菅田将暉、あいみょんたちとの出会いから広げた表現の幅 2ndアルバムは「人との出会いを楽しんで作った」

 7月10日、菅田将暉は2ndアルバム『LOVE』をリリース。前作『PLAY』から1年3ヶ月。その間にも俳優として、音楽アーティストとして確かな軌跡を残してきた菅田が、「人との出会いを楽しんで作った」というニューアルバムとは?

本当に楽しかった ニューアルバムの制作過程

菅田将暉(アルバム制作は)すごい楽しかったですね。出会いと過程。頭の中に浮かんだり、想像していたものがどんどん形になっていく。本当に楽しかった。

 インタビューが始まるなり、開口一番そういうと、精悍な顔つきから笑みがこぼれた。その様子だけで、充実した制作過程を経て、ニューアルバムが完成したことをうかがわせる。

菅田菅田将暉という人間は、本当に人との出会いを楽しんでいるだけなので。クリエイターとしては、全部ひとりでやったほうがかっこいいと思うんですけど、僕はそれが向いてなくて。(アルバム制作してみて)これがやりたいことなんだなって思いました。

 と自身が語る通り、本作には豪華ア―ティストが楽曲提供・プロデュースとして参加している。なかでも、アルバムの核になったというのが、2曲目に収録された「クローバー」という楽曲。2018年にリリースした「さよならエレジー」を提供し、菅田自身も「なんでこんなにうまが合うのかわからない」と話す盟友・石崎ひゅーいが手がけたものだ。
菅田タイミングで言うと「さよならエレジー」の頃からある曲なんです。音楽活動の初期のころからあるいわばスタートに近い曲。(石崎)ひゅーい君が「こんなのどうかな?」って書いてきてくれて、めちゃめちゃ良くて、感動して。ただ、タイミング的にはすぐのリリースは見送って出しどころをうかがっていたというか。今回満を持して収録したこの曲がアルバムの核になっていきました。

 石崎を含め、今作に参加したクリエーターには、菅田自ら直接オファーしたという。
菅田メールやLINEで、僕からお声掛けさせていただきました。今回ご一緒させていただいた方々は、曲などで、僕がどこか救われた経験があるというか、共感した英雄の人たち。その人たちに出会えたことがよかった。

 発言の1つひとつから、敬愛するアーティストへの尊敬が垣間見られる。なかでも菅田が、「会いたい」と切望したのが、シンガー・ソングライター、あいみょんだった。

石崎ひゅーいを巡ったケンカで仲良くなったあいみょん

菅田年に1人か2人、「この人に会いたい」って思うことがあるんです。僕の場合、「会ってみたい」と「一緒に何かを作ってみたい」は同義なんですね。あいみょんは、会う前から直感的に「この人と何か作りたいな」って勝手に思っていました。
 今の時代で表現をやる人の心構えとして、非常に誠実で、クレバーだし、自己プロデュースがうまいなと。自己プロデュースができるって、本当に視野の広さなので。それを感覚的にも現実にも知っていて。時代にも合っているし、同性だけじゃなく、異性も巻き込める力があるスター。あとは、意志を感じたんですよね。
 僕は、ちゃんと意志を持って作品を作っていかなくてはと思っているんですけど、なかなかこれに共鳴してくれる人っていなくて。今の時代、求められていないことはないんだけど、求められることが少なくて。これだけ情報がすぐに出る世の中だから、みんな表に出ることは怖がるし、表に出るなかで隠すし。でもちゃんと言わなきゃいけないことは言わなきゃいけないし。いろんなものが急速に変わっていく時代のなかで、「これは残そうよ」ってものを残そうとしてる人という意味で、同志に思えたんですよね。

 年下ながらも同年代の同志として感じるものがあったあいみょんと、実際に会ってみると、「『やっぱりそうだ』って思えました。面白いことできそうだなって」と、すぐに打ち解けたという。

菅田とりあえず、会ってしゃべってみようということになって。ギターとお酒を片手に、公園で会ったんです。ひゅーい君と3人で。(あい)みょんと俺は、石崎ひゅーいファンなんで、どっちの方が石崎ひゅーいを愛しているか語り、「どっちが好きか」でケンカし、いろんな話をして、気付いたらこんな(アルバムで一緒に作品を作る)ことになってました。

 アルバムで歌う「キスだけで feat. あいみょん」は、あいみょんとのデュオ。男性の菅田が女性目線で描かれた歌詞をしっとりと歌い上げる、今までにない楽曲だ。

菅田女性が歌う「男の歌」ってすごく好きなんです。その歌っている人自身もキュートに見えるし、女性らしさも出るし、男の男らしいところも女々しいところも見えるし。という話をしたら、みょんから、それは逆もしかりでという話をされて、「私」という女性目線を歌わせたいと言われたんですよね。エピソード自体は完全に自分の実体験、想像とか願いが多いんですけど(笑)、そんなことをしゃべり、みょんがその場で書いてという流れでした。
 音楽活動しているなかで、周りから、「女性も共感できる曲を歌って」と言われることが多くて、そういうことに対しても、ちゃんと自分がエンタテインメントできれば(表現の幅が)広がるんじゃないかとも感じています。

初めて人のために歌った 「まちがいさがし」

 自分自身の実体験をもとに、あいみょんと作り上げた曲もあれば、菅田自身が、「初めて人のために歌った」という曲も収録された。米津玄師が作詞・作曲を手がけ、松坂桃李主演のドラマ『パーフェクトワールド』(カンテレ・CX系)の主題歌「まちがいさがし」だ。

菅田(松坂)桃李君は同じ事務所で、同じマネージャーで、(キャリアの)スタートからほぼ一緒で、仲もいい。その人の主演ドラマの歌を歌うのって大変だぞと。身内で盛り上がっているような感じを出してはいけないと思いました。個人的な初の試みとしては、ちゃんと人のために歌いました。今までの曲は、自分自身のため、誰かのために歌うとか気にしていなかった。それだけ余裕がなかったんですね。音楽業というのは、「僕が楽しければいい」で始めたので、無理をする必要もないし、外受けを狙いに行く段階でやめようと思っていました。ただ、月日が経ってだんだん変わってきて、もちろん楽しむということは大前提としてあるんですけど、「まちがいさがし」という曲に関しては、自分に課してしっかりとやろうと思いました。

 1年3ヶ月ぶりのアルバムをまとめ上げ、シンガーとしての自身の成長については、「歌うということに、少しは慣れたかなと思います。ただやはり緊張しますし、どこかで、『いいのかな』って気持ちもあるし、とはいえ楽しいし。経験を積んで、知識が増えてきたという意味では成長と言えるかな」と冷静に分析。
 一方で、「理想を言えば、全曲自分自身が作って歌ってというのが在りたい姿だと思います。そんなことまだできない。とはいえ、歌いたいこともあったので、コードにメロディーを載せて、メロディーに歌詞を載せるということを少しずつやりました」と、一歩ずつ階段を昇っている。

 さまざまなクリエーターとのコラボによって、アーティストとして、さらなる高みへ歩みを進めた菅田は、取材の最後にこんなコメントを残した。

菅田『LOVE』というタイトルで、「せっかくなので人と交わりましょう」というのがテーマ。僕が楽しいと思っているもの、面白いと思っているもの・人がこれですという作品に仕上がりました。結構いいんじゃないかなと思います。本当に楽しく制作できたので、みなさんに早く聴いていただきたいです。

リリース情報

アルバム『LOVE』
7.10発売

作品情報

提供元: コンフィデンス

最新号コンフィデンス2019年10月14日号

【最新号】コンフィデンス 2019年10月14日号

<COVER STORY>
ヴィヴィアン・ルイット氏
(YouTube アーティストリレーションズ グローバル責任者)
ストリーミング時代、音楽は世界各地の視聴環境で
常に開放されていることが必要不可欠

<SPECIAL ISSUE>
スタジアム・アリーナ計画のキートリガーと危機管理の今
「ORICON LIVE STUDY with ACPC」Vol.28

詳細

バックナンバー

お問い合わせ

あわせて読みたい