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デビュー40年の布袋寅泰、ギタリストとしての矜持「この先もっと最高の自分がいる」

定年や引退がない職業、この先もっと最高の自分がいると妄想しながら走り続けたい

──布袋さんがバンドを始められた頃は、「ロック=若者の音楽」だったと思います。40周年を前にどんな思いがありますか?

布袋寅泰 そもそもロンドンに暮らしていると年を重ねることにすごくポジティブな気持ちになれます。何しろ街ですれ違う若者よりも70代、80代の方がおしゃれでカッコいい。僕なんてまだまだ若造っていうかね。早くあの域に達したいなと思うことがよくあります。

──ロックミュージシャンとして年を重ねることについてはいかがですか?

布袋寅泰 たしかにかつては50代、60代のロックミュージシャンなんていなかった。でも僕のアイドルであるデヴィッド・ボウイは亡くなってしまったけれど、ブライアン・フェリーやローリング・ストーンズといった憧れのロックスターたちが白髪になってあの頃のまま輝いているしね。やっぱりロックは最高のアンチエイジングなんですよ。

──年齢を重ねてこそ、表現できるロックも?

布袋寅泰 もちろん、ロックというのはヤンチャさやギラギラ感、毒っ気といった若さ特有の要素がたくさん含まれている。それに加えて、若い頃にはなかったダンディズムや色気を、絞り出さずとも漂わせることができるのがこの年齢であって。よく欧米には大人のロックがあるというけれど、だったら日本でも大人のロックを作っていこうよと、それが僕ら世代のミュージシャンの役割なのかなと思いますね。40年で身につけたものを堂々とパフォーマンスする時が来たなと。

──来年1月の日本武道館と配信ライブでは、布袋さんを40年間追い続けてきた人も多く集結するはずです。

布袋寅泰 なかには昔の布袋は良かったと言う人もいるかもしれません。それはしょうがない、その人の青春だもの。だけど僕は常に、「最新の布袋が最高の布袋」と言い続けています。それは誰に押し付けるわけでもなく、自信を持ってステージに立つために自分に課したハードルであり、自分を突き動かすモチベーションにもなっている。定年や引退がある職業でもない。この気持ちと体がある限り、この先にもっと最高の自分がいると妄想しながら走り続けていきたいと思っています。

(文/児玉澄子)

「Dangerous feat. 吉井和哉」ミュージックビデオ

布袋寅泰×吉井和哉「Dangerous」対談インタビュー

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