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「粘着テープでぐるぐる巻き」心も体も傷ついた保護猫、幸せな一歩を踏み出すまでの5年
粘着テープでぐるぐる巻き、虐待された“次郎”の心と体の傷
その後、次郎がブログに登場したのは2年後のことだった。殴られた後遺症で首が傾き、片方の目は小さく、視点が定まらないまま。そんな次郎の傷は体だけではなかった。虐待という恐怖の体験から、すっかり人間に心を閉ざしていたのだ。2年もの間、次郎の引きこもり生活は続いていた。
しかし、『ねこけん』メンバーによる懸命な努力が少しずつ実っていく。人がいても隠れないようになり、お尻をツンツンさせてくれるまでになった次郎。ただし、「心についた傷はなかなか癒えません。人間への恐怖心を取り除くには、とても時間がかかるんです」と溝上氏。表面上の傷はいずれ治るが、心についた傷を治すには非常に時間がかかる。「記憶の上書きをしていくしかないんです。人間は優しい、あなたを傷つけないということを次郎に知ってもらうために」。
傷ついた心が癒えるまで、じつに5年の月日を要した
そんな次郎だったが、最近、「ミーナちゃん(『ねこけん』出身の猫)の家族の方が、次郎くんが気になっているということで、やっと家族が見つかりました」との報告があった。次郎の虐待事件が起こってから5年。傷ついた心が癒えるまで、じつに5年の月日を要したのだ。
「次郎くんもやっと家族ができて幸せになることができました。急がなくていいんです。ゆっくりでいいから幸せになって欲しいというのが私たち『ねこけん』の願いでもあるんです」。
今、次郎は新たな家族とともに、幸せな生活を送っているという。
(文:今 泉)
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