『鬼滅の刃』OP歌うLiSA、柔軟性あわせ持つソロシンガーとしての魅力

  • ダウンロード数を伸ばし続けている「紅蓮華(グレンゲ)」

    ダウンロード数を伸ばし続けている「紅蓮華(グレンゲ)」

 LiSAが歌うアニメ『鬼滅の刃』OP曲「紅蓮華(グレンゲ)」が、4月22日の配信開始からロングヒットを続けている。アニソンシンガーとしての存在感を増す彼女の魅力について、音楽プロデューサーの亀田誠治氏に解説してもらった。
(以下、亀田氏のコメント)

「紅蓮華」ヒットから解説する2つの「歌声レシピ」

 アニソン歌手のLiSAの『第70回NHK紅白歌合戦』出場が決定しました。今年4月に配信された「紅蓮華(グレンゲ)」がロングヒットしており、今回の紅白出場決定でさらにセールスを伸ばしそうです。

 LiSAの魅力は何と言ってもパワフルな歌声です。アニソン歌手という肩書きを超えて、アーティストとして歌声を通じて存在感を発揮しているところに、「紅蓮華」のヒットの理由があると思います。今回は、LiSAのヒットをキーワードに、アニソンとアイドルがチャート上位を席巻するJ-POPチャートの中には、大きく分けて2つの「歌声レシピ」があることをお話ししたいと思います。

 1つ目は、グループとして歌われる楽曲から聞こえてくる歌声レシピ。そこでは歌い手は“ワンチーム”の一員。1人ひとりの歌のスキルや声の個性よりも、“グループの歌声”として、歌声の合わせ技でリスナーを引き付けます。小編成では2人から、AKB48グループのような大人数まで! 多くのアイドルグループで聴かれるのはこの歌声です。複雑なハーモニーよりも多人数でシンプルに主旋律を歌うことで楽曲の良さをアピール。ジャニーズやAKBグループのようなアイドルから人気声優が集結して歌うアニソンまで、いつの時代もこの“グループの歌声”は多くの日本人の心を掴んできました。

 そしてもう1つが、LiSAのようにソロシンガーとして圧倒的なボーカル力を誇るアニソンシンガーです。グループのように歌声の“合わせ技”が使えない彼女は、自身から振り絞るパワフルな歌声とパフォーマンスでリスナーに勇気を与えます。この「紅蓮華」もアカペラから始まり、随所に歌声の見せところが満載です。しかも平成のロックシンガーなら力任せに地声で押し切った超高音を、絶妙にファルセットに切り替えて歌ったりする柔軟性がLiSAの真骨頂。パワフルなのにパワー一辺倒では押さず、その歌声はヒラリヒラリ表情を変えて聴く人を決して飽きさせません。

提供元: コンフィデンス

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索