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「レコ大新人賞」受賞のUNIONE、“歌だけ”で勝負する気概とその魅力とは?
「最初は半信半疑」グループ誕生はカラオケ店でのスカウト!?
YAN氏の言うように、UNIONEには日本語、韓国語、英語を話せる大阪出身の韓国人・JIN、フィリピンと日本のハーフ・SAM、そして日本出身のYUUKI、ISSY、YUTAという個性豊かなメンバーが揃う。音楽のバックボーンもバラエティーに富んでおり、ISSYは沖縄民謡や昭和歌謡に親しんできた。グループ最年少のYUUKIは高橋優の「福笑い」や、竹内まりあの「元気を出して」といった歌詞から活力をもらってきたと語る。JINはELLEGARDENに影響を受け、SAMは常に洋楽のある環境で育ち、J-POPやフィリピンの音楽を聴いてきたという。そしてグループ最年長のYUTAは、やわらかく真っ直ぐなJ-POPを好む。
そんな様々な音楽背景を持つ彼らは、オーディションで集められたメンバーではなく、下積み時代からの音楽仲間なのだという。グループ発足の経緯について聞くと、「僕らは同じライブハウスのイベントで出会った、シンガーを目指す仲間だったんです。ある日、僕とSAMとYUTAがカラオケ屋で歌っていたときに、今の事務所の社長に声をかけてもらったのがデビューに繋がるきっかけ。もちろん、最初は半信半疑でした」とJINは当時を語る。
その後JINたちは、3人ではなく今の5人でやりたいと自ら申し出たのだという。SAMは「グループで活動することを考えたときに、自分に欠けている部分を補い合いたいと思った」と話す。JINも「僕たちは声が楽器みたいなもの。バンドでギターはいるけどベースが足りないってすぐにわかるように、僕たちにも、このパートのメンバーが足りないっていうのを自覚していた」と話すように、グループとしての完成度を追い求めたのだという。そして、それを補ってくれるのがISSYとYUYAだと確信し、事務所に自ら申し出たようだ。
誰にも聞いてもらえなかった下積み時代「自然と人が集まると思っていた…」
実際、デビュー前は、通りすがりの人たちに全く聞いてもらえない日もあって、どうやったら聞いてくれるんだろうと常に模索しながらの活動だったようだ。しかし、路上ライブでの苦闘を経て、メンバー自身、空気が変わったと思う瞬間があったという。
「歌いながらチラシを配ったり、ライブハウスも片っ端から出てみたり。でも、そのときに一生懸命考えたことが今の力になってると思います」とJIN。そんな中、YUUKIは「ファンが増えたのを実感したのは静岡だった」と話す。「僕ら、静岡出身者が三人いて、月に一回、静岡の商業施設で野外ライブをしていたんです。最初は数人だったけど、倍々で増えていって、最終的には警備員さんが交通整理をするほどに。これは本当に自信になりました」。YUTAも、「デビューする前は、リリースイベントって自然と人が集まると思ってたけど、いざ蓋をあけてみると自分たちの場合は10人もいなくて……。でも、ひと夏リリースイベントを続けたら、池袋でやった最後のイベントには300人以上の人が集まってくれた」と、当時との環境の変化を笑顔で語ってくれた。
“歌だけ”で勝負するUNIONEのことをもっと知ってもらいたい
メンバー5人の魅力を自分たちが一番知っていて、そしてそれを生かす方法を模索しながら進化し続けるUNIONE。ダンスボーカルグループが多い中、5人の総和で戦う唯一無二のグループとして、今後も成長していくだろう。
(文:西森路代)