GLIM SPANKY、幅広く音楽ファンを魅了するワケを徹底検証
本物志向の洋楽ファンを唸らせるGLIM SPANKYの音楽性
それだけに初期からのファンは、「古いロックに通じる厚みと力強さを感じる」(50代男性/千葉)、「日頃は洋楽ロックを聴くことが多いが、違和感なく一緒に聴ける」(50代女性/兵庫)、「オールドタイプのロックのフィーリングを、現代によみがえらせている」(40代男性/兵庫)といった40オーバーの洋楽ファンが多い。
一般的に40代を過ぎると仕事や家庭に追われて音楽から遠ざかる傾向にあるが、「洋楽にかぶれてライブとかもたくさん行っていた20代の頃を思い出しました」(40代女性/和歌山)、「このギターを聴いて、かつてものすごくハマっていた洋楽ロックを懐かしく思い出しました」(40代女性/愛知)、「初めて聴いた時から大ファン。CDも大人買いし夫婦でライブも行っている」と、GLIM SPAKNYをきっかけに再び音楽の素晴らしさを思い出したという声も散見された。
またこの世代の洋楽ファン(特に男性)は、理屈で音楽を聴く向きも多い。言い換えれば“ホンモノ志向”なわけだが、そんな彼らをしてGLIM SPAKNYは「しゃがれた感じのギターやキーボードが、ボーカルのハスキーボイスとあいまって魅力的」(40代男性/神奈川)、「シンプルでストレートなロック感。ハスキーで媚びないボーカル、ソリッドなギターも立ってる!」(40代男性/埼玉)と納得させている。
ロックファンの期待を一身に背負う存在
もちろん、ホンモノは年代関係なく心を揺さぶる。最近はライブ参加者を見ても、ファンの年齢層はかなり下の世代まで広がっているようだ。とは言え、GLIM SPAKNYの2人もまだ20代だから「同世代ファン」と言えるのだが。
2人はフェイバリットについて60〜70年代の洋楽バンドだけでなく、THE WHITE STRIPESやThe Black Keys、Arctic Monkeys、KASABIAN等々を挙げている。ルーツミュージックに現代的な解釈を加え、ロックの世界をアップデートさせようと試みている洋楽バンド勢だ。
2000年代初頭に花開いたこのムーブメントに影響を受けてきたGLIM SPANKYの音楽性も、決して懐古趣味ではない。しかし確実に言えるのは、彼らがブレずにロックを奏で続けているということだ。
近年は全世界的なヒップホップ隆盛に押されて、ロックが音楽シーンの中で存在感を失いつつある。しかしニール・ヤングが、ノエル・ギャラガーが、Arctic Monkeysが「Rock and roll can never die」と繰り返し言ってきたように、ロックンロールが息絶えることはなく、ロックファンも存在し続ける。「ロックがもてはやされないこの時代に、もっと活躍して欲しいと思うバンドです」(50代女性/大阪)という声からも、2010年代に登場した20代のGLIM SPANKYはロックファンにとって待ち望まれていた存在なのだ。
理屈抜きのカッコよさに惹かれてライブは若い女性も急増中
70年代風サイケデリックな衣装に身を包みしゃがれ声で歌う松尾レミを、「最近珍しいタイプのカッコよさ」(20代女性/東京)、「レミちゃんの媚びない堂々とした生き方が好き」(50代女性/東京)とファンになった理由に挙げる人も多い。J-POPシーンに久しぶりに登場した“女性が憧れる女性像”に惹かれてか、近年はライブでも若い女性を多く見かけるようになった。
11月21日には4枚目のフルアルバム『LOOKING FOR THE MAGIC』をリリース。ユニットの認知を一気に拡大した映画『不能犯』の主題歌「愚か者たち」や、TVドラマ『警視庁・捜査一課長 season3』の主題歌「All Of Us」、アサヒ飲料「WILKINSON」とのコラボレーションから生まれた「ハートが冷める前に」など全10曲を収録。そこには、2人が追い求めてきた音楽の景色が広がっている。
文/児玉澄子
【調査概要】
全国のGLIM SPANKYファンにアーティストの好感や魅力を聞いた
調査対象:全国男女、10〜50代
サンブル数:n=805
調査期間:2018年8月14日(火)〜8月24日(金)
調査手法:インターネット調査
調査期間:オリコン・モニターリサーチ
全国のGLIM SPANKYファンにアーティストの好感や魅力を聞いた
調査対象:全国男女、10〜50代
サンブル数:n=805
調査期間:2018年8月14日(火)〜8月24日(金)
調査手法:インターネット調査
調査期間:オリコン・モニターリサーチ