今年は限定アイテム登場で、過去に例を見ないほど盛り上がる? 4/13は、レコードショップ応援日
『どうせならレコードで売りたいよね』『どうせならレコードを作りたいよね』という思い
本根私見ですが、アーティストのおかげだと思います。まず、アメリカで「RECORD STORE DAY」が立ち上がり、「インディーのレコ屋を支援しようぜ」というムーブメントを起こした。それをチェックしていた日本や各国のアーティストの働きかけがメーカーに刺激を与えたんだと思います。アナログに価値を見いだしたのはアーティストで、そういう機運を高めたのはレコードショップ。CDが売れない時代になって、「どうせならレコードで売りたいよね」という思いと」どうせならレコードを作りたいよね」という思いが両輪となって、じわじわと賛同者が増えたんです。そのきっかけになった「RECORD STORE DAY」の存在は大きいと思います。
三村今年は限定アイテムとして「RSD3」というミニターンテーブルを出します。このアイテムはマニアとビギナー、両方に訴求できるのではと思っています。マニアの方にとってはトレーディングカードみたいな遊び感覚、ビギナーの方には「これかわいい」と、インテリアにしてもらうみたいな感じで使っていただけたら。
本根この「RSD3」の発案者は代表の萩原です。ずっと頭の中にあって出すタイミングをはかっていたようで。アメリカの主催者に話したら大喜びで「アメリカでハードを作るから、日本でディスクを作ってくれ」と。1ヶ月くらいの間で話がまとまって、実質1年で製品化までいきました。アメリカの「RECORD STORE DAY」の主催者とターンテーブルメーカー、東洋化成の3社で共同開発。前例がないことだらけだったので、スタッフは大わらわでしたけど(笑)。
YMOの高橋幸宏とモデルの水原佑果がアンバサダー&ミューズに
本根素敵なマニアの極みとして幸宏さん、素敵なビギナーの極みとして佑果さん。その2人が同軸で並ぶのがかっこいいと思ったんです。このお祭りってマニアとビギナーが一斉に混濁できる場所だと思うので。感動したのは、(2月末に行われたアンバサダー&ミューズ就任の)トークショーで幸宏さんが「高橋幸宏が試着もしないで服が買えるか」と言ってくれたこと。服もレコードと同じで試着(試聴)して、バイヤーさんと触れ合って、これから行く道を決めるんだ、という内容だったのですが、あの言葉は、レコード同様、ファッションにも強いこだわりを持つ幸宏さんじゃないと言えないですよね(笑)。
本根強力なアイテムと心強いプロモーション・チームがそろったので、大きく盛り上がると思います。
フィジカルの生き残る術はレコードショップ
本根この精神性がある限り、変わらずに続けていくべきだと思っています。読者の方の中には来るべきCD氷河期に備えたい気持ちもあると思うんです。アメリカ、イギリスの流れを見ていると、「CDのリスナーはこれ以上増えるんだろうかという疑問」は誰しもが持っていると思います。サブスクの隆盛があって、フィジカルの生き残る術はレコードショップだと思います。フィジカルメディアの旗頭である東洋化成がやっていくことは、メーカーとショップを元気づけること。そのためには個性的な小規模店舗の頑張りが必要だと思っています。日本のレコード市場はまだまだ伸びていくと思います。そのなかで大事なのは多様性。「RSD3」も多様性のひとつだと思いますし、ピクチャー盤やカラー盤など、ジャケットのアートワークのダイナミズムも含めて、アーティストがいろいろ遊べる、遊びきれるのがレコードだと思っていますので、そこに価値を見いだしてもらえる人が増えたらうれしいですね。