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(更新: ORICON NEWS

「鮭たちはどう生きるか」も話題、魚食文化の最後の砦「KIRIMIちゃん.」10年目の野望

 日本の魚の消費量は、年々過去最低を更新中。家庭や給食のメニューに上ることも減っているという。そんな日本の魚食文化を守るために奮闘してきたのが、シャケの切り身のキャラクター・KIRIIMIちゃん.だ。大きな切り身に小さな胴体が付いた斬新すぎるデザインや、X(旧Twitter)のつぶやきがクローズアップされがちなKIRIMIちゃん.だが、10周年を迎えて改めて感じることとは? “魚食文化の最後の砦”としての使命感を聞いた。

「サンリオどうした?」、シャケの切り身キャラで物議を呼ぶ

 2013年にサンリオで開催された『食べキャラ総選挙』で見事1位に輝き、デビューを果たしたKIRIMIちゃん.。担当デザイナーの瀬谷愛さんは、子どもが好きだった鮭から、デザインを発想したという。

 「食べキャラ総選挙は、食べ物モチーフならなんでもエントリーOK。おそらく他はスイーツ系のキャラクターが多いんじゃないかなと、あえてサンリオらしくないキャラにしたいな、と思って鮭の切り身にしました。デザイン含めてみなさんには意外だったようで、『どうしちゃったのサンリオ!?』と注目していただけたようです」(瀬谷さん/以下同)

 ちなみにKIRIMIちゃん.とはキャラクター群の総称で、主人公はシャケの「きりみちゃん」。そのほかにもタイくんやブリくん、さばくんといった魚の切り身の仲間たちがいる。

 「KIRIIMIちゃん.の『.』はイクラをイメージして付けました。ただ、ほかのキャラクターたちもみんな、『切り身にされた瞬間、美味しく食べてもらいたい』という気持ちは同じ。仲間には肉の切り身キャラもいますが、子どもたちがもっとお魚を好きになってくれたらいいなという思いを込めています」

 日本の魚介類の1人当たりの消費量は、2001年をピークに減少し続けている。魚は下処理が面倒、子どもが好まないといった理由から、ご家庭や給食のメニューに上ることも減っているようだ。

「たしかに丸ごとの魚を料理するのは、ちょっと気合いがいるなと思います。ただ切り身は買ってきて焼くだけで立派な1品になりますし、今晩の献立どうしようかなというときにはすごくありがたいですね」

“農林水産省の「おさかなたべよう大使」に就任、食品メーカーともコラボ

 中でもシャケは給食の登場頻度1位、子どもの好きな魚1位(いずれも大日本水産会調べ)と、魚食文化の最後の砦として頑張っているお魚だ。KIRIIMIちゃん.にも各方面から期待が寄せられており、2015年からは農林水産省の「おさかなたべよう大使」を務めている。省庁のほか、食品メーカーや飲食店とのコラボも多く、また食関係のイベントにも積極的に参加するなど、お魚の美味しさを伝えるためにさまざまな形で奮闘してきた。

 「ただイベントではいろいろ苦労もありまして、頭がだいぶ横長なので振り返ったときに隣の人にぶつかってしまったり、頭がつかえて楽屋のドアや狭い通路が通れないこともしばしば。なので、稼働の際はカニ歩きしてることが多いです」

 ところがここ数年は、コロナ禍の影響でイベントが中止になったり、思うように活動ができないこともあった。2020年には人気コミック『あさりちゃん』とともに築地場外市場のサポーターに就任し、『あさりのきりみのおだいどこ音頭』の楽曲&振り付けも制作されたが、大勢が会して踊ることは難しかったかもしれない。

「鮭たちはどう生きるか」、まさかの公式リプライで“ポニョ”と魚同士の絆

 コロナ禍もあり、イベント稼働が激減してしまったKIRIIMIちゃん.だが、「ふと目にしたときに『今晩はお魚にしようかな』と思ってもらえたら」と、デビュー以来、たゆまずX(旧Twitter)投稿を続けてきた。

 時事ネタにも敏感で、最近は大ヒット中のアニメ映画をオマージュしたようなパステル画タッチのきりみちゃんに、「鮭たちはどう生きるか」という文を添えたイラストを投稿。それに対してスタジオジブリ公式が『崖の上のポニョ』の画像でリプライするという、企業を超えた魚たちの絆がフォロワーの胸を熱くさせる展開もあった。

 また、ぐでたまとは『食べキャラ総選挙』の同期として気が合うようで、SNSでしばしば見られる両者の絡みも注目を集めている。

 「ぐでたまはぐでぐでしていますが、しっかり活動もしていてアニメもやっててすごいなと思います。KIRIMIちゃん.もいつか、子どもたちにお魚の美味しさを知ってもらえてなおかつ面白い! みたいなアニメをやりたいです。それを目標に10周年以降も頑張っていきたいです!」

 なお、長らく動画でしか楽しめなかった『あさりときりみのおだいどこ音頭』だが、今年の築地本願寺納涼盆踊り大会で演目に入り、多くの人に踊られた。コロナも明けてさまざまなイベントが戻ってきている。危機に瀕した魚食文化を守るために、KIRIMIちゃん.のさらなる活躍に期待したいところだ。

(文:児玉澄子)

(C)2023 SANRIO CO.,LTD. 著作(株)サンリオ

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