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K-POPグループ・ONEUS、2年ぶりの日本活動再開に期待「コロナ禍で大切なものを探すことができた」

 2019年に日本デビューし、いきなりTOP5入りした韓国の男性6人組グループ・ONEUS(ワンアス)。デビューから勢いに乗るなかで訪れたコロナ禍。活動が制限されるなか、どのような想いでこの2年間を過ごしたのだろうか。先日、米国公演を終え、2年ぶりの日本公演を行った彼らが、コロナ禍の心境や世界的な人気を得ているK-POPシーンについて語った。

コロナ禍で活動が制限されたなかでも、大切なものを探すことができた

 多くのK-POPグループが日本で隆盛を誇っていた2010年代後半。そのクールかつキュートなダンスパフォーマンスやキャッチーな楽曲で若い世代を惹きつけ、頻繁に開催されたライブやリリースイベント、握手会などファンとの交流の場は常に盛況を呈していた。そんなK-POPシーンで華々しいデビューを飾ったONEUSは、2019年の韓国デビュー前となる2018年7月に日本でお披露目イベントを開催し、いきなり都内のホール会場を埋め尽くす人気ぶりを見せた。デビューシングル「Twilight」はオリコン週間シングルランキング4位、続く「808」は同3位と、一躍トップシーンに駆け上がった。

 デビューから勢いに乗り、まさにこれからというタイミングでコロナ禍となり、活動制限されることになった彼ら。メンバーのレイブンはそのときの言いようのない想いとやるせなさを思い起こしながら、「日常だった音楽活動が突然できなくなって呆然となるなか、日本のファンの皆から手紙やメッセージをたくさんいただきました」と振り返る。そして、「活動が制限されたなかでも、その時間でとても大切なものを探すことができました。ファンとメンバーの間にこれまで以上の愛情や温かみが生まれたと思います」とポジティブに前を向く。

 そんな彼らは、ようやくコロナの制限が解除され始めた4月末にいち早く来日。約2年ぶりとなる単独での日本ライブとリリースイベントを4〜5月に開催した。しかし、コロナにより2020年からは韓国国内の新曲リリースやテレビ出演、オンラインのイベントが主な活動となり、日本を含めた海外活動はストップしていたなか、久々に日本ファンの前に立つことには、さまざまな思いが駆け巡ったようだ。

「日本のファンに2年間会えなくて、皆を本当に恋しく思っていました。やっと会うことができて心からうれしいです。僕たちの2年分の成長を早く見てもらいたい。ずっと会いたい気持ちでいっぱいでした」(ファンウン)

「以前はよく来日していたのですが、コロナ禍で2年間の空白ができてしまいました。その時間は本当に長くて。その間の心の空白を埋めるような熱い気持ちのこもったライブにしたいと思っていました」(レイブン)

2年間の空白でファンは変わらずいるのか…不安ななか活動再開

 海外での活動がストップしただけではなく、韓国国内でもリアルイベントはほぼなくなった。ファンとの交流はオンラインのファンミーティングやサイン会が行われてはいたものの、やはりリアルイベントとはファンの熱気もそこで生まれる感情も異なる。

 2年ぶりの来日イベントには、再会への喜びとともに、流行り廃りの速い音楽シーンにおいてファンが再び会いに来てくれるのか、自分たちの音楽を聴いてくれるのか、という想いも大きかった。メンバーはそんな不安と期待が混在する心情を吐露する。

「正直なところ、やはり不安はありました。イベント会場に行ったら、以前からのファンがいなくて、知らない人たちばかりだったらどうしようと直前まで心配していました。でも実際にステージに立ったら、それは杞憂に終わりました」(ソホ)

「コロナ禍にも楽曲制作と新曲リリース、テレビ出演などの活動はしていましたが、映像を通してしかファンに会えなかったので、これからも僕たちのことを応援してもらうためにどう成長していけばいいのか。そして、成長する姿をどう見せることができるのか。すごく悩んだ時期もありました」(ファンウン)

「この2年間は、オンラインのサイン会でファンと『また必ず会おう』と誓い合っていました。その願いがやっといま叶って本当にうれしいです。今回のライブのセットリストに『恋しい』という曲があるんですけど、ファンのみんなのことをずっと恋しく思っていた気持ちを心から込めて歌いました。感極まって泣いている人も多くて。でも、その後は笑顔で喜んでくれて、とても感動的なライブになりました」(コンヒ)

 ここから改めて世界へ向けて始動するにあたり、ファンに会えない期間によって得たものも大きいようだ。それを糧に世界を舞台にしたさらなる飛躍を誓う。

「それまで当たり前だったファンに直接会えることのありがたみを痛感しました。ライブでファンからもらうエネルギーが僕らの力になっています。ライブができることは、これ以上ない幸せなことです」(コンヒ)

「僕たちの歌やダンスのパフォーマンスは、映像よりもリアルのほうが熱気も迫力も伝わって、体で感じてもらうことで楽しんでもらえるんです。これから海外の方たちに直接会えることに大きな意味を感じています」(ファンウン)

 世界進出に成功しているK-POP。人気を誇る偉大な先輩たちの後ろ姿を追うONEUSだが、勝ち負けにはこだわらず、自分たちを高めていくことを見据える。

「誰かを超えるとか勝つのではなく、過去の自分たちよりいまがどれだけ成長しているか、パフォーマンスがどれだけ高められているかが大事。それが自分たちにとっての良い成長になり、世界での成功につながるのではないでしょうか」(ファンウン)

長く厳しい下積み生活を経てのデビュー、人気の裏で熾烈な競争にさらされているK-POPシーン

 昨今、世界で活動するK-POPグループの活躍を目の当たりにし、日本では韓国デビューを目指す若い世代が増えている。日本人だけでなく、アジアのメンバーによる多国籍グループが増えている現状に、ONEUSメンバーは笑顔でうなずきながら、韓国でのデビューまでの厳しい過程について話してくれた。

「人によって違いますが、練習生として5〜6年の経験を積んで、グループになってからデビューまで2〜3年の下積みがあります。ONEUSも2年ほどデビュー前の練習期間がありました。その間はメンバーが一緒に暮らす共同生活になり、どれだけ全員のコミュニケーションを深められたか、練習に一生懸命打ち込むことができたかが重要になります。厳しい道ですが、夢をかなえるためには、諦めずにずっと挑戦を続けることが大事だと実感しています」(コンヒ)

「初めは一緒に生活するということに対して心配な部分もありますが、共同生活でお互いがお互いのことを考えて配慮して、信じあうことでメンバー同士の愛情が生まれていきます。一緒に生活する時間が絆を作ってくれました。それがグループとしてのエネルギーになります」(ファンウン)

 一方、華やかな人気の裏では、多くのグループがひしめきあい、熾烈な競争にさらされているK-POPシーン。そんななか、この4〜5月に千葉と大阪で開催された来日ライブ『2022 ONEUS JAPAN 3RD LIVE : BLOOD MOON』はソールドアウト。東京、大阪をはじめ主要都市で行われた韓国7thミニアルバム『TRICKSTER』発売記念イベントは、各地で開場前から行列ができる盛況ぶりを見せたONEUS。日本活動再開を心から喜ぶメンバーたちは、自らの人気の理由をこう分析する。

「K-POPは見せて聴かせる音楽であり、コンセプトが重要。ビジュアルも含めた総合芸術です。ONEUSはコンセプトとして多くの音楽的なことに挑戦してきました。それはメンバー個々の実力があって消化できているのではないでしょうか。自分たちにしかできないパフォーマンスをするために常に努力しています」(イド)

「今までにない新しいことに挑戦したのが『TRICKSTER』。ダンスと楽曲のほか、衣装やコンセプトにも注目してほしいです。そして全曲を聴いて、全体として感じてほしいです」(シオン)

(文/武井保之)
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