【upcoming】11/13付週間CDランキング、『コンフィデンス』編集部ピックアップ6作

 最新11/10付オリコン週間ランキングから、TOP20位圏内には入らなかったものの、CDセールスやデジタル配信で注目すべきチャートアクションを見せた作品を、週刊エンタテインメントビジネス誌『コンフィデンス』編集部のメンバー6名が各目線でピックアップ。これから注目すべきアーティスト、話題作の動向を紹介する。

イトヲカシ「アイオライト/蒼い炎」/シングル22位

良質でキャッチャーな青春ソング
 伊東歌詞太郎(Vo)と宮田“レフティ”リョウ(B&G&Key)による、2人組ユニット・イトヲカシのシングル「アイオライト/蒼い炎」が、週間シングルランキング22位にランクインした。イトヲカシは、12年に結成。ネットに投稿した楽曲が話題となり、16年9月にシングル「スターダスト/宿り星」でデビュー。メディアで顔出しせず、その素顔はライブなどでしか明かしていない。映画『氷菓』主題歌の「アイオライト」は、甘酸っぱい青春時代の記憶を思い起こさせる歌詞とキャッチャーなサウンドで、若年層を中心に人気を得そうだ。

糸奇はな「環-cycle-」/シングル34位

多様な手法で独自の世界観を表現するマルチプレイヤー
 糸奇はなのメジャーデビューシングル「環-cycle-」が、週間シングルランキング34位に初登場した。糸奇は、作詞曲はもちろん、演奏、イラストなど、さまざまな方法で独自の世界観を表現するマルチアーティスト。英仏の歌曲を吸収したボーカル、ストーリー性のある歌詞、クラシックを基調としたサウンドメイクによって生みだされる幻想的な作品は、昨年ごろから話題に。表題曲は、同名の人気漫画を原作にしたアニメ『魔法使いの嫁』のエンディング曲。ファンタジックな物語の世界観とシンクロした楽曲は、アニメファンを中心に今後さらに広がりをみせる予感。

松室政哉『毎秒、君に恋してる』/アルバム30位

オーガスタ所属の実力派SSW、松室政哉がメジャーデビュー
 オフィスオーガスタ所属のシンガー・ソングライター、松室政哉のメジャーデビューEP『毎秒、君に恋してる』が、週間アルバムランキング30位に初登場した。中学でバンドを組み、高校からソロ活動開始。08年には閃光ライオットでファイナリストに。13年に現在の事務所の所属となった。オーガスタらしい美しさと表現力を備えた魅力的な歌声を持つ実力派。クラレ企業CM「梨沙羅 ときめき」篇に起用された収録曲「Thema」でも感じさせたが、企業ブランディング×松室の掛け合わせからも彼の実力が引き出されていくだろう。

グレース・ヴァンダーウォール『ジャスト・ザ・ビギニング』/アルバム37位

ハスキーボイスが魅力的な13歳のSSW
 “未来のテイラー・スウィフト”と評される13歳の女性シンガー・ソングライター、グレース・ヴァンダーウォールの1stアルバム『ジャスト・ザ・ビギニング』が、週間ランキング37位にランクインした。ニューヨーク州サファーン出身で、3歳で曲を作って歌い、11歳でウクレレを始めたという。美しいハスキーボイスが特徴で、さらに表現力にも長けている。ウクレレをかき鳴らしながら歌い上げる「アイ・ドント・ノウ・マイ・ネーム」は、力強さが伝わって本当にカッコいい。これからいろんな経験を積んで、どんな音楽を聴かせてくれるのか。とても楽しみなアーティスト。

トリプルファイヤー『FIRE』/アルバム57位

ゆるめのファンクに乗せた、共感できる歌詞がお見事!
 “共感する歌詞”で巷の注目を集めるトリプルファイヤーの4thアルバムが、週間ランキング57位にランクインした。まずはボーカル・吉田靖直が生み出す歌詞に耳を傾ける(読む?)ことをお勧めする。ある曲は思春期の悩み、ある曲はじじいの郷愁とさまざまだが、そのいずれもが「あるある!」と納得し、次の瞬間一気にこのバンドが好きになってしまうに違いない。ギターの鳥居真道が生み出すメロディーとサウンドはゆる〜いファンクがベース。音づくりはチープな印象だが、歌詞に意識を集中するのには心地よい。それだけ演奏自体はしっかりしているのだ。

UNCHAIN『Get Acoustic Soul』/アルバム74位

UNCHAIN、初のアコースティック盤
 ソウルミュージックをベースにしたグルービーなロックで唯一無二の存在感を放つ4ピースバンド・UNCHAIN が、初のアコースティック盤をリリース。週間アルバムランキング74位に初登場した。ジャズやフュージョン、さらにはシティポップ的なエッセンスまでを絶妙にブレンドした、上品かつ上質な音楽性に、ソウルフルな歌声。そんな大人の音楽には、コアファンが多い。今作は、新曲のほか人気曲のアコースティックアレンジを収録。さらにUA、東京事変のカバーも1曲ずつ。コア層を大事にしつつ、新しいリスナーへ向けても発信していく意欲的な姿勢が垣間見える。
(『コンフィデンス』 17年11月13日号掲載)

提供元: コンフィデンス

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