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本仮屋ユイカ、「理想から遠いキャラになってしまった…」24年間の芸能活動を経ての想い

 10月に「ゆいか」名義で音楽活動を開始した本仮屋ユイカが、2ndシングル「この夜のラブストーリー」を配信リリースした。近年はラジオパーソナリティとしても明るく親しみやすいキャラクターを発揮している彼女だが、本業として知られるのは9歳から積み重ねてきた演技の仕事である。YouTubeチャンネル『ユイカのラジオ』内の“30代でやりたい100のコト”の企画として、幼い頃からの一番の夢だった歌手を叶えた今、「女優が歌うこと」のついての意味をどのように捉えているのか話を聞いた。

NGなことも面白がれるようになって「少し自分が強くなった」

──自身のYouTubeチャンネルで涙を流しながら歌手デビューを発表されていたのが印象的でした。それから2ヵ月が経ち、楽曲も2曲を重ねて実感はいかがですか?

本仮屋ユイカ会う方会う方に「歌手デビューおめでとう」と言っていただけることにびっくりしてます。当初は、音楽プロデューサーの堂野アキノリさんと小さなサークルみたいなノリで始めたことだったので、こんなにもみなさん知ってくれてるんだって…。私の芸能史上でも、朝ドラヒロイン(2005年『ファイト』)の次くらい大きな反響をいただけている体感があります(笑)。

──一番なりたかった職業=歌手を、24年間の芸能活動で叶えた“今”とはどういうタイミングだったのでしょうか?

本仮屋ユイカやっぱりYouTubeチャンネルで「歌手をやりたい」と口に出せたことは大きかったですね。それを聞いた堂野さんが直接連絡をくださって、それからトントンと物事が進んだんです。すごい時代だなと思います。もともとYouTubeを始めたのも、コロナ禍で誰もが不安を抱える中、私のことを知っている方に「私は元気です」とお伝えするのも、少なからず表に出る人間の使命じゃないかと思ったことがきっかけでした。

──たしかに女優さんって、自分の思いを伝える場は少ないですよね。

本仮屋ユイカYouTubeでは普段の女優業ではNGなことも面白がれるようになれて、さらに今年4月からは毎週日曜の生放送(TBSラジオ『地方創生プログラム ONE-J』)も経験して、生放送ならではのトラブルやハプニングを乗り越える体験をして…。この2年で自分が強くなった、そんな今だったから、「歌手になろう!」という決心につながりました。

「洋服よりビキニが似合う」写真集を自らディレクション、音楽でも沸き立つものづくり魂

──女優と歌手を両立させている方も多いですが、どのように見ていましたか?

本仮屋ユイカいいなあって思ってました(笑)。女優って1人では何も作れないんです。1つの作品には数えきれないほどの人が関わっていて、その1つのパーツとして最後の最後に表に出させてもらうだけなんですね。だけど「歌」という手段を持っていれば、身一つでそこにいる人に元気や勇気を与えることができる。さらに演技をする方の歌には専業の歌手とはまた違う、物語が宿っているような響きがあってとても好きなんです。

──ご自身もその1人になっている感覚は?

本仮屋ユイカいやいや、その隅っこにようやく入らせていただけたかな、というところです。ただ「歌に物語を宿らせる」というのは、2曲目にリリースした「この夜のラブストーリー」という曲を作りながら、自分がやりたかったのは、やっぱりこれだったんだ、と気づいたことでした。

──クリスマスがテーマのロマンティックなラブソングです。

本仮屋ユイカ最初は楽曲制作に口出しすることに躊躇があったんです。音楽の知識もないしな、って。だけど何度も歌ってるうちに伝えたい物語のディテールまで浮かんできて、結局、アレンジ作業の時にリクエストしてしまいました。女優をやってたら絶対ないことなんですよ。監督に「ここのシーンはこう撮ってください」なんて言うことって(笑)。だけど作業量が多ければ多いほど本当に楽しくて、自分は表現することもそうだけど、ものづくりが好きなんだなって改めて思いましたね。

──写真集もご自身でディレクションされることが多いとか。前作『CANTIK』も美ボディが話題となりましたが、女優とは異なる注目のされ方についてどう感じていますか?

本仮屋ユイカ喜んでいただけるなら何よりです。ディレクションの観点も、みなさんが何を見たいか? を大事にしているので。あとは、個人的に洋服よりもビキニが似合うと思っているので(笑)。

──「洋服よりビキニが似合う」なんて、めちゃくちゃシビれるワードです。

本仮屋ユイカ何にしても、引っ掛かりを持っていただけるのは本当にうれしいです。先日も、ドラマ『再雇用警察官』(テレビ東京系)でわりとタイトなパンツスーツを着て走るシーンについて、「躍動するヒップが炸裂!」とか芸能ニュースに書かれていて、「そこ!?」って思ったんですけどね(笑)。でもそこをフックにドラマを取り上げていただけて、「記者さんありがとうございます!」って感謝しています。

女優とは知らなかった…ラジオリスナーからの反応も「ぜんぜんうれしい!」

──活動が広がっている今、お仕事を始めた幼い頃に描いていた自分になれている実感はありますか?

本仮屋ユイカそれがですね…、私は山口智子さんや松嶋菜々子さんのような、いわゆる“美人女優”さんになるものだと思っていたんです。それがどうも根っから三の線が強すぎたのか、理想とは程遠いキャラに弾けすぎてしまって(笑)。小さい頃の自分が今の私を見たら、「そっち!?」とびっくりするかもしれないです。

──そんな飾らないユイカさんだからこそ、一緒に仕事をしたいと周りに人が集まり、仕事の幅も広がっているように見えます。

本仮屋ユイカ周りの方々に恵まれて、結果いろんなフィールドでお仕事をさせていただけて。たとえば最近のラジオリスナーの中には、「女優だったとは知らなかった」という方もいるんですけど、私はぜんぜんそれでもうれしいんです。どんな仕事でも、私を通して生活の潤いや刺激を感じていただけたら。それは音楽もそう。今は純粋に自分が歌えることの喜びが圧倒的に優っているけれど、歌い続けることでいつか聴く方にとっての大切な1曲に育っていったら、小さい頃の自分も納得してくれるんじゃないかなと思います。
(取材・文/児玉澄子)
【インフォメーション】
ゆいか「この夜のラブストーリー」各種配信サービス(外部サイト)
■Twitter/@yuika98_(外部サイト)
■Instagram/yuika_motokariya_official(外部サイト)
■YouTube『ユイカのラジオ 本仮屋ユイカ公式チャンネル』(外部サイト)
ゆいか1stシングル「HAPPY WEEKEND LOVE」(YouTubeより)

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