日本人だけでなく、訪日外国人のナイトエンタメ需要の取り込みをねらう

　DJプレイとアーティストのパフォーマンスで構成される『アニレヴ』は、回を重ねるごとに外部のDJなども含めて、いわばアニレヴファミリー的なつながりも形成されてきているという。そのパッケージで海外イベントに招待される機会も増えている。アニクラが秘めるポテンシャルが国外での認知を広げつつあるということのようだ。

「そうした現象もヒントにしながら、立ち上げたのが『OMOTENASHI BEATS』というプロジェクトです。海外の方にとっては、アニソンは広くJ-POPとして捉えられています。であれば、アニクラをきっかけに、より広いジャパンカルチャーを知ってもらう導線になるのではないか、という発想です。訪日観光客をおもてなしするためのアニクラ。そのプロジェクト第1弾コンテンツとして、人気声優の小宮有紗さんをDJにした『SUPER OMOTENASHI BEATS vol.1』というノンストップミックスCDをリリースしました。こんな感じで一緒にシーンを盛り上げていきませんか、という外部のコンテンツホルダーさんへの名刺がわりでもあります」（油井誠志氏）

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  左からエイベックス・エンタテインメントの油井誠志氏とエイベックス・マネジメント日光和也氏

　2020年は、オリンピックでの訪日外国人のさらなる増加を契機に、すでに不足が叫ばれているナイトタイムエンタメの創出への取り組みが、日本エンタテインメントシーンとしても、東京という街としても必要になってくる。そんななか、世界で人気のアニソンとクラブシーンが融合したアニクラは、ライブやクラブといった既存の音楽エンタメを凌駕するほどのポテンシャルを秘めているように思われる。『アニレヴ』のDJやアーティストが世界の公演に参加していることによる海外での知名度も、後押しとなることだろう。来年、アニクラが日本だけでなく世界を巻き込みムーブメントに育っていくことが期待される。
（文／及川望）

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