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葉加瀬太郎、音楽観を変えたスーパーバンドとの邂逅 「ステージが面白くなった」“遊び”の境地
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葉加瀬太郎
(取材・文:遠藤政樹)
スーパーバンドと称えるメンバーとの出会いで音楽観に変化
【葉加瀬】 コンサートはもちろんお客さんあってのことですが、我々自身が楽しまないとお客さんも楽しめないのが音楽だと思います。以前は凄腕を持った若者たちをチェックしてチョイスすることが多かったけど、現在のメンバーとは2020年から一緒にやっていてベテランぞろい。彼らのことを「スーパーバンド」と呼んでいるのですが、いろいろな音楽の可能性が感じられて楽しい。このメンバーと音楽を作るようになってから、僕自身の音楽に対する考え方や概念、価値観がぐらっと揺らいだというか。まるっきり別のものになったと言ってもいいぐらいです。
――現在のバンドメンバーとの出会いはご自身にとっても一つのターニングポイントと呼べるものかもしれないですね。それ以前はツアーにはどのように臨まれていたのでしょうか。
【葉加瀬】 このバンドを経験するまでは毎日、自分のプレイバックを見て全メンバーにダメ出しをするスタイルを千秋楽まで続けていました。コンサート直後、開演前から休憩も含めて全部撮ってもらった映像を2回通して見るのですが、1回目は何もメモらずお客さんのつもりで止めないで見ます。2回目は改善点を洗い出すためもう一度見る。ツアーが始まると、眠る時間以外は舞台のことしか考えていないような生活をしていました。
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葉加瀬太郎
【葉加瀬】 もちろんこのバンドに出会った当初は同じスタイルでやっていましたが、先輩方は良い意味で言うことを聞いてくれなくて(笑)。彼らから教わった、「そんな細かいことはライブなのだから関係ない」ということはとても大きい。終演後のプレイバックをやめたところ不思議とステージがより面白くなり、そのおかげで毎日新鮮さを味わえるようになりました。
――ステージ以外で何か変化はありましたか。
物理的にプレイバックを見る時間がなくなった分、いろいろな人のライブを見る時間や映画を見る時間ができ、僕の中にインプットする時間が生まれました。リハーサルとか初日、2日目は今でもチェックしますが、今回なんて初めの3公演くらいしかプレイバックは見ていないです。こうやってほしいと伝えても、好きなようにやってと言っても、バンドメンバーがやることは同じだし、最高のものを見せてくれますからね。
ツアーメンバーとのバンド活動に意欲
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葉加瀬太郎
【葉加瀬】 コロナ禍にスタートしたバンドなので、コンサートが終わっても各自が部屋で過ごしていました。すると自分が聞いている音楽を「これどう?」とグループLINEに投稿し合うようになって。続けてきた結果、そろそろ一緒にアウトプットできるかなと思い、プロジェクトとしてバンドを結成し、バンド名義で活動しようと考えました。
――プロジェクトの構想は現在どのような段階なのでしょうか。
【葉加瀬】 それぞれに曲を書いてもらっています。ツアーの方は4年も経つと円熟度が増し、通常ツアーは初めの10本ぐらいで試行錯誤を繰り返す場合が多いけど、今はもうサウンドチェックを1曲やれば大丈夫な仕上がり。リハーサル時間はみんなでステージ上で作曲しています。時間は15分しか取れない日もあるけど、楽屋で談笑するくらいなら空き時間は次の夢に向けて、明日に向かって曲作りした方がいいと思って。今までとはスタイルの違う音楽も含めて、みんなで模索している最中です。
――とても楽しみです。
【葉加瀬】 この取り組みはスタッフも理解してくれないとできないこと。自分たちは最低限のリハーサルで良くても、技術スタッフはそうじゃないかもしれない。それでも、1日10デモいいから時間がほしいとお願いして、ステージ上で寺子屋みたいに床に座って、楽譜の説明をし録音してみて翌日聞いて修正していく。そんな作業を続けています。みんなには「毎日リハーサルでのクリエイトする時間を楽しみましょう。じゃあショー(本番)は何かというと、ショーは毎日俺たちの“打ち上げ”だから」というのは伝えました。
コンサートは観客と共に遊ぶ「打ち上げパーティー」
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葉加瀬太郎、コンサートの模様
【葉加瀬】 お客さんはもちろん、ものすごい演奏していたメンバーたち、平均年齢59.333歳のおじさんたちも、演奏がないパートでは扇子を持って踊っていて、その姿への拍手が一番大きいですね(笑)。僕は音楽を真剣に作るモーメントがあって、コンサートはみんなと一緒に遊ぶ打ち上げパーティーだと思っています。おじさんたちが扇子を振って最後タオル振ってジャンプする姿は、勇気づけることができているのでは。
――メリハリというか緩急というか。真摯な姿勢と弾(はじ)ける部分の融合は見ていても心が躍ります。
【葉加瀬】 コンサートや音楽は人を元気にするためにあるものだと思う。悲しい曲を弾いて泣いてもらうのも元気にするのも同じ意味。僕のコンサートは笑いもあって泣きもあって、最後は一緒に盛り上がれたらという考えです。そういうショー作りは長年やってきて、自分でも少なからず自信があります。
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葉加瀬太郎
【葉加瀬】 そうですね。本番という名前の打ち上げパーティーだと捉えているから毎日が新鮮で、何本やってもドキドキしています。バンドメンバーも楽しそうで仕方ない感じですが、それが一番。舞台上だけでなくバックステージでも楽しそうにやっている雰囲気が伝わらないと。上手に弾いてきれいな音楽にというのは毎日心がけるけど、それだけをみんなは求めているわけじゃなく、いろんなことが起きるのがライブ。最近はトークにもそう感じていて。おしゃべりもコンサートの重要な要素だと思っていて、このバンドと出会うまでは一言一句、全部台本に書いて覚えてしゃべっていました。
――トークにもこだわっていたのですね。
【葉加瀬】 自分で書いたのを自分でしゃべって録音して、それを覚えてというのをやっていたけど、ある日からやめました。もちろん話すべき最低限のことはありますが、音楽監督の羽毛田丈史さんとのトークは、とにかく毎日違うことを、それも楽屋を出てステージに上がるまでに思いついたことをしゃべるようにしています。
引退を考えていた過去も……ステージに上がれば「楽しくて仕方がない」
【葉加瀬】 引退を考えていたのは本当です。音楽を作るスタジオワークと、ロードでコンサートツアーに出るのはまた別の仕事。今は両方をやっているけど、割合としてここまで大規模なツアーやコンサートができるとは当時思いもしなかったというか。音楽作りとツアーを並行するライフがいいのか、一つのところにいて音楽を作り続けるのがいいのか。迷った時期はありました。ただ、良い意味で周りが許してくれなかったというか。当時はコンサート規模を順調に拡大していた時期でもあり、「もうちょっとやってみるか」というのが今も続いているだけですね。
――葉加瀬さんご自身の思いと周りへの思いがシンクロしたということでしょうか。
【葉加瀬】 今のコンサートが始まる前から次の年の、それこそ千秋楽の演出の打ち合わせもしなくちゃならない。僕一人いなくなってもみんな仕事はあるでしょうけど、僕と一緒に仕事をしてくれているみんながいる。彼らの顔を思い浮かべると「やらなくては」という気持ちが湧いてきます。音楽を作って、その音楽を届けて、お客さんが笑ってくれるからできるし、一番のエネルギー。ステージ上でバイオリンを弾き始めたら疲れたとは思わないし、あそこにいる間は楽しくて楽しくて仕方がないですね。
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葉加瀬太郎
【葉加瀬】 武道館は我々、日本人で音楽をやっている者にとってはやっぱり聖地ですからね。そこの1年の締めくくりをやらせていただけるなんて、なかなかのことなので思いっきり弾けたい。それに武道館だけはもう特別な演出もいろいろ考えています。僕自身も今からめちゃくちゃ楽しみにしています。
東海東京フィナンシャル・グループ presents
葉加瀬太郎 コンサートツアー2023「THE SHOW TIME」
2023年12月30日(土) 16:00<完売>
2023年12月31日(日) 14:00<発売中>
会場:日本武道館(東京都千代田区北の丸公園2番3号)
アクセス:メトロ東西線・半蔵門線、都営新宿線「九段下」2番出口より徒歩5分
チケット料金:全席指定9,900円(税込)※4歳以下入場不可
ツアー詳細はこちら(外部サイト)
お問い合わせ:キョードー東京0570-550-799
(オペレーター対応・平日:11時〜18時 土日祝:10時〜18時)
ステージ撮影:スージー
Spnsored by KYODO TOKYO



