ディズニー・アニメ好きな曲ランキング、「レリゴー」超えは?『アナ雪2』とメイン楽曲へ高まる期待

『アナと雪の女王2』(C)2019 Disney. All Rights Reserved.

『アナと雪の女王2』(C)2019 Disney. All Rights Reserved.

 5年前に社会現象と呼べる音楽と映画の一大ムーブメントを巻き起こしたディズニー・アニメーションの続編となる『アナと雪の女王2』(11月22日公開)。当時だれもが口ずさんだ「レット・イット・ゴー〜ありのままで〜」に代わる今作の新たなメイン楽曲「イントゥ・ジ・アンノウン〜心のままに」への関心が高まるなか、『歴代ディズニー・アニメーション映画の好きな主題歌・劇中歌』をアンケート調査。そこからは、ディズニーの名曲のすばらしさ、「ディズニー=歌も魅力」という方程式が改めて浮かび上がった。

社会現象を巻き起こした「レット・イット・ゴー」と『アナと雪の女王』

 2014年に公開されると、日本中に「レット・イット・ゴー〜ありのままで〜」の歌声があふれる社会現象を巻き起こした『アナと雪の女王』。世界興行収入は1279億円を超え、歴代No.1を樹立。日本でも興収255億円、動員2000万人という驚異的な大ヒットで映画シーンをけん引。日本の映画興収歴代3位という記録を打ち立てるとともに、ディズニーファンのみならず、世代性別を超え、広く多くの人々の記憶にアナとエルサの物語が刻み込まれた。

 もともとディズニー映画は、その物語の世界観とマッチし、ストーリーや登場人物の感情に寄り添う音楽が、映像との相乗効果で観客を魅了してきた。そうしたなかでも、それだけでなく、ストーリー、キャストなど映画を構成するあらゆる要素に加えて、世の中の流れや空気感といった時代性や社会性までもが化学反応を起こし、歴史に残る名作となったのが、「レット・イット・ゴー〜ありのままで〜」であり『アナと雪の女王』だ。『第86回アカデミー賞』で『アナと雪の女王』が長編アニメーション賞、「レット・イット・ゴー〜ありのままで〜」が歌曲賞を受賞(『第57回グラミー賞』でも2部門受賞)したのは、そのひとつの証左と言える。

 一方、日本で『アナと雪の女王』サントラは、年間98.0万枚と映画サントラとして驚異的なセールスを記録し、2014年オリコン年間ランキングの「アルバムセールス部門」で2位を獲得。映画サントラの年間アルバムTOP3入りは、1993年の『ボディガード』(年間3位)以来21年ぶりとなり、映像との相乗効果による世代を超えたサントラのヒットが、映画のムーブメントと同時に音楽界でも大きな注目を集めた。そして、その続編となる『アナと雪の女王2』が公開されるいま、前作から続投となるロバート・ロペスとクリステン・アンダーソン=ロペスの夫婦コンビが音楽を担当したサントラ、そして「レット・イット・ゴー〜ありのままで〜」に代わるメイン楽曲「イントゥ・ジ・アンノウン〜心のままに」への関心は否応なく高まっている。

「好きな主題歌・劇中歌TOP3」それぞれの聴かれ方、楽しまれ方

 ここで、これまでのディズニー・アニメーション映画の名曲たちをアンケート調査によるランキングから振り返ってみたい。『ディズニー・アニメーション映画の好きな主題歌・劇中歌TOP10』は、表の結果になった。TOP3は、1位から「ホール・ニュー・ワールド」(『アラジン』1992年)、「レット・イット・ゴー〜ありのままで〜」(『アナと雪の女王』2014年)、「美女と野獣」(『美女と野獣』1991年)。往年の名曲から近年のヒット作の主題歌、劇中歌まで、TOP10内のどの曲もそのシーンが思い浮かぶ名曲ばかりだが、今年6月に公開されたばかりの実写版『アラジン』の「ホール・ニュー・ワールド」がランキングを制した。

 TOP3の楽曲のうち、『アラジン』と『美女と野獣』は、最近実写版が公開された楽曲であり、それが少なからず影響していることは間違いない。そうして見ると、公開以来そのような動きもないなか、変わらない人気を博し、今回も2位を獲得している「レット・イット・ゴー〜ありのままで〜」のインパクトの大きさが改めてうかがえる。

 ユーザーがそれぞれの曲を選んだ理由を見ると、映画を観て心打たれたことのほか、「ホール・ニュー・ワールド」は結婚式や披露宴などの祝いの席や、ピアノの発表会、吹奏楽の演奏、学校の運動会などで使用されることで聴く機会が多く、印象に残っていることが挙げられている。「レット・イット・ゴー〜ありのままで〜」は、社会現象となったことで街中のあらゆる場所で耳にしていたことや、子どもたちに絶大な人気を博したことで、家族や親戚での集まりのほか、親子や友人同士でのカラオケなど、大勢で歌って楽しまれていたことがわかる。

 一方、「美女と野獣」は、そのストーリーに合ったメロディと楽曲のエレガントさ、ダンスシーンとのマッチングのすばらしさが多く挙げられており、まさに映画そのものを象徴する曲であり、後世に残る名シーンであるダンスシーンの映画音楽として愛され、記憶に刻まれているようだ。

 繰り返しになるが、いずれの曲もベースにあるのは、物語と音楽、映像それぞれのよさとそのマッチング、さらにそこからの化学反応と相乗効果によって、聴く人それぞれの心に染み渡っていき、特別な1曲になっていることだ。そのなかでも上位2曲が特徴的なのは、聴くだけで終わらず、歌うこと、人に贈ることなど、多様な形で楽しまれることで、作品の枠を超えて音楽による次のコミュニケーションを生み出していること。それが映画や音楽のヒットに留まらない社会的なムーブメントにつながっていく。

「ディズニー=歌も魅力」 前作を超える映画と音楽のムーブメントになる可能性

 いまやディズニーファンだけでなく、幅広い世代において「ディズニー・アニメーション=歌も魅力」という認知は広がっており、いままさに『アナと雪の女王2』の楽曲への期待も日増しに高まっていることがひしひしと感じられる。

 今作では、前作で“ありのまま”でいることを受け入れたエルサが、再び自身の“力”と向き合い、その謎を解くために新たな世界に進むことを選ぶ。そんな彼女を守るために“力”を持たないアナも、ともに旅に出ることを決意する。そして、未知の世界への一歩を踏み出した2人は、王国と自身のルーツに関わる謎と直面し、それぞれの心が大きく動いていく。
 決して子ども向けだけではない、前作よりスケールアップしたストーリーに合わせるように、壮大なイメージの曲調となったメイン楽曲「イントゥ・ジ・アンノウン〜心のままに」は、エルサが抱く不安と希望をときに力強く、ときに繊細に伝えるメロディが印象的。エルサの複雑な心情に感情移入し、その抑えきれない心の叫びを乗せるパワフルで圧倒的な歌声に、観客の誰もが心を大きく揺さぶられることだろう。サビのメロディと歌詞は、「レット・イット・ゴー〜ありのままで〜」に勝るとも劣らない力強さがある。前作よりストーリーの物語性が深くなったぶん、エルサとアナへの共感や感情移入の度合いが高まることは必至。それぞれの立場で彼女たちに寄り添う女性たちの心を動かす名曲が誕生し、5年前を超えるブームになることが期待される。
  • 『アナと雪の女王2 オリジナル・サウンドトラック』

    『アナと雪の女王2 オリジナル・サウンドトラック』

 また、前作では、本ランキング5位にランクインした「雪だるまつくろう」のような子どもたちの心をしっかりとつかむ可愛らしい名曲も生まれたが、今作でもオラフが歌う「おとなになったら」や、アナとエルサ、クリストフ、オラフの4人が歌う「ずっとかわらないもの」などキャッチーかつ子どもたちを惹きつける力のある曲も盛りだくさん。映像とのリンクを含めて、前作を超える名曲がそろったといっても過言ではないだろう。

 松たか子が歌う「イントゥ・ジ・アンノウン〜心のままに」の60秒MVは、11月13日に解禁されてからわずか5時間でYouTubeの再生数が117万回を超える記録的な数字となっている。この冬、「映画が観たい」「音楽を聴きたい」というニーズを大いに喚起してくれそうだ。

好きな主題歌・劇中歌アンケート回答コメント

●「ホール・ニュー・ワールド」
・曲、詞とも完璧。バラードのデュエットソングとして後世に残る名曲(男性50代/福岡)
・歌の世界観と青空を飛ぶ2人のイメージがピッタリでステキ(女性50代/三重)
・曲を聴くだけで非日常的な世界に連れていってくれる(女性40代/東京)
・ストーリーと歌の相乗効果がすばらしかった。2人が歌うシーンが大好きで、披露宴のお色直し入場曲で使った(女性40代/埼玉)
・自分の結婚披露宴で使った。姉のピアノ生演奏でキャンドルサービスのBGMに(女性50代/神奈川)
・子どもの保育園のお遊戯会の曲で聴き、それから好きになった(男性40代/茨城)
・ピアノの発表会で弾いた。歌詞もメロディも最高にステキ(女性30代/東京)
・運動会で使用していた曲なのでとくに思い入れがある(女性30代/熊本)
・学校の音楽のテストで歌った(女性10代/茨城)
・学生時代に吹奏楽部で演奏して、好きになった(女性30代/千葉)

●「レット・イット・ゴー〜ありのままで〜」
・子どもがいつも楽しそうに歌っていた(男性40代/茨城)
・映画が公開されたころ流行っていて街中で聴いた(女性40代/京都)
・いつもどこかで流れていた(女性50代/東京)
・カラオケに行くと必ず誰かが歌う(女性40代/神奈川)
・子どもたちがみんな知っていて歌えるから、親戚の集まりで盛り上がる(男性40代/埼玉)
・ありのままでいいという言葉で自信に満ちていくエルサがとても素敵だった(女性30代/宮城)
・MVを観て自分の悩んでいたことが軽減されたように感じた(女性20代/京都)
・エルサが歌う映像と松たか子さんの歌声がピッタリでこれ以上のものはないと思った(男性50代/東京)
・カラオケに行くと必ず誰かが歌う(女性40代/神奈川)
・各国語版のMVがすばらしかった。なかでも松たか子の日本語パートは凛とした声の魅力が別格だった(男性50代/埼玉)

●「美女と野獣」
・ダンスシーンといえばこの曲。とにかく美しいし、泣ける(女性50代/山梨)
・曲の聴かせる山場がたくさんあって、さらに歌い手たちのハーモニーが非常に美しい。この曲は、ときに盛り上がり部分が堪能できる長さがあって心に残りやすい(女性50代/大阪)
・クラシック音楽的な完成度の高さ。歌詞もいい(女性30代/大阪)
・ダンスシーンがすぐに思い浮かぶほど曲が印象的(女性20代/東京)
・ダンスの映像の美しさ、そのときのキャラクターの関係性の変化など、曲がかかるタイミングと映画のシーンがリンクしていて心に響く。メロディや歌詞もうっとりするくらいロマンチック(女性30代/群馬)
・とてもエレガントで美しい曲。ストーリーに合っていてダンスシーンにピッタリ(女性30代/兵庫)
・惹かれ合う2人がダンスを踊るにふさわしい、しっとりした、それでいてサビは盛り上がる曲調が好き(女性40代/大阪)
・2人が語り合うように歌うのがステキ。この曲をピアノで弾くのが好き(女性30代/愛知)
【調査概要】
調査対象:全国10代〜60代の男女 1年以内の映画視聴あり
サンプル数:3173名
調査期間:2019年11月5日(火)〜11月11日(月)
調査手法:インターネット調査
調査機関:オリコン・モニターリサーチ

『アナと雪の女王2』

 アレンデール王国を治めるエルサとアナの姉妹は、深い絆で結ばれ、幸せな日々を過ごしていた。だが、エルサにしか聞こえない不思議な“歌声”によって、姉妹は未知なる世界へと導かれる。それは、エルサの“魔法の力”の秘密を解き明かす、驚くべき旅の始まりだった……。なぜエルサに力は与えられたのか?アナとエルサに加え、前作で大事な仲間となったクリストフとオラフとともに歩む先で待ち受ける冒険と明かされるすべての秘密とは…。
原題:Frozen2
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
監督:クリス・バック/ジェニファー・リー
声の出演:松たか子(エルサ)、神田沙也加(アナ)、吉田羊(イドゥナ)
2019年11月22日公開
【公式サイト】(外部サイト) (C)2019 Disney. All Rights Reserved.

『アナと雪の女王2 オリジナル・サウンドトラック』

 世代を超え、世界中で社会現象を巻き起こした『アナと雪の女王』の続編。なぜ、エルサに力は与えられたのか―。世界中を熱狂させたスペクタクル・エンタテイメントの第2弾のオリジナル・サウンドトラック。イディナ・メンゼル(エルサ)やクリステン・ベル(アナ)など本国オリジナルキャストが歌唱する英語歌や、松たか子(エルサ)、神田沙也加(アナ)ほか吹替版キャストによる日本語歌、豪華アーティストによるエンドソングを一挙収録した決定盤。
<収録曲>
1. 魔法の川の子守唄(All Is Found) / エヴァン・レイチェル・ウッド(イドゥナ王妃)
2. ずっとかわらないもの(Some Things Never Change) / クリステン・ベル(アナ)、イディナ・メンゼル(エルサ)、ジョシュ・ギャッド(オラフ)、ジョナサン・グロフ(クリストフ)
3. イントゥ・ジ・アンノウン(Into the Unknown) / イディナ・メンゼル(エルサ)(featuring オーロラ)
4. おとなになったら(When I Am Older) / ジョシュ・ギャッド(オラフ)
5. トナカイのほうがずっといい〜恋愛編〜(Reindeer(s) are Better than People (Cont.)) / ジョナサン・グロフ(クリストフ)
6. 恋の迷い子(Lost in the Woods) / ジョナサン・グロフ(クリストフ)
7. みせて、あなたを(Show Yourself) / イディナ・メンゼル(エルサ)、エヴァン・レイチェル・ウッド(イドゥナ王妃)
8. わたしにできること(The Next Right Thing) / クリステン・ベル(アナ)
9. イントゥ・ジ・アンノウン(エンドソング)(Into the Unknown (Panic! At The Disco Version)) / パニック!アット・ザ・ディスコ(エンドソング)
10. 魔法の川の子守唄(エンドソング) (All is Found (Kacey Musgraves Version)) / ケイシー・マスグレイヴス(エンドソング)
11. 恋の迷い子(エンドソング)(Lost in the Woods (Weezer Version)) / ウィーザー(エンドソング)
★「日本語歌」
12. 魔法の川の子守唄(All Is Found) / 吉田 羊(イドゥナ王妃)
13. ずっとかわらないもの(Some Things Never Change) / 神田沙也加(アナ)、松 たか子(エルサ)、武内駿輔(オラフ)、原 慎一郎(クリストフ)
14. イントゥ・ジ・アンノウン〜心のままに(Into the Unknown〜心のままに)/ 松 たか子(エルサ)(featuring オーロラ)
15. おとなになったら(When I Am Older) / 武内駿輔(オラフ)
16. トナカイのほうがずっといい〜恋愛編〜(Reindeer(s) are Better than People (Cont.)) / 原 慎一郎(クリストフ)
17. 恋の迷い子(Lost in the Woods) / 原 慎一郎(クリストフ
18. みせて、あなたを(Show Yourself) / 松 たか子(エルサ)、吉田 羊(イドゥナ王妃)
19. わたしにできること(The Next Right Thing) / 神田沙也加(アナ)
20. イントゥ・ジ・アンノウン〜心のままに(エンドソング)(Into the Unknown〜心のままに(エンドソング)) / 中元みずき

UWCD-1054
発売日:2019年11月22日
価格:2750円(税込)
【公式サイト】(外部サイト)

提供元: コンフィデンス

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