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“飼育員さんのオタク垢”では? 桂浜水族館の一風変わったSNSに反響「尊すぎ」「優しさで包まれた世界」
館内は「つぎはぎだらけのハウルの城」…“田舎”で“お金がない”ことを逆手に
【おとどちゃん】桂浜水族館は田舎の小さな水族館で、ここに来ないと見れんめちゃくちゃ珍しいお魚がおるわけではありません。都会の新しくて綺麗で大きくて未来的な水族館とは違って、つぎはぎだらけのハウルの城やし、昭和の哀愁漂っちゅうし、お金もない。でもそれを逆手にとったら、一周回って新しいがじゃないかって。水族館での飼育員の立ち位置って、普通は展示飼育動物や魚の次で、影の存在。でも好きな人の好きなものって興味わくじゃないですか。まず、飼育員を好きになってもらえたらと考えたんです。
――確かに、水族館自体を応援してくれる人は増えそうですよね。
【おとどちゃん】はい、飼育員と関わることで“新しい形の水族館ファン”ができる。きっかけが飼育員ってだけで、桂浜水族館を好きでおってくれる理由はなんでもいいと考えたんです。実際に、常連の方で好きな飼育員がカピバラの担当をしてるからという理由で、最初は好きじゃなかったカピバラのことを好きになったって方もおる。人は人と繋がりたい生きものやき!
――実際にTwitterでは「飼育員のお兄さんが尊い」「動物と飼育員の方の良さを両方兼ね備えて発信できる水族館は桂浜水族館しかないと思います」などと反響も。このようなコメントについて、あらためてどう感じていますか?
【おとどちゃん】「いやそれほんま尊すぎて…」「唯一無二の水族館、それが桂浜水族館」って思います。他の施設が同じことをできんわけではないと思うけど、これほど自由にできるのは、枠にとらわれないスタンスでやりゆう当館だからこそやと思います。そして私は“桂浜水族館の飼育員オタク”であって、ただの飼育員オタクではありません! 桂浜水族館の飼育員を心底愛でています!
「休館中も、みんなの心を少しでも和らげることができたら」
【おとどちゃん】いろいろあるけど一番グっと来たのは、海獣班の飼育員リーダーを務める「まるのん」が、初めてアシカの採血ができた日のことです。夕方、泣きながら事務所に来て「できた…できた…怖かった。怖かった……すごいな、みんなこんなこと普通にできてるんやもんな…」って大粒の涙をボロボロ流して泣きよったんです。今はもうお手の物やけど、初めての日は大きな緊張と不安に押しつぶされながら「できた」ことを話してくれた。その姿にグッときました。いろんな飼育員の「初めて」に立ち会いゆう(立ち会う)けど、いつも本当に感動します。
――桂浜水族館はコロナ禍により当面休館中とのことですが、動物たちや、働いている方たちの状況はいかがですか? 休館中はSNSでどのような発信をしようと考えていますか?
【おとどちゃん】普段と特に変わらず、動物たちはのんびりゴロゴロ日向ぼっこしたりしゆうけど、心なしか寂しそうな気はするかな。休館中も、飼育員と生きものの写真とか珍事件、桂浜水族館の日常をできるだけ毎日発信していきたいです。誰でも、どこにおっても参加できるオンラインご飯会やオンライン飲み会(#桂浜水族館お肴まつり#ハマスイ春のパンまつりなど、ハッシュタグをつけて写真投稿)をTwitterで開催して、みんなの気持ちを少しでも和らげれるようなことをしようと思ってます!
――最後に、新型コロナが落ち着いたあとに、動物たちや飼育員のお兄さんたちとSNSをつかってやりたいことはありますか?
【おとどちゃん】いつも通り。毎日が特別な一日。今は「異常」な日々が続きゆうけど、当たり前じゃない「普通」の暮らしをしよった頃だって、毎日が特別やしかけがえないものやった。今日も明日も明後日も特別。この異常が終わっても、おとどはいつも通りです。ただ、動物や魚のいのちと真剣に向き合う彼らと、同じ時間を過ごせることを大事にするだけです!
桂浜水族館
Twitter:@katurahama_aq(外部サイト)
HP:https://katurahama-aq.jp/(外部サイト)