映像ランキングを席巻した嵐、ライブの魅力と音楽映像マーケットに残した功績

 活動休止を発表後、嵐のライブ映像作品がランキングを席巻している。今週発表の2018/2/11付オリコンDVDランキングでは、TOP100内に23作がランクインした。もともとライブに定評のある嵐だが、その魅力と音楽映像市場への功績を改めて考えてみたい。

国民的ヒット曲が多い嵐のライブの魅力

2018/2/11付オリコンランキング

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 シングル、アルバム、DVD、BDと嵐の作品が軒並みランキングを急上昇した今週、なかでも多くの作品が上位に登場しているのが映像ランキングだ。TOP100内へのランクインが、シングル5作、アルバム6作のところ、DVDは23作、BDは9作。シングルは比較的新しい作品、アルバムはベスト盤などが再浮上しているが、DVDは広い年代にわたって多くの作品が動いていることがわかる。

 そこには、彼らの時代ごとのパフォーマンスを手にしておきたいというファンのコレクター的なモチベーションだけでなく、彼らのライブそのものの魅力が大きいことだろう。

 デビュー以来、嵐のライブを観続けてきている元コンフィデンス編集長(現・oricon ME 取締役)の垂石克哉は、その魅力を「スケールが大きい最先端のステージ演出で、一緒に歌えるたくさんのヒット曲があること」とコメントする。

 嵐には国民的ヒット曲が多い。ツアーでは最新アルバム曲が多く歌われるが、そのほか大ヒット曲もセットリスト全体の半分ほどに入る。そうなると、常に盛り上がれるベストライブとなり、コアファン以外の人も十分楽しめ、だれもが満足を得られる。

 また、こだわり抜かれている演出については、「高精細の超巨大スクリーン、コンピュータ同期で色彩が変化するペンライト、ムービングステージ、派手な山車、時に巨大バルーンや各種特効など、その時点での最先端のステージ演出や、ファンとの距離感を縮める演出が必ず取り入れられている。だからそれを観ているだけでも楽しい」(垂石)という。

音楽映像市場を形作る時代の一翼を担ってきた

2018/2/11付オリコンランキング

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 とはいえ、この2つが満たされているのは嵐だけではない。それでも嵐のライブに高い評価が集まるのは、やはり松本潤のプロデュースによるステージ構成や、メンバー個々の魅力でステージ全体を輝かせていることだろう。それぞれの活動分野でもトップの実力と人気を誇る5人が揃って歌うことの意味が大きい。その貴重な空間がなによりも大きな魅力になっている。

 このように、もともと質の高いライブパフォーマンスに定評のある嵐。その映像作品は、ライブ会場で観ることができないメンバーそれぞれの表情や動きがはっきりと観られること、特典収録されるメンバーのトーク「嵐会」などが大きな魅力となり、それがこれまでのセールス記録にも表れている。

 6度にわたるDVD年間1位獲得(2011年、2012年、2013年、2014年、2015年、2017年の通算6度)のほか、「DVD1位連続獲得作品数」(17作連続)や、「DVD1位通算獲得作品数」(通算19作)といった、全アーティスト歴代1位となる数々の記録を保持しているのだ。

 映像ソフト市場は、2000年から売上額が急上昇し、2004年にピークを迎えている。1999年にデビューした嵐は数々のヒット作を送り出し、市場が隆盛を誇った時期はシーンを盛り上げ、2010年前後からの市場がシュリンクしていく厳しい時代には、奮起を促しながらシーンを下支えしてきた。

 嵐の音楽シーンへのこれまでの貢献は大きく、音楽映像市場を形作る時代の一翼を担ってきたと言っても過言ではないだろう。そして、活動休止を発表したいま、再びシーンを大きく盛り上げようとしている。パッケージの売上はもちろんだが、それ以上に彼らの存在が音楽シーンに残してきた功績は評価されるべきだろう。この先の2年間でどれだけ大きな足跡を残してくれるか楽しみだ。

2018/2/11付オリコンランキング

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提供元: コンフィデンス

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