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遅咲きの声優・仲村宗悟、沖縄時代の夢叶えてアーティストとして注目の存在に
30歳を過ぎて声優としてブレイク、念願のアーティストデビューも
前述した通り、昨年10月にはシングル「Here comes The SUN」でアーティストとしてデビュー。中学生の頃からギターを弾き始め、音楽にのめり込んだ(スピッツ、Mr.Children、奥田民生などがフェイバリットだとか)という彼。地元・沖縄でギター・ボーカルとしてバンド活動を行い、音楽の道を志して上京した仲村にとっては、まさに念願のデビューだったに違いない。
アーティスト活動に対する思いの強さ、音楽へのこだわりは、最初のシングルからもしっかりと伝わってくる。デビュー作「Here comes The SUN」で聴かせた、“夢を奏でて、一緒に未来を作っていこう”というメッセージを含んだ歌詞を表情豊かに描き出すボーカルは、シンガーとしてのポテンシャルの高さを証明している。MVではアコギの演奏も披露し、“ギターを弾いて歌う”というスタイルをいち早く示したことも、ファンを中心に大きな話題を集めた。先が見えずにモヤモヤした感情を抱えていた時期から、声優を目指して動き始めた頃の心情を綴ったという「ゆらゆら」(同作収録)には、仲村自身の経験もリアルに反映されている。自らの感情を曲に昇華できるソングライティングのセンスは、今後のアーティスト活動における大きな利点になるはずだ。
まっすぐな歌と音楽への情熱、今後への可能性を感じさせる
「カラフル」は、生々しいバンドサウンドを軸にしたナンバー。自分自身の理想を思い描き、“あれこれ考えるより、まずは動き出してみよう”とリスナーを鼓舞する歌詞は、デビュー曲「Here comes The SUN」の内容ともつながっている。また、ひとつひとつの言葉に強い感情を込め、まっすぐに届けようとするボーカルにも好感が持てる。
「imitation」は軽やかなギターサウンド、ファンク調のリズムが印象的なダンサブルな楽曲。3曲目の「風花」(作詞・作曲:片山義美)は、離れ離れになった“あなた”への気持ちを丁寧に綴ったバラード。楽曲のテイスト、歌詞の内容によって、違った表情が感じられるのも本作の聴きどころだろう。
制作に関しては、楽曲の構成、アレンジ、楽器レコーディングにも積極的に参加したという仲村。前作以上に一音一音こだわり、アレンジャーの村山☆潤(FLOWER FLOWERのメンバーでもあり、宮本浩次の楽曲制作などに関わるクリエイター)と相談しながら制作を進めたことで、アーティストとの色を明確に示した作品に仕上がっている。
「カラフル」は、日本テレビの情報番組『スッキリ』3月テーマソングとしてもオンエア中。4月には東名阪で2ndシングル発売記念イベントを開催するなど、アーティストとしての活動の規模も少しずつ拡大。前述した宮野真守、斉藤壮馬と同じように、アニメシーン、声優シーンに留まらないアーティストになる可能性を持った“ニューカマー”だと思う。
(文:森朋之)
「カラフル」MUSIC VIDEO
2ndシングル「カラフル」
3月11日発売
4月11日(土)東京、25日(土)大阪、26日(日)名古屋にて、リリースイベントを開催。また、5月17日(日)にZep DiverCity TOKYOで行われるイベント『LANTIS MENS GIG“A・C・E”』に出演。
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