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デビュー25周年の倖田來未、“エロかっこいい”で一世風靡した彼女の未来は? 進化の軌跡とこれから
輝かしい25年の歴史、当初の葛藤が“QUEEN OF LIVE”の下地に
「LIVE IN METAVERSE 〜THE BEST〜」(mu-mo shop, ファンクラブ限定盤)
R&B、エレクトロ、ロックなど多彩な音楽性を取り入れた楽曲、圧倒的なライブパフォーマンス、セルフプロデュースと自己発信力に高さ、ファンダムとの強い絆によって、“女性が憧れるアーティスト”の先駆けとなった倖田來未。デビューから四半世紀に達した彼女の軌跡を振り返ってみたい。
2000年、日本に先がけてアメリカで1stシングル「TAKE BACK」を“KODA”名義でリリース。全米ビルボードのダンスポップ・チャートで最高18位を記録した後、12月に同曲で日本デビューを果たした倖田來未。洋楽の最新モードを取り入れたR&Bサウンドによって、大きな注目を集めた。
鳴り物入りで逆輸入的なデビューを果たしたわけだが、意外にも最初の数年間はなかなかヒット曲に恵まれなかった。事務所の方針もあり、テレビ出演よりもクラブを中心にしたライブ活動を展開。メジャー契約が切られるかもしれないという不安と戦いながらの日々だったそうだが、この時期にステージに上がり続けたことが、“QUEEN OF LIVE”の下地となったことは間違いない。
「キューティーハニー」で一気にブレイク、“エロかっこいい”が流行に
「LIVE IN METAVERSE 〜THE BEST〜」(通常盤 2CD+DVD)
「キューティーハニー」のヒットによって一気にブレイクを果たした倖田は、2005年2月に4thアルバム『secret』をリリース。「キューティーハニー」「奇跡」「Hot Stuff feat.KM-MAKIT」などを収めた本作は、オリコン週間アルバムランキングで初登場3位。累積売上50万枚超え(52.2万枚)を記録した。R&B、ヒップホップ、エレクトロなどを取り入れた楽曲からじっくりと歌い上げるバラードナンバーまでを網羅したこのアルバムによって彼女は、自らの音楽的なスタイルを確立させたと言っていいだろう。
アーティストとしてのステージをさらに引き上げたのが、14thシングル「Butterfly」(2005年6月リリース)。ラテン、ジャズ、R&Bなどを融合させたトラック、〈信じたい未来を今この手 掴みとるから〉という歌詞が印象的なこの曲は、初登場2位を獲得。女性教師のコスプレ、ローライズの下着姿で洗車するシーンなどがあるMVも話題を集め、“エロかっこいい”というワードとともに一般的な認知度も大きく向上した。「Butterfly」は、『第47回日本レコード大賞で大賞』を受賞。またこの年の『第56回NHK紅白歌合戦』でも歌われるなど、倖田來未の代表曲の一つとなった。
大胆な衣装、派手なネイルやメイク、セクシーなダンスパフォーマンス。“エロかっこいい”にはいろいろな要素が含まれているが、そのときのトレンドを捉えながら自らの好きなスタイルを発信する姿勢は、当時の10代〜20代の女性を中心に強い支持を獲得。女性に愛され、影響を与えるという意味では、K-POPにおける“ガールクラッシュ”にも通じる存在感を放っていたと言っても過言ではない。
ミリオンヒットに東京ドーム公演、大きなピークを迎える
「LIVE IN METAVERSE 〜THE BEST〜」(通常盤 2CD+Blu-ray)
さらにシングル「you」(2005年12月)からシングル「Someday/Boys?Girls」(2006年2月)まで12週連続でシングルリリースし、すべてTOP10入り(「you」「feel(完全限定生産)」の2作で1位を獲得)。2作目のベストアルバム『BEST〜second session〜』は初週売上90万枚超え(98.3万枚)を記録し初登場1位、累積売上180万枚を超える(180.4万枚)など、ミリオンセールスを連発した。
倖田來未のキャリアにおける最初のピークは5thアルバム『Black Cherry』(2006年12月リリース)。彼女のポップで愛らしい側面を打ち出した「恋のつぼみ」、バブルガム・ブラザーズのヒット曲のカバー「WON’T BE LONG」などを収めた本作は、4週連続1位を獲得。累積売上枚数で100万枚を突破した(103.1万枚)。翌2007年12月には、本作を携えたツアーの最終公演で東京ドーム公演が実現。ライブのスケールという意味でも、大きな飛躍を遂げた。