南佳孝、69歳でブルーハーツをカバー&初の冠フェス開催「まだまだロックだぜ」

カバーすることで、昔と今の音楽の違いも実感

  • インタビューに答える南佳孝

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 そんな南が、10月30日にカバーアルバム『ラジオな曲たちII』をリリース。カバーを始めたきっかけは、自身がパーソナリティを務めるFM COCOLO『NIGHT AND DAY』(毎週水曜 午後9時)でのワンコーナーだった。
「ラジオをはじめて3、4年でなにかいい企画はないかなと思っていた時に出たアイデアの1つで、毎週1曲カバーを披露するという話があがって。最初は楽だったんだけど、だんだんとネタが尽きてきて…でも昔から、他の人の曲をコピーしたり、譜面みたりするのは好きなんですよ。曲書くときにすごく勉強になる。いくつになっても新たな発見があるんだよね。『学ぶ=まねぶ』みたいな。みんなそれぞれ持ってるスタイルのなかに入って自分のものにしていく。(斉藤)和義に『南さんが歌うと、みんな南さんの歌になっちゃいますね』とか言われたけど、俺は誉め言葉として受け取っているよ(笑)」

 ラジオをきっかけにカバーした楽曲は6、7年で250曲以上。2016年にリリースしたカバーアルバム第1弾には、堺正章「さらば恋人」、河島英五「酒と泪と男と女」など昭和歌謡が多くラインアップされていたが、今作には、公私で交流のある盟友・斉藤和義の「歩いて帰ろう」をはじめ、キリンジ「エイリアンズ」、ORIGINAL LOVE「接吻 Kiss」など、90年代以降のJ-POPの曲も多く選曲されている。
「前作は昭和チックだったけど、今作ではリスナーのレンジも広げようという思いがありました。アッパー(年長者)クラスだけじゃなくて(笑)。でも、カバーは難しくて、自分で聴いていいなと思う曲でも、歌ってみたら全然ハマらなかったり。逆に他の人から薦められて歌ってみたらバチッとはまるケースもある。THE BLUE HEARTSの『1000のバイオリン』なんかも、曲は知ってて好きだったけど、他の人に薦められて今回やってみたらバチッとハマった。来年70になる親父がバリバリのロッカーみたいな感じで頑張っているのも面白いなと思って選曲しました(笑)」

 たくさんの曲をカバーするなかで、昔の曲と今の曲の違いを感じることもあるという。
「昔の曲はプロの作曲家が作っているケースが多く、1オクターブちょいの音域で、どんな人でも歌えるようにうまくできている。京平さんの曲とか『ここ、つかみうまいな』って思わされることがあります。一方で今の曲というのは、アーティストそれぞれが自分の得意なところに持って行くんですよね。ずっと高い声を張り続けたりしても、自分の特性を生かしたスタイルだから、全然気にしない。カバーする方はきついけど(笑)。そんな印象ですね」

69歳でキャリア初の冠フェス『南佳孝フェス「I WILL 69 YOU」』

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 精力的に音楽活動を続ける南は、12月にキャリア初となる自身の名前を冠したフェス『南佳孝フェス「I WILL 69 YOU」』を開催する。
「今年の誕生日の時期にちょうど、ロックバンド・Queenの映画(ボヘミアン・ラプソディ)が流行ってて。Queenの名曲にひっかけて『I WILL 69(Rock) YOU』って言ってたら、スタッフが面白がって。『古希(70歳)のお祝い』ではなく、『まだまだロックだぜ』という気持ちでフェスをするのもいいかなと。今まであんまりこういうことをやってこなかったし。セットリストはこれからですけど、自分の曲、カバー曲、ゲストの曲…いろいろやらなきゃなと思っています。腕達者なメンバーがいるので大丈夫かなと(笑)。昔からの仲間も自分もいい味になってきて一緒にセッションするとすごく面白いので、皆さんも観に来てほしいですね」

ライブ情報

『南佳孝フェス「I WILL 69 YOU』
12.17@東京・ EX THEATER ROPPONGI
OPEN 18:00/START 18:30
TICKET/ 8,000円(全席指定)
メンバー/小原礼(B)、鈴木茂(G)、住友紀人(Sax)、松本圭司(Pf)、 屋敷豪太(Dr)
ゲスト/太田裕美、尾崎亜美、斉藤和義、杉山清貴、鈴木みのり

提供元: コンフィデンス

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