ONE OK ROCKとあいみょん、デジタルからつなげたCD売上で見せる“強さ”

 ONE OK ROCKの『Eye of the Storm』とあいみょんの『瞬間的シックスセンス』がともに発売3週目もフィジカル(CD)でTOP10内を推移する好セールスを見せている。音楽性とそのアプローチ、ファン層も異なる両者だが、デジタルで強いという共通点がある。

CDアルバムが発売3週目でTOP10内を推移

  • CDアルバムの売上推移

    CDアルバムの売上推移

  • デジタルアルバムのDL数推移

    デジタルアルバムのDL数推移

  • 合算アルバムのポイント推移

    合算アルバムのポイント推移

 ともに2月13日にリリースされた、ONE OK ROCKの2年ぶり9作目となるニューアルバム『Eye of the Storm』と、あいみょんの1年半ぶりの2ndアルバム『瞬間的シックスセンス』。フィジカル、デジタル、合算の各ランキングそれぞれの売上枚数、DL数、ポイント数はワンオクが上回っているものの、あいみょんがそれに喰らいつき、その売上推移および順位では2作がほぼ同じ動向を見せている(グラフ参照)。

 特筆すべきは、両作ともにフィジカルが発売3週目でTOP10内を推移している点だ。フィジカルではTOP10内にランクインする作品のほとんどが、次週でTOP10圏外へと外れる。ところがこの2作は、ロングテイルとなるデジタルに近い動きをフィジカルでも見せている。

ONE OK ROCK

ONE OK ROCK

 ワンオクは、ボーダーレス化が進む音楽シーンにおいて、世界標準を意識したロックを早くから海外へ向けて発信してきた気鋭バンド。国内のファン層を拡大しながらも世界を目指し、ダウンロード配信のほか、Spotifyなどサブスクサービスにも積極的に楽曲を開放。フィジカルアルバムでもインターナショナルバージョンをリリースしており、今年は北米&欧州ツアーを実施するなど実績を作り上げている。

あいみょん

あいみょん

 一方、ストリーミングからブレイクした初のアーティストとされるシンガー・ソングライターのあいみょんは、もともとYouTubeへの自作曲の配信から注目を集めてメジャーデビューした経緯もあり、ダウンロード、サブスクを含めた全方位的なデジタル戦略で、デジタルネイティブ世代の圧倒的な知名度を獲得。そのセンセーショナルな世界観の楽曲は、感受性の豊かな若年層から高い支持を受けている。

CDリリースで浮き彫りになったデジタルにおける人気ぶり

  • ONE OK ROCKの2年ぶり9作目となるニューアルバム『Eye of the Storm』

    ONE OK ROCKの2年ぶり9作目となるニューアルバム『Eye of the Storm』

  • あいみょんの1年半ぶりの2ndアルバム『瞬間的シックスセンス』

    あいみょんの1年半ぶりの2ndアルバム『瞬間的シックスセンス』

 その音楽性とシーンへのアプローチ、ファン層も異なるONE OK ROCKとあいみょんだが、デジタルへの積極的な取り組みの部分で共通点がある。ともにデジタル音楽の黎明期からその先の未来を見据え、新しい世界へと一歩を踏み出し、楽曲を開放するとともにデジタル世代の知名度を高め、ファンを獲得してきていた。今週のストリーミングランキングでは、TOP10内にあいみょんが5曲、ワンオクが3曲をランクインと、この2組で8割という圧倒的なシェアになっている。

 これまでの取り組みによるデジタルにおける両者の人気ぶりが、今回のフィジカルリリースによって、各種ランキングを席巻する形で表れたと言えるだろう。そして、そのデジタルにおける売上動向が、フィジカルにもつながり、フィジカルにおいてもロングテイル的にセールスを底上げするというひとつの事例を示した。もちろん、彼らの音楽のよさがあってこそではあるが、こうした結果を残したことの意義は大きい。

 そして、もうひとつ興味深いのは、週を経るごとに両者の差が縮まっていること。今週付でその差は、フィジカルおよび合算で0.1万、デジタルでは150DLを切り、次週にはあいみょんが逆転しそうな情勢だ。ストリーミングでより強さを見せる、デジタルシーンとの親和性が高いあいみょんが、この先も各種ランキングで息の長いセールスを続けていくことが予想される。

提供元: コンフィデンス

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