20周年を迎えた倉木麻衣、息の長い活動を支える人気の裏に4つのキーワード

 デビュー20周年を迎え、8月14日にニューアルバム『Let’s GOAL!〜薔薇色の人生〜』を発表したほか、本年はアジア3ヶ所のほか、国内ツアーを精力的にこなす倉木麻衣。あまり着目されるケースが少ないが、倉木というアーティストの特徴の1つが、一度も途切れることなく第一線で活動を続けている点だ。なぜそれが可能だったのか、倉木のチカラ、魅力を探るべく改めてアンケート調査を実施した。その結果からは4つのキーワードが浮かび上がってきた。

(1)途切れることのない第一線での“息の長い活躍”ぶり

 まず、倉木麻衣のこれまでのシングル42作の最高位をグラフにした(図1)。1999年に「Love, Day After Tomorrow」でデビューすると、最高2位を獲得、累積売上138.5万枚のミリオンセールスを記録した。翌2000年には「Stay by my side」「Secret of my heart」で、立て続けにヒットを送り出すと、それらを収録したアルバム『delicious way』は累積売上353.0万枚のトリプルミリオンのビッグヒットを記録。一気に音楽シーンにその存在を知らしめた。

 ただし、特筆すべきはその後にある。倉木は初期シングル3作だけに留まることなく、今日に至るまでコンスタントにシングル・アルバムを発表。CDシングルだけを見ても、デビューから、最新シングル「きみと恋のままで終われない いつも夢のままじゃいられない/薔薇色の人生」(2019年3月発売)まで、すべての作品をTOP10内に送り込んでいる。

 今回、全国の10〜60代男女に対してインターネット調査を実施し、倉木の認知度やイメージ等を調査したところ、現在の倉木の認知度は、男性で97.4%、女性98.9%(図2)。このように、10代から60代で知らない人がいないほどの国民的アーティストへと成長した要因には、上記したような息の長いアーティスト活動がある。

 さらに、倉木への好意度を調べてみると、男性では20代から50代以上で、3割以上が好意を示す一方で、女性層では20代から30代で高い傾向も(図3)。性別・世代を問わず、幅広い層から支持を得ていることもわかった。性別や世代を超えて愛される存在であることも、倉木の大きな特徴の1つであろう。

(2)「名探偵コナン」とのコラボレーション

 また、第一線での活躍を支えているもういつの要因に、「名探偵コナン」との“幸せな関係”がある。

 倉木と「名探偵コナン」のかかわりは、2000年に発売された2ndシングル「Secret of my heart」までさかのぼる。同楽曲がテレビアニメのエンディングテーマに起用されると、その後は、劇場版『名探偵コナン 迷宮の十字路(クロスロード)』の主題歌「Time after time 〜花舞う街で〜」(2003年)など、数々の劇場版アニメの主題歌を担当。2019年春には2週連続で放送された1時間スペシャルアニメ「紅の修学旅行(鮮紅編・恋紅編)」の主題歌&オープニングテーマ「きみと恋のままで終われない いつも夢のままじゃいられない」「薔薇色の人生」も担当するなど、約20年にわたり倉木とコナンのコラボレーションが続いている。

 さらに今回、好きな倉木の楽曲を聴いたところ、デビュー最初期の「Love, Day After Tomorrow」「Stay by my side」「Secret of my heart」の3曲のほか、「渡月橋 〜君 想ふ〜」(2017年4月発売)、「Time after time 〜花舞う街で〜」(2003年3月発売)が上位5作品のなかにランクインした(表1)。これらの楽曲はどちらも劇場版「名探偵コナン」シリーズの主題歌だ。
 好きな理由を尋ねると、「『劇場版 名探偵コナン から紅の恋歌』の世界観にとても合っている」(10代女性)、「コナンの映画を観に行き、この曲が流れた瞬間好きになった」(20代男性)[※ともに「渡月橋 〜君 想ふ〜」]や、「映画館で名探偵コナンの映画を見ていた時にこの曲が流れた時、衝撃を受けるくらい良かった」(30代男性)、「雅な感じの曲調が大好きなのと、主題歌だった名探偵コナンの内容に合っていてとても素敵」(40代女性)[※ともに「Time after time 〜花舞う街で〜」]といったように、同アニメと楽曲の世界観の親和性の高さが、アニメ、楽曲ともにファンの熱量を倍増させていることがわかる。

 こうした「名探偵コナン」と倉木の長きにわたるコラボレーションは、2017年には、「同じアーティストにより歌われたアニメシリーズのテーマソング最多数」として、ギネス世界記録にも認定された。単なるコラボレーションではない、ファンにとっても、アニメ作品にとっても“幸せな関係”が、倉木の20年にわたる息の長い活躍を支え、「名探偵コナン」の変わらぬ人気ぶりを後押ししているとも言える。

提供元: コンフィデンス

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索