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(更新: ORICON NEWS

世界滅亡をイメージした幻想的な“水没廃墟ジオラマ”「水中と水上を同時に見る面白さ」

世界滅亡をイメージした幻想的な“水没廃墟ジオラマ”「水中と水上を同時に見る面白さ」

 ところどころ錆びつき、屋上には木が生えるほどに荒れ果てた東京都庁や、屋上だけを残して水没し、かたわらを巨大なイカが悠々と泳ぐ高層ビル……。まるで人類が滅亡した後の世界のようだが、どこか幻想的で美しい「水没廃墟ジオラマ」を制作するMASAKIさん。Twitterでも「こんな緻密でヘビーな作品を作るなんて」、「眼福です」等々、絶賛されている。水没ジオラマ以外にも、ガンプラコンテスト『全日本オラザク選手権』での受賞歴もあるMASAKIさんに水没ジオラマの魅力やこだわりを聞いた。

リアルな怖さを感じさせないように“生命感”を加えています

――今までに制作したジオラマ作品は何点くらいありますか?
MASAKIガンプラなどのジオラマ作品は30点ほど、水没ジオラマ作品はイベント販売用の作品が40作品ほどです。販売用ではない水没ジオラマ作品は13点くらいあります。

――「水没ジオラマ」を作ろうと思ったきっかけは何ですか?
MASAKIジオクレイパーという1/2500の建物のトレーディングフィギュアがあったのですが、同じスケールのプラモデルは他にあまりなく、ジオクレイパー単体で何か面白い表現ができないかと考えていました。もともとビルの廃墟とか終末世界的なものが好きでしたので、映画やアニメなどでよくある水没都市を制作しようと考えました。テストで作った小さい作品をTwitterで公開したところ、ものすごい反響をいただき、そこから第2弾、第3弾と作っていくうちに“水没ジオラマの人”と言われるようになりました。

――「水没ジオラマ」の制作方法を教えてください。
MASAKI概略としては、ジオクレイパーのビルをラッカー塗料で塗り分けて、建物の窓の部分に穴を開けたり、薄めた塗料で凹んだ部分や傷などの立体感を強調します。あとは、水の中に入れるクジラやダイオウイカなどをビルに固定し、ビルの上の木や波の上のゴムボートなどを接着していく、という感じです。

――「水没ジオラマ」制作で大変なことは何ですか?
MASAKI一番大変なことは、レジンを流した際に発生する気泡や、型枠からのレジンの漏れです。気泡が発生しにくいように、ビルの中の空洞に事前にレジンを流しておいたりするなどして対応しています。レジンの漏れに関しては、型枠を組む際のマスキングテープを少しずらして三重に貼り、しっかり密着させるようにしています。また、あくまでSFとして見てもらえるように、リアルな怖さを感じさせないように、水の色の美しさや、海の中に生き物やビルの上の巨木を入れることで生命感を加えています。

――どういうところに「水没ジオラマ」の魅力を感じますか?
MASAKI切り取られた水の断面の美しさや、水中と水上を一度に眺められる面白さ、実際には水没した状態ではすぐに崩壊してしまうであろうビルが、しっかりと残っていることで何が起こったのだろうと妄想できるところが魅力です。廃墟好きの方や深海が好きな方など、見る方によっても違った魅力を感じていただけるのではないかと思います。

――一番の自信作は何ですか?
MASAKI一番の自信作と言われると難しいのですが、水没ジオラマではスチームパンク風の作品『Mysterious power』です。それ以外の作品だと、ホビージャパンの『全日本オラザク選手権』で入賞した『Nest of Vipers』です。

使命をまっとうした人工物と、自然が融合したジオラマを作り続けたい

――週末世界的な世界観でジオラマを制作している理由と魅力を教えてください。
MASAKIもともと、ビルの解体現場や放置された廃墟などが好きだったことがきっかけなんですが、こういうジャンルのジオラマを作っている方があまりいなかったので、もっと広まったら面白いなという気持ちで制作しています。「かつて繁栄した街や文明が滅んだ後でも、別の生命は力強く生きている…」といった感じの世界観が魅力です。

――ジオラマ関連の受賞歴を教えてください。
MASAKI模型店や模型サークルの展示会のコンテストでは、何度か優勝したり入賞したりしていましたが、大きなところでは『ホビージャパン』の『全日本オラザク選手権』のサンダーボルト部門で金賞をいただきました。他には、「あまやどり」という作品で浜松ジオラマグランプリの既成キット部門でもグランプリをいただきました。

――今まで制作してきた中で、一番難しかった作品は何ですか?
MASAKI『全日本オラザク選手権』で受賞した『Nest of Vipers』です。ビッグガンを固定しているビルの残骸ですが、この大きさのビルが既製品では売ってなかったので、プラ板とプラ棒などからすべて手作りしました。金具で固定するため、強度も確保しなければならなかったので大変でした。大きさも最大級で、45×45センチ、高さが60センチあります。

――今後、制作してみたいジオラマはありますか? 
MASAKI現在制作中の工業地帯の廃墟のジオラマもそのひとつですが、沈没船や墜落した飛行機など使命をまっとうした人工物と、自然が融合したようなジオラマは作り続けたいです。

――ジオラマ制作者として、こだわりやポリシーはありますか?
MASAKI見る方に楽しんでいただける作品を作ること。自分がやったことのない表現や技法を取り入れて、常に新しい挑戦をすることです。

――今後の目標を教えてください。
MASAKIたくさんの人に作品を見ていただけるように、独自の作品を作り溜めて個展などを開けたらいいなと思っています。

◆MASAKIさんTwitter @MasakiSe(外部サイト)

水没ジオラマ作品集

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