毎回毎回必死に歌いました。「カプセル」も最終日(4月10日に開催されたライブハウスツアー『Love Like Rock vol.10』福岡・Zepp Fukuoka公演)で1曲目に歌って。ドキドキしてみんなの顔をしっかり見られなかったんですけど、みんなしっかり聴いてくれたし、緊張感があってよかったです。

「シネマ/カプセル」通常仕様盤

「シネマ/カプセル」通常仕様盤

――「カプセル」はアレンジもドラマティックで、ライブ映えしそうですよね。この曲を書いたきっかけは?

aiko 〈あなたに出逢ったら/毎日がとても短くなった〉から始まるんですけど、本当にそう思ったことがあったんです。大切な人を想うことで、「明日も楽しく過ごすために、ちゃんとメイクを落として、お風呂に入ろう」とか「髪もいつもより入念に洗おう」とか。「まあいいか」がなくなって生活の質が上がるというか。でも、その人がいなくなったことでポッカリ穴が開いて、すべてが過去になったしまったことが寂しくて。それをそのまま歌詞にしたのが「カプセル」です。サビにある「花は枯れて実を残した」も、実際の出来事がもとになっていて。家で植物を育ててるんですけど、水をあげすぎないようにしてたんですよ。

――水のあげすぎはよくないって言いますよね。

aiko そうなんです。あまり水をあげないほうが強くなるので。で、しばらくあげてなかったら、ある日、実がついたんです。「あれ?」と思って調べたら、その植物はいよいよダメってなったときに、子孫を残すために赤い実をつけると書いてあって。

――最後に〈寂しいよりも逢いたくて/死にそう〉と歌っていて。

aiko 寂しいも逢いたいも両方あるんですけどね。でも、それくらい相手のことを大切だと思えた瞬間があってよかったなって。もしかしたら5年後、10年後に笑い話になってるかもしれないんですけど、あのときの気持ちは確かなものだったし、それを残しておきたいんですよね。タイムカプセルじゃないけど、誰かがこの曲を見つけてくれた時、「そうだったんだね」と思ってくれたらうれしいなって。

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