【upcoming】9/11付週間CDランキング、『コンフィデンス』編集部ピックアップ6作

 最新9/11付オリコン週間ランキングから、TOP20位圏内には入らなかったものの、CDセールスやデジタル配信で注目すべきチャートアクションを見せた作品を、週刊エンタテインメントビジネス誌『コンフィデンス』編集部のメンバー6名が各目線でピックアップ。これから注目すべきアーティスト、話題作の動向を紹介する。

足立佳奈「笑顔の作り方〜キムチ〜/ココロハレテ」/シングル32位

優しさ溢れる応援歌、15秒動画で話題の足立佳奈
 Twitterにアップした15秒動画「笑顔の作り方〜キムチ〜」が中高生の間で話題をさらい、ブレイクを果たした足立佳奈のデビューシングルが、週間シングルランキング32位に初登場した。足立は14年に開催されたLINE×ソニーミュージックオーディションで12万5094人の中から歌手としてグランプリを獲得。先述の動画は2500万インプレッションを記録するなど、学生の間で社会現象化する盛り上がりをみせ、日テレ系『ZIP!』でも特集された。収録3曲はどれも応援歌。温かさの滲む足立の歌声は、励ましとともに癒しを届ける。

四星球「お告げ〜さあ占ってしんぜよう〜」/シングル33位

四国発“コミックバンド”異色の1stシングルで存在感
 今年1月、結成15周年の節目にメジャーデビューを果たした4人組・四星球(スーシンチュウ)の1stシングル「お告げ〜さあ占ってしんぜよう〜」が、週間ランキング33位に初登場した。パンツ一丁にハッピを羽織った、いかにもコミックバンド然とした風貌やユニークなパフォーマンス。その出で立ちからは想像できない厚みのあるメロコアサウンド、キャッチーなメロディーとのギャップがクセになる同バンド。途中でガラリと印象が変わる表題曲「お告げ〜」に加え、豪華ゲストが参加した楽曲やトークなど、全12トラックに及ぶカップリングを収録した本作からは、彼らの心意気が感じられる。

三月のパンタシア「ルビコン」/シングル40位

アニメの世界観にマッチした楽曲で注目
 三月のパンタシアのシングル「ルビコン」が、週間ランキング40位にランクインした。三月のパンタシアは、女性ボーカル「みあ」を中心に、複数のイラストレーターやコンポーザーが集まったクリエイターユニット。気鋭のクリエイターたちが集まり、ケータイ小説と連動するなど、メディアミックス展開も積極的に行っている。本作は、TVアニメ『キズナイーバー』(TOKYO MX ほか)のエンディングテーマ。アニメの世界観とマッチしており、表裏一体となった歌詞とみあの印象的な歌声が、若い世代を中心に人気を集めそうだ。

tacica『新しい森』/アルバム28位

ライブ感をダイレクトに伝える、バンド史上最高の音源での挑戦
 猪狩翔一(Vo&Gt)、小西悠太(Ba)によるロックバンド・tacicaの通算3枚目のミニアルバム『新しい森』が、週間ランキング28位にランクイン。05年の結成から、精力的なライブ活動とともにコンスタントにCDリリースを重ね、骨太の王道ロックサウンドに包まれる叙情的な世界観を武器に人気を拡大してきた(シングル最高位は7位)。そんな彼らが新たな挑戦とする今作は、バンドとしてのライブ感をダイレクトに伝えることに重点を置きレコーディング。“tacica 史上最高の音源”を謳う原点回帰した臨場感あふれるサウンドをロックファンへ届ける。

doriko feat. 初音ミク『君のいない世界には音も色もない』/アルバム43位

心に染みるピアノの旋律
 初音ミクの10周年も話題となった千葉・幕張メッセでのイベント「マジカルミライ2017」に出演したdoriko。07年に初めて「ニコ動」にオリジナル楽曲を投稿。“ボカロ”黎明期より一躍人気を集め、人気ボカロP
として活躍していく。これまでさまざまな曲調の楽曲を手がけてきたが、本作の表題作「君のいない世界には音も色もない」は、dorikoが得意とするピアノの美しい旋律から始まり、次第にギターやストリングスなどの音が積み重なっていく。まるで原点回帰のような印象で、メロディーは懐かしさも感じさせる。切ない歌詞もいい。

テンパレイ『from JAPAN 2』/アルバム90位

配信限定シングル『革命前夜』も注目される大躍進の新世代バンド
 15年9月にリリースされたデビューEPから4枚目となる2ndアルバム『from JAPAN 2』が、週間ランキング90位にランクイン。昨年同時期に発売された1stアルバム『from JAPAN』から初週売上を3倍近く伸ばし、着実にファンが拡大している様子が窺える。スリーピースでありながら色彩豊かなサウンドにゆるいビート、シニカルな歌詞、時折ハッとさせられるメロディーのきらめきなど、現在主流のバンドサウンドとはまったく違う、聴いているうちに病みつきになる中毒性を備えている。70年代ロックが好きだった大人にも確実に響きそうな、新しい風を感じる1枚。
(『コンフィデンス』 17年9月11日号掲載)

提供元: コンフィデンス

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