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『親バカ青春白書』はコロナ禍の今を問う社会風刺ドラマ? 「家庭」を「社会」に持ち込む主人公たち

「帰省できない」コロナ禍で孤独な地方出身“上京組”に共感する視聴者の心理

 同作の視聴率は8.7%(第4話、関東地区、ビデオリサーチより)とまずまずの様子だが、「ドラマ満足度ランキング」では最新で第5位と好調(8月11日〜8月17日の放送対象)。世代別でみると、高評価を付けた割合は10代がもっとも高かった。

 若い世代を惹きつける理由について柿谷氏は、「キャンパスライフ×親子関係」の巧みな掛け算を特徴として挙げる。

「本来のキャンパスライフとは、親と距離を作る機会・場・時間になるはずです。でも、この作品ではまったく逆ですね。登場人物も視聴者も、ガタロー親子を通じて“親と一緒にいること”を体験していくことになります。娘のさくらを除いて、全員が地方出身の上京組というのも見逃せない設定です。物語は、彼らそれぞれの“離れた親”への想いがどう募り、どう変化していくかをもとに動いていく。そのあたりのヒューマンな要素が、コミカルな展開のなかで、絶妙に説教臭くないかたちで、同じ親離れの真っ只中にある若者の心を捉えています」

 また、コロナによって充実した学園生活が失われているいま、もしキャンパスライフをただ謳歌する群像劇だとしたら、アレルギーを感じる視聴者がいたかもしれない。しかし、リアルとファンタジーを巧みに織り交ぜて見せるのが福田雄一ワールドの真骨頂。柿谷氏によると、「絶妙な具合に“リアルじゃない”感が漂う。かといって理想的とも少し違う。いま観るに耐える青春劇のギリギリをコメディで攻めている」という。

「たとえば入学ガイダンスのシーンで、男子学生によるサークル勧誘から娘をガードするはずが、自身がサークル選びを楽しんで体験入部してしまう。娘以上に親がキャンパスライフを楽しむというフィクショナルな風景に、現実を射抜いている巧さがあります。現実には、キャンパスライフなき大学生活で、もっぱら登場人物たちが学ぶのが、身近な“親子・家族愛”というのは何とも皮肉ですよね。つまり、他者に出逢い、友人を作るという損なわれた大学生活の一面を、“他人の家族に触れて交流する”ということに置き換えているわけです」

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