きゃりーぱみゅぱみゅ、新たな挑戦も“素の自分”「路線変更?って言わないで」
新しい挑戦は「もう少しポジティブな目で見て欲しい」
きゃりーぱみゅぱみゅ(以下、きゃりー) 歌詞を見た時、私の楽曲としては新しいタイプの楽曲だなと思いました。これまでは、全体的にハッピーなタイプの歌詞が多かったんですが、「きみがいいねくれたら」は冒頭ネガティブな内容から始まります。私もそうだったんですけど、10代、20代の女の子って本当に毎日、心の浮き沈みが激しいなと思っていて。たとえば、好きな人から連絡が来ただけでウキウキしたり、小さなことで落ち込んでしまったり。そういう誰もが抱えている悩みに寄り添って、「わが道を進んで良いんだよ」と背中を押してくれるような前向きな歌詞を中田さんが書いてくれました。心に刺さる言葉がたくさんあって、私も聴いてすごく励まされました。そういう歌詞が、ポップでキャッチーなメロディーで展開されていくのもすごく良いなと思いました。
きゃりー そうですね。中田さんは毎回、どこか私の心の中を代弁してくれているような楽曲を作ってくださるんです。「最近どう?」って聞かれた時に話した内容が、自然と曲になっていることがあるので本当にリスペクトですね。
きゃりー 私の場合、「もしもし原宿」や「つけまつける」など、出たてのインパクトの大きさが影響しているんでしょうけど、大人っぽいこととか、ちょっとでも何か新しいことに挑戦すると、すぐに「もう落ち着いちゃうんですか?」っていうようなことを言われたり、書かれたりしてしまうことが多いんです。ずっと派手でポップなきゃりーぱみゅぱみゅだけじゃないし、それは私にとっての挑戦だから、もう少しポジティブな目で見て欲しいのに……(笑)。でも、そういう新しい挑戦をネガティブに捉える目線っていうのは、私に対してだけじゃなく、日本ならではの風潮としてあるような気がしていて。そういうことに対するメッセージがこの曲には入っている気がしましたし、この曲を聴いて私自身もわが道を進むべきだなと改めて思いました。
欅坂46のメンバーなど、年下の子との「交流」がエネルギーの源に
きゃりー SNSはすごく便利であり、難しいツールだと思っています。ケイティ・ペリーさんが「PONPONPON」をTwitterで共有してくれるなど、私は結構SNSで広がっていくタイプのアーティストだと思うので感謝はすごくあるんですけど、たまに炎上することもあるし(笑)。でも、ダイレクトに自分をアピールできる場でもありますし、海外をはじめ多くの方とつながることができるのは本当に大きいなと思います。ブームなど世の中の流れを知ったり、一般の方の投稿からアイデアを得たりすることもあります。
きゃりー 映画とかたまに行く美術館とか、そういうものから吸収することが多いような気がします。新曲のMVは、「ヒゲと逆再生」がテーマなんですが、それはある映画をヒントにしました。あとは知り合いとご飯を食べにいくのも大切な時間。これまでは比較的、年上の方とご飯に行くことが多かったんですけど、ここ最近は、欅坂46の子とか年下の方と行くことが増えました。年上の方からは、人生の先輩としてもちろんいろいろなことを教えてもらえるんですけど、自分がおばちゃん化してきたせいもあって(笑)、旬なモノゴトなどは年下の子たちから教えてもらうことが多くなりました。それに、年下で頑張っている子と接すると、私も負けていられないなっていう気持ちにもなります。最近、そういうエネルギーの源は、主に年下の子からもらっています。この前も、にこるん(藤田ニコル)と初めて一緒にご飯に行ったんですけど、すごくたくさん刺激をもらいました。