Wakana ソロデビューして芽生えた自我「もっと自分らしく」

女性ボーカルユニット・Kalafina(カラフィナ)のメンバーとして、2008年1月にデビューしたWakana。10年以上のキャリアを経て、今年2月にソロCDデビューを飾り、今春にグループを解散後はソロシンガーとして活躍の幅を広げている。そんな彼女が11月20日、自身初のEP盤『アキノサクラ EP』を発売。本作には、ソロデビューをして芽生えた“自我”が詰まった1枚になっている。ソロとグループ活動とで変化した心境とともに、意欲作での挑戦について聞いた。
文/森朋之、撮影/厚地健太郎、ヘアメイク/丹羽寛和(maroonbrand)

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以前は、要求に応えるだけで精一杯だった

 2018年の秋に行われたツアーを経て、今年2月6日にシングル「時を越える夜に」で待望のソロデビュー。3月20日には1stフルアルバム『Wakana』を発表し、全国7ヶ所を巡る全国ツアーを開催するなど、ソロアーティストとしての順調なスタートを切ったWakana。女性ボーカルユニット・Kalafina(カラフィナ)のメンバーとして10年のキャリアを積み重ねてきた彼女だが、ソロアーティストとしてのビジョンに関しては、「あまり見えていなかった」と語る。

「以前は、周囲から求められることに応えるだけで精一杯だったし、自分には一体何が出来るのか、あまり深く考えられていなかったんですね。ソロとして活動するようになってから、“自分はどうしていくべきなのか?”と考えはじめたんですよね。私のCDを手にしてくれて、ライブに来てくださる皆さんを目の前にしても、最初の頃はどうしても“私はこうしたい”と自信を持って示すことができなかったんです。でも、ソロでのCDデビューから9ヶ月くらい経って、気づいたこともたくさんあって。そのなかで、自分が好きなこと、やってみたいことに挑戦していきたいと思えるようになりました」(Wakana)

“自分がやりたいこと”を言葉で伝えられるよう「必死で勉強しています」

 1stアルバム『Wakana』に対しては、「そのときに出来るすべてを詰め込んだ、名刺代わりの1枚。これまでの私の雰囲気に合った曲が多いし、リスナーのみなさんも安心感があったと思います」というWakana。まずは、“これまで培ってきたボーカルの魅力を提示する”というところからスタートした彼女はここから、より幅広い音楽性にチャレンジしていくことになる。その最初の作品が、11月20日にリリースされた1st EP『アキノサクラEP』だ。

「(ソロになって)もっと自分らしい部分、人間味を出していこうと決めて、今回のEPでもそれを実行しました。そのためには自分がやりたいことを言葉にして伝える必要があるんですが、それがすごく難しい。たとえばアレンジについても、“ここから盛り上がって、最後は山の上に花が咲いている感じ”とか(笑)、イメージでしか伝えられないことが多くて。そのニュアンスを受け取ってくれる方もいらっしゃいますが、甘えてばかりもいられないので、明確な言葉で伝えられるように必死で勉強しています。制作のなかで“なるほど、こうすればいいのか”と気づくこともたくさんあるし、面白いですね」(Wakana)

「アキノサクラ」ミュージックビデオ

 CHEMISTRYやAIなどの楽曲を手がけてきた藤本和則氏がサウンド・プロデュースを担当した本作は、収録曲のすべてに新しいトライアルが施されている。まず表題曲「アキノサクラ」は、藤本氏がサウンド・プロデュースを手がけたミディアムチューン。ノスタルジックな旋律、そして、“桜の季節に始まった恋を、枯れ葉が舞い落ちる秋にひとり想う”というテーマの歌詞は、彼女の豊かなボーカル表現をしっかりと際立たせている。

「この曲をどう歌おう?と考えるなかで、私のパーソナルな部分を歌に出したいと思ったんです。歌い方は1つではないし、曲によっていろんな声色があったんですが、原点は喋っているときの声だと思っていて。『アキノサクラ』では、そういう“地の声”を通して、パーソナルな部分を表現したかったんですよね。レコーディングはかなり苦労したし、悩みました。リラックスして素の自分で歌うことはあまりなかったし、どうしても声を作ってしまうというか…。それはたぶん、(自分自身を表現することの)恥ずかしさを隠そうとしているんじゃないかなって。ありのままの自分を歌の中で表現することは、この先も続けていきたいですね」(Wakana)

提供元: コンフィデンス

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