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【プラモデル】戦艦、航空機、戦車など“神作”まとめ
ガンプラ40周年の歴史を紡ぐ「モデラーの妄想力」、“俺的”RX-78-2 FAガンダム最終決戦仕様をジオラマ化
【しんきち】ア・バオア・クーの最終決戦に向け、アムロ専用に制作されたフルアーマー・フルバーニアン&ウエポンシステムの高機動型RX-78-2 ガンダムです。ホワイトベースの格納庫にロールアウトされた直後の最終調整を行っている状態をイメージしました。格納庫部分は台座的な意味合いが強いのですが、僕なりに表現するジオラマとなります。
――“最終決戦前”というストーリーや、大胆な解釈で作成されたウエポンシステムなど妄想全開ですね!ガンプラにおける“妄想”の楽しみ方を教えてください。
【しんきち】『ガンダム』本編のストーリーを尊重しながらも、オリジナリティを取り入れた設定を基本としています。1本スジの通った作品コンセプトを決めたら、後はどんどん深いところまで妄想して肉付けしていきます。
――“肉付け”という部分で気を付けている部分はありますか?
【しんきち】“ガンプラは自由”なのですが、第三者の視点は大切にしています。例えば、劇中で映っていないシーンを創作した際、作品を見た人に「ありえる!ありえる!」と感じてもらえるシーンや機体設計になるよう、「説得力」や「リアリティ」のある作品作りを心掛けています。
――ガンプラの妄想は、どんな時にもっとも閃きますか?
【しんきち】僕の場合、入浴中にアイデアが降りてくるので、ガンプラのプランを練っている時期は毎日のお風呂が楽しみで仕方がないです(笑)。
――そうした過程を経て生まれたのが本作『フルアーマーガンダムの最終調整』ジオラマです。このストーリーが浮かんだきっかけは何でしょうか。
【しんきち】尊敬するプロモデラー・NAOKIさんの作品集でフルアーマーガンダムを見た時に、僕なりのフルアーマーガンダムを作ってみたい!という欲求が生まれたのが制作の根源です。
――圧倒的なディテールに度肝を抜かれます。
【しんきち】そう言っていただけるのは大変恐縮です…。ですが、世の中にはもっと精密で情報量のあるハイディテールモデラーさんが沢山おられますので、まだまだ精進せねばなりません。ちなみに、本作品の制作期間は3〜4カ月ほど。1日の制作時間は夜中から明け方まで約4時間くらいなので、制作期間中は常に寝不足でした(苦笑)。
――先ほど、プロモデラー・NAOKIさんに刺激を受けたとおっしゃっていましたが、その他にガンプラ制作で影響を受けた方はいますか?
【しんきち】メカニックデザイナーのカトキハジメさんからは、「モビルスーツのフォルムの格好良さ」。『重戦機エルガイム』や『機動戦士Zガンダム』のメカニックデザインをされた永野護さんからは、「リアルロボットにおける腰のくびれの色気」や「マシンでありながらの人間っぽさ」を学びました。これらは、ガンプラ制作する際の指針のひとつになっています。
モデラーとしての「特徴」を意識しすぎると“駄作”になる
【しんきち】子どもの頃より、今のほうが確実に“妄想力”のレベルは高まっていると思います。子どもの頃は、突拍子もない部分から腕を生やしてみたり、意味の無い思い付きの発想が多かったと思います。しかし、今は「どうやって生やそうか?」「なぜ生えているのか?」といった風に、ジオラマの“事象”や“現象”の背景を考察し、リアルな妄想ができるようになりました。
――自分の妄想力は、他の人と比べてどんな特徴があると思いますか?
【しんきち】経験上、自分で「特徴」を意識したら確実に“駄作”になりますし、面白くない作品になってしまいますので、ほぼ意識しないようにしております。ガンプラにおける特徴や強みは、第三者による評価が正しいと思っています。
――では、妄想力が最も成長したと思う人生のターニングポイントを教えてください。
【しんきち】ズバリ、隣県にお住まいの『ガンプラW杯2017』ファイナリスト・あかまり氏の作品を実際に目の当たりにした時です!率直に、自分の作品レベルは「まだまだこんなものか」と感じ、自分をレベルアップするにはどうしたら良いか、を考えさせられた瞬間でもあります。
――今後のしんきちさんの作品が楽しみです。ちなみに、本作のFAガンダムと対になるジオングはイメージされていますか?
【しんきち】実はあります。『ガンプラW杯2018』決勝時から次回作のインスピレーションは湧いており、現在は現実的な妄想レベルで完成しています。『ガンプラW杯2019』には間に合いませんが、じっくり作り込んで発表する予定です。しんきちの次回作がどうなるのか、皆さんに妄想していただけたら嬉しいです。
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