LDHの異端児・EXILE SHOKICHIが描く未来図「LDHを代表するプロデューサーを目指す」

 EXILEやEXILE THE SECONDのメンバーとして活躍するEXILE SHOKICHIが、ソロアルバム『1114』を発売した。2014年6月にEXILEから3人目となるソロデビューを果たし、作詞、作曲を自ら手がけている。その一方で、自身のレーベル「KOMA DOGG」を立ち上げ、楽曲制作だけでなく、プロデュースも行い、所属事務所のLDHでも独自の活動を行っている。音楽シーンの外部環境も変わるなか、アーティストに求められることや、プロデューサーとしての未来について語った。

音楽と向き合い成長できた日々=1114日

――SHOKICHIさんが全曲の作詞・作曲を手がけた最新アルバム『1114』。このタイトルに込められた意味は?
EXILE SHOKICHI 1つ前のアルバム『THE FUTURE』から本作を発売するまでの日数です。この3年間は主にグループ活動に専念して、ソロは少しお休みしていましたが、その期間に(EXILE、EXILE THE SECONDとして)3枚のアルバムを発売、ツアーも3回やることができた。さらに、EXILE THE SECONDではほとんどの楽曲をプロデュースするという経験もでき、音楽と向き合い成長できる日々を送ることができました。最近は、タイトルから目を引く楽曲作りにこだわっていたこともあり、その有意義だった“1114日”という時間そのものをタイトルに付けました。

――収録曲もタイトルから気になる作品が多いです。
EXILE SHOKICHI 配信シングルでもリリースした「君に会うために僕は生まれてきたんだ」、「サイケデリックロマンス feat.SALU」なんかは結構そうですよね。ソロで作品をリリースするときは、グループの楽曲よりさらに1つひとつの曲に仕掛けを作るじゃないですけど、見た瞬間に“どんな曲なんだろう?”って興味が湧くような工夫も必要だなと感じています。

――それぞれの楽曲は、どのように作っていきましたか?
EXILE SHOKICHI まず頭のなかに“こういう感じで作りたい”というフォルムを1曲1曲作ります。その上で、“それならこれは○○さんが合いそう”といったプランを練って、いろいろなクリエイターやアーティストにオファーさせていただきました。今までもいろいろな方とコラボレーションしてきましたが、そのなかで培ったコミュケーションスキルや自分が思い描くイメージを“具現化”する力が、今回すごく生かされたんじゃないかなって思っています。それによって“こういう実験もアリだな”という遊び心のある寄り道ができ、以前より満足のいく曲が作れるようになった気がしています。

泥臭くても一歩一歩ステップを上っていく姿に何かを感じてもらえたら

――例えば、どの曲がそうでしょうか?
EXILE SHOKICHI 「Ooo!」は、世界で大活躍しているプロデューサーチーム・ステレオタイプスと作ったのですが、もともとはEXILEの曲を1曲作るために集まりました。ただ、その曲の制作が少し早く終わったので、「余った1時間でもう1曲作れるのでは?」と制作しました。僕もアドリブでメロディーを乗せていき、本当に遊びながら曲ができていきました。瞬発力やこれまで蓄えたスキルがこの曲で発揮できました。

――SHOKICHIさんがプロデュースを手がけるレーベル「KOMA DOGG」の所属アーティストでもあるSALUさんと楽曲「サイケデリックロマンスfeat.SALU」はどんな仕上がりですか?
EXILE SHOKICHI SALUくんとは、昨年の夏に「Good Vibes Only feat.JP THE WAVY,EXILE SHOKICHI」という曲を一緒に作って盛り上がることができて。今回はそのパート2ではないのですが、ハッピーなサマーチューンをイメージして制作していきました。“恋や愛を見つけた時の景色ってカラフルに変わるよね”ということを歌ったラブソングです。たくさんの方に聴いてほしいですね。

――他にもSHOKICHIさんがリコメンドしたい楽曲はありますか?
EXILE SHOKICHI 1曲目「1114 Miracles」と2曲目「マボロシ」は、ひとつのストーリーのように繋がっています。これまでの軌跡や今の心境をリアルに落とし込んでいるので、昔から応援してくれてる人は“なるほど”と思ったり、ちょっと感動してくれるんじゃないかな。初めましての人も“SHOKICHIってこんなパーソナリティなんだ”って僕のことをよく知れる楽曲なので、冒頭2曲はぜひ聴いてもらいたいです。“SHOKICHIが頑張っているから私も頑張れる”というふうに、たとえ泥臭くても一歩一歩ステップを上っていく姿に何かを感じてもらえたらうれしいしです。6月から始まる初のアリーナツアーでも、その2曲の内容が核になってくる気がしています。

激変する音楽業界でアーティストにも、中身の濃いものが求められる時代

――ところでSHOKICHIさんは、自身のレーベル「KOMA DOGG」を立ち上げ、プロデュースするなど、LDHでも独自の活動をされている印象があります。そこにはどんな想いがあるのでしょうか?
EXILE SHOKICHI まず、音楽でLDHに貢献したいという気持ちがひとつ。それと自分のキャリアとしても、さまざまなアーティストとのコラボレーションを楽しんだり、楽曲をプロデュースする仕事に挑戦していきたいと思っています。実際に今、そういう活動も増えてきているので、将来的にはLDHを引っ張っていけるような、LDHを代表するプロデューサーになれたらいいなと思っています。EXILE、EXILE THE SECOND、ソロワーク、そしてプロデュース業、バラバラのことをやっているようで全部がひと繋ぎなんです。歌って踊って楽器をやって、プロデュースもして……という音楽表現が、EXILE SHOKICHIのアーティスト活動なのかなと自分では思っています。

――「KOMA DOGG」の未来図はどう描いていますか?
EXILE SHOKICHI ただ増やせばいいってわけじゃないですが、まずはレーベルの所属アーティストを増やして、もっと大きなものにしたいです。そしてゆくゆくは、“KOMA DOGG”という1つのジャンルとして育てていけたらいいですね。

――クリエイティブを追求し、アーティストの制作環境を整える役割も担う「KOMA DOGG」。昨今は、配信やサブスクリプションサービスの拡大など音楽シーンの外部環境も変わり、より一層アーティスト自身の発信する力が必要な時代になっていると思うのですが、そのへんはいかがでしょうか?
EXILE SHOKICHI これだけ音楽の聴き方や受け取り方が多様化するなか、アーティスト側としては、すごく中身の濃いものを求められる時代になっていると思います。日々たくさんの楽曲が発信されて、しかも無料で聴けたりもする。昔のように、気に入った1枚のCDをずっと聴き続けるという時代ではもうない。だから、選ばれるための魅力ある楽曲や制作スキルが必須という、本当にシビアな状況になっているなという実感はあります。でも時代はそうやって変わっていくものだし、変化をちゃんと受け入れて、順応していくことも大切。こういう時代だからこそ1曲入魂スタイルでしっかり音楽と向き合い、リスナーの心をちゃんと捉えられるようなオリジナルの音楽を作っていきたいと考えています。

――LDHのアーティストやスタッフ間でも、そういう話をしていたりしますか?
EXILE SHOKICHI そうですね。音楽の在り方というものは、みんな常に気にしていると思います。それぞれのチームがスクラムを組んでいろいろ考えながら、戦略を練って、何年か先まで見据えて……。いろんな時代の流れを受け入れつつ、そして新たな時代も作っていけるようなエンターテインメントを皆さんにお届けするべく、これからも頑張っていきたいです。

(文/川倉由起子 写真/小境勝巳)
EXILE SHOKICHI オフィシャルサイト(外部サイト)

提供元: コンフィデンス

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