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YOSHIKI「少しでも音楽業界に刺激を与えられたら」、エンターテイメントと向き合う決意を語る

 映画『YOSHIKI:UNDER THE SKY』で初監督を務めたYOSHIKIにインタビュー。映画の見どころ、自身がプロデュースしたボーイズバンド“XY”のパフォーマンス、X JAPANとして8年ぶりとなる新曲「Angel」についてなど、研ぎ澄まされた”メロディへのこだわり”を語ってくれた。

「XYの才能を最大限に発揮できるのは、バラバラの個性だけど、目標が一緒という部分をいかに表現できるか」

YOSHIKI

YOSHIKI

ーーYOSHIKIさん初監督の映画『YOSHIKI:UNDER THE SKY』がついに劇場公開となり、本作の動向も気になるところですが、XYの「Crazy Love」が6月30日に全世界配信デビューを果たし、7月7日にはMVが公開されました。ライヴで同曲を何度か聴く機会がありましたが、完成バージョンは細部までこだわり抜いた仕上がりで、本当にビックリしました。

YOSHIKIありがとうございます。こだわりすぎましたね。これ以上やってしまうと、いろんな関係値が壊れてしまうくらいだったから(笑)。ロサンゼルスからリモートで指示を出し、ニューヨークで最終ミックスしてもらったんですよ。

ーーXYの特徴である「ダンスボーカル」と「バンド」の融合という部分をさらにサウンド面でも突き詰めた仕上がりで。

YOSHIKIそれは意識しましたね。世の中には素晴らしいアーティストがたくさんいるので、僕はXYで何ができるかなと。オーディションを1年間やり、素晴らしい才能に出会ったことも大きいですね。今回メンバーが揃ってから、曲を書いたんですけど、それから完成までは本当に手探りでした。彼らにはこんな才能があるんだ!というものをその都度取り入れてましたから。新しいけれど、懐かしいというか、エッジが効いているけど、聴きやすいものを狙いました。それはある程度表現できたと思います。

ーー一つでも崩れたら成り立たない、ギリギリのラインを攻めたバランス感だなと。

YOSHIKIはははは、そうですね。そのギリギリのラインが難しかったです。

XY

XY

ーーその均衡が美しく保たれていて、それがXYの凄さだと思います。そして、MVがまた凄い内容になってますね。SNSでは「ミュージカルを観ているよう」という書き込みもありました。映像に関してはYOSHIKIさんの方でも何かアドバイスを?

YOSHIKI一人ずつ、かなり細かく、一コマ一コマについても「こういうのもありじゃないですか?」って、ほぼ毎日ミーティングしてましたね。サウンドにもこだわりましたけど、それは映像も同じです。

ーー特に映像でこだわった部分というと?

YOSHIKI13人という人数は普通の感覚からすると、多いとよく言われるんですよ。でもそれが多いか少ないかは未来が決めることですからね。X JAPANでデビューしたときも、芸術を作る上で決まりごとはないと思っていたし。13人がバラバラにもかかわらず、まとまりがあって、それと同時にファッショナブルであることにもこだわりました。

ーーSNSでは「わかりやすく個性が違うから面白い」というコメントもありました。それを読んで、YOSHIKIさんの狙いはちゃんと伝わっているんだなと。

YOSHIKIそうですね。良くも悪くもジャンルの壁の中にいる方が心地いいんですよ。でもジャンルの壁を取っ払ったら、不安要素はたくさんあるけど…そこに向かう覚悟は昔からできてましたからね。芸術は賛否両論を呼んでもいいし、時には叩かれることも含めて、ギリギリのところにいるべきじゃないかと。それぞれの個性はバラバラでも見たい夢が一緒であれば、ある種バラバラであることをグループのカラーにできるんじゃないかと。XYの才能を最大限に発揮できるのは、バラバラの個性だけど、目標が一緒という部分をいかに表現できるかかと。

8年ぶりの新曲「Angel」をYOSHIKIバージョンで披露、「曲を作る中で前を向けた」

YOSHIKI

YOSHIKI

ーー全世界デビュー後、初パフォーマンスが「THE MUSIC DAY 2023」でした。YOSHIKIさんも参加されていましたが、あのステージを振り返ってどんな印象をお持ちですか?

YOSHIKI僕が出るのは急に決まったんです。もともと日本にいる予定ではなかったけど、XYをゴールデンタイムに出してもらうことになり、「YOSHIKIさんの力が必要です!」と言われたので、それなら急遽日本に帰りますと。

ーー今回はピアノだけではなく、YOSHIKIさんはDJもやってましたよね? 

YOSHIKIプライベート・パーティーではDJもやるんですよ。ただ、人前で披露することはなかったですね(笑)あと、僕は腱鞘炎なので、ピアノやドラムを叩くよりも、ノブを捻る方が辛かったんですけどね(笑)。

ーーXYとして初パフォーマンスは今年3月に行われた「第36回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2023 SPRING/SUMMER」のステージでした。私も現場で観ていましたが、あれから5カ月が経ち、彼らの成長ぶりやパフォーマンスについてYOSHIKIさんはどう感じていますか?

YOSHIKI僕と一緒にやるということは修羅場を潜ることになるから(笑)。ステージ直前までいろんなことを考えるし、直前に変えちゃうんですよ。お客さんが会場に入った瞬間もいろいろと考えてしまうんですよ。それに彼らは対応してくれるので、すごい根性を持っているし、与えた課題もクリアしてくれてますからね。パリで開催された「Japan Expo」にも一部のメンバーで出演しましたけど、機材トラブルもあり、リハもほぼできなかったんですよ。その中であれだけのことができたので、よくやってくれたなと。

ーー話は前後しますが、「THE MUSIC DAY 2023」ではX JAPANとして8年ぶりになる新曲「Angel」をYOSHIKIバージョンで披露しました。地上波で初になる歌声も聴かせてくれましたが、あのステージを自身で振り返って、どんな感想をお持ちでしょうか?

YOSHIKI僕の周りには素晴らしいボーカリストがたくさんいて、Toshl、HYDE、サラ・ブライトマンもそうですね。デモ段階では自分で歌うこともあるけど、あまり人前で歌う必要はないんだろうなと思っていたんですよ。でも番組の趣旨が自分の人生を変えた楽曲みたいなことだったから、これもありなのかなと。もともとXYのサポートで日本に帰ってきたけど、「YOSHIKIさんとしてパフォーマンスもしてもらえませんか?」と言われて。あれもバタバタの中で決まったことですからね。

ーー「Angel」はYOSHIKIさんの歌声はもちろん、圧倒的なメロディの良さが伝わってきて、本当に感動しました。

YOSHIKI自分の強みというか、メロディには命をかけてますからね。誰かに歌ってもらうときも、ヴォーカルのディレクションをやらせてもらっているので、それを自分でやっているようなものでしたね。

ーーSNSで「寝たきりの祖父がYOSHIKIさんが歌う映像を見て、泣いて感動した」という書き込みもあり…。

YOSHIKIえっ、そうなんですか!? 恐縮です。7月は半分くらい空の上にいて、自分とは何だろう?と考えることが増えて。自分が存在することで誰かが救われたらいいし、誰かが悲しんでしまうなら、自分はいなくなってもいいから。やはり母が死んだことが大インパクトで、ここまで悲しくなるとは思ってなかったくらい…涙が止まらなくて。それで曲を作る中で前を向けたんですよ。話は飛びますけど、音楽やメロディを作る過程ではいろんな刺激が必要で…ファッションやワインだったり、すべてが相互作用して繋がってますからね。それで最終的にいかにメロディに命を吹き込めるかだから…今の言葉を言ってもらえたのは嬉しいですね。

ーー最後になりますが、今年はどんな動きになりそうですか?

YOSHIKIこれから発表が目白押しであるんですよ。今年の目標は今発表しているすべてのことを実行することですね。今、エンターテイメントは過渡期にあり、AIによって良くも悪くもズタズタにされると思うんです。その中で僕は作曲家として、アーティストとして、ステージに立つ人間としてどう向き合えばいいのかなと。この立場になると、どこまでが自分の人生で、どこまでがみんなとの人生なのか、わからなくなるんです。でも少しでも音楽業界に刺激を与えられたらいいなと。10月にはクラシカル・ワールド・ツアーもありますからね。頑張ります!

 なおハリウッドで制作されYOSHIKI自身が初めて監督を務めるドキュメンタリー映画『YOSHIKI:UNDER THE SKY』が、日本で劇場公開されている。また、ニューヨーク、ロンドンを経て、ロサンゼルスでもプレミア上映が開催される。今後の動向にますます注目だ。
XY / Crazy Love 全世界配信中
https://xytokyo.lnk.to/CrazyLove(外部サイト)

XY Official Web Site
https://x-y.tokyo/(外部サイト)

映画 『YOSHIKI:UNDER THE SKY』

【監 督】YOSHIKI
【キャスト】YOSHIKI
ザ・チェインスモーカーズ セイント・ヴィンセント サラ・ブライトマン?スコーピオンズ HYDE SUGIZO SixTONES ジェーン・チャン リンジー・スターリング ニコール・シャージンガー
【配給】東宝
【映画公式サイト】 (日本)https://yoshikiunderthesky.com/(外部サイト)
【映画公式サイト】(海外)https://yoshikiundertheskyfilm.com/(外部サイト)
【公式SNS】
X(Twitter)@yoshiki_uts(外部サイト)
Instagram @yoshiki_uts(外部サイト)

映画『YOSHIKI:UNDER THE SKY』予告【2023年9月8日(金)より全国公開】
https://youtu.be/fHEX08P0qDw(外部サイト)
(C) 2023 A LIST MEDIA ENTERTAINMENT, INC.

TCLチャイニーズ・シアター(アメリカ・ロサンゼルス)祝典

YOSHIKI が、現地時間9 月14 日(木)にハリウッドを象徴するTCL チャイニーズ・シアター(アメリカ・ロサンゼルス)の祝典にて自身の手形・足形を刻むことがわかった。
1927 年に同劇場がこのハリウッドの伝統的な祝典を始めて以来約100 年、日本人アーティストが選出されるのは初めての出来事となる。当日は、このイベントの為に、ハリウッドのメイン通りであるハリウッド・ブルバードが交通規制され、セレモニーの様子が一般客も観覧可能となる。

2023年9 月14 日 木
10:30am〜 11:30am セレモニー
場所:TCL チャイニーズ・シアター
6925 Hollywood Blvd., Hollywood, CA

『YOSHIKI CLASSICAL 10TH ANNIVERSARY - World Tour with Orchestra 2023 'REQUIEM'(レクイエム)』

 2023年10月に『YOSHIKI CLASSICAL 10TH ANNIVERSARY - World Tour with Orchestra 2023 'REQUIEM'(レクイエム)』を開催。ロンドン・ロイヤルアルバートホール、ロサンゼルス・ドルビーシアター、ニューヨーク・カーネギーホールという、英米伝説の3会場制覇は日本人としてYOSHIKIが初となる。

『YOSHIKI CLASSICAL 10th Anniversary World Tour with Orchestra 2023 ‘REQUIEM’(レクイエム)』概要

日本公演チケット 一般先着 発売中(国内&海外)
【受付URL】https://l-tike.com/yoshiki-classical/(外部サイト)

公演概要
https://jp.yoshiki.net/info/3708/(外部サイト)(日本語)
https://www.yoshiki.net/worldtour2023(外部サイト) (英語)

<日程>
東京ガーデンシアター(日本) 10月7日(土)、8日(日)、9日(月・祝)
ロンドン・ロイヤルアルバートホール(英国) 10月13日(金)
ロサンゼルス・ドルビーシアター(米国) 10月20日(金)
ニューヨーク・カーネギーホール(米国) 10月28日(土)

【公式SNS】
X(Twitter)@yoshiki_uts(外部サイト)
Instagram@yoshiki_uts(外部サイト)

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