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ハリウッドにも進出、サンライズ宮河社長が語る“ガンダム40年”ファン層の変化

ファースト世代vs新世代、“友和”のきっかけは「実物大ガンダム」&『UC』

  • 11月公開予定の新作『機動戦士 ガンダムNT』

    11月公開予定の新作『機動戦士 ガンダムNT』(C)創通・サンライズ

ーー振り返ると、古参のガンダムファンと新しいファンってお互いを認めないという風潮がありました。
宮河社長その論争が一番ピークだったのが『SEED』でした。でも、僕はそれがガンダムの良いところだと思っています。「俺のガンダム」っていう想いをみんなが持っている。10年くらい前まではあったものの、今はお互いに仲間として認め合っていると思います。長年続いてきて“親子2世代”になってきて、雪解けというか、“世代間の友和”のきっかけになったのが、お台場のガンダム立像であり、『ガンダムUC』だと思うんです。

 『ガンダムUC』の面白いのは『SEED』や『00』とか新世代ガンダムファンも見てくれたけど、宇宙世紀シリーズの流れで”ファーストガンダム”のファンも見てくれた。新旧世代が認め合った一番最初の作品となりました。2009年にお披露目した潮風公園での実物大ガンダム立像は50日間で約415万人来場しました。多分300万人くらいはガンダムを詳しく知らない人。あれで一気に一般層に認知されて、ファン層が変わったと思います。親子で見に来たお父さんが子どもに「ガンダムは”ファースト”しか認めない」なんて言わないですよね(笑)。あれを見た瞬間にみんな“ファースト”も『SEED』も関係ないなって思ったんじゃないでしょうか。

ーー“ファースト”と呼ばれる『機動戦士ガンダム』があって、21世紀の”ファースト”の『SEED』があって、そして次はその両世代をまとめる新作『ガンダムNT(ナラティブ)』を展開されるわけですね。
宮河社長そう。『ガンダムUC』の続編ですが、全く違うテイストでやります。『SEED』が“21世紀のファーストガンダム”だったように、『NT(ナラティブ)』は新世代のスタンダードにしていきたい。

“動く”ガンダム立像を制作中、ハリウッドのほか今後は北米で展開予定

『レディ・プレイヤー1』にガンダムが登場 (C)2018WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED

『レディ・プレイヤー1』にガンダムが登場 (C)2018WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED

ーースティーブン・スピルバーグ監督の映画・『レディ・プレイヤー1』でガンダムが登場したほか、「ガンダムハリウッド化」の情報もあります。海外の反応はどうでしょうか。
宮河社長海外はアジアで大成功していまして、ようやく今年から北米、ヨーロッパを攻めていくことにしました。たまたま偶然、第1弾が『レディ・プレイヤー1』。北米のバイヤーによると、この映画のおかげでガンプラの販売が好調と聞いています。『パシフィックリム アップライジング』にもユニコーンガンダムの立像が出ていました。そういうのも含めて、今年以降から欧米に向けて本格的に展開をし始める。ほかにもいろいろ仕掛けが出てくると思います。

ーーほかに、40周年の展開がありますでしょうか。
宮河社長いつになるか分からないけれど、動くガンダムを作っています。実物大ガンダム立像は、立っているだけで400万人強が来場、首が動いただけで「うおーっ!」となったでしょう。動いたら大変なことになりますよ(笑)。もう少ししたら、もっと具体的になると思いますからお楽しみに。

――最後に、サンライズにとって、ガンダムコンテンツはどういうものでしょうか。
宮河社長昭和の時代は漫画のアニメ化が主流だった中で、40年前の『ガンダム』以前からオリジナルアニメを作り続けてきたのがサンライズのDNAです。僕は、アニメ制作会社でなく“IP(知的財産)を作る会社”だというのを言い続けている。『ガンダム』は、オリジナルで成功して権利を守っていくんだっていう、オリジナルコンテンツビジネスの”ルールブック”だと思います。それに則って、『コードギアス』『タイガー&バニー』『ラブライブ!』などが生まれてきました。『ガンダム』は大事なコンテンツですが、いつ『ガンダム』を抜くものが生まれるのか、楽しみでもあります。

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