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サカナクション、革新的な演出とロックバンドとしてのダイナミズムで魅せた日本武道館2days公演
クリエイティブ面での様々なトライアルが強く反映されたツアー
まずは和太鼓奏者を中心とした“GO COO&GORO”のパフォーマンスから。ステージ前方に12台の太鼓が並び、プリミティブなリズムセッションが繰り広げられる。さらにディジュリドゥ(オーストラリアの先住民、アボリジニの伝統楽器)、銅鑼なども加わり、エキゾチックな空間を演出。そのまま会場の照明が落とされ、凄まじい歓声のともにライブがスタートした。ステージ上の高さ3〜4mほどの位置に設置された四角形の白い幕にツアータイトルが映された後、正面にひし形(◇)の窓が開き、メンバー5人の姿が見える。オープニングは5人横並びのDJ仕様による未発表曲「N.F.I.G REMIX」。近未来的のトライバル・ミュージックと形容したくなるビートが鳴らされ、アリーナ(オールスタンディング)のオーディエンスが気持ち良さそうに身体を揺らす。
ロックバンドとしての本質を改めて示した武道館ライブ
「みんな、ただいま! 自由に、自分のステップで踊ってください。僕も今日はめちゃくちゃ踊ります」という山口のMCのあとは、「蓮の花」「壁」などのダークかつシリアスな雰囲気のナンバーが続く。サイケデリックなイメージのCG、オイルアートを使った映像、楽曲の世界観とリンクしたライティングも素晴らしい。これまでに築き上げてきた演出、ステージングをひとつひとつ精査し、バランスを変化させることで斬新な音楽空間を作り出す。
山口「必ずみんなに音楽で恩返しします」
2010年10月以来、約5年ぶりの日本武道館ライブで見事なカムバックを遂げたサカナクション。「SAKANAQUARIUM 2015−2016“NF Records launch tour”」は2016年2月からホールツアーに入る。このツアーで得た経験は必ず、次の作品につながることになるだろう。
(文/森朋之 写真/山本マオ)