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なぜポムポムプリンのお尻には「しるし」が? 「黄色いキャラは売れない」セオリー覆した意外な歴史

  • (C)2023 SANRIO CO.,LTD.  著作(株)サンリオ

    (C)2023 SANRIO CO.,LTD. 著作(株)サンリオ

 ポムポムプリンは、27年もの長きにわたり愛される人気キャラクター。可愛らしさはもとより、キャラクターには珍しく「おしりのしるし」(お尻の穴)が付いているのが特徴。それを表現したグッズには、いまだSNSなどでツッコミが相次ぐほどだ。唯一無二の「おしりのしるし」の秘密、そして「黄色は売れない」というキャラクター業界の“セオリー”を覆した歴史を聞いた。

キャラクターに前代未聞の「おしりのしるし」、社内では予想外の反応

ポムポムプリン

 ポムポムプリンは、ゴールデンレトリバーの子犬をモチーフとしたサンリオのキャラクター。デビューは1996年ともはや立派なベテラン勢だが、ポムポムプリンのブランド育成に携わる同社の中村有里さんは、「今でもたびたび『犬だったの?』、『プリンの妖精だと思ってた』といった驚きのコメントがSNSに上がるんです…」と語り、「もっとプリンのことを知ってもらえるように頑張りたい」と身を引き締める。

 ポムポムプリンは、同社の「犬キャラクターコンペ」で誕生。初代デザイナーの手により、ふわふわした子犬と美味しそうなプリンをハイブリッドしたキャラクターが完成した。可愛らしさはもちろんだが、デザイン面でもっとも引っかかるのが「*」マークで描かれた「お尻の穴」だ。公式では「おしりのしるし」と呼ばれているこの部位だが、はっきり描かれているのはキャラクター界広しと言えど前代未聞。キラキラ可愛いキャラクターぞろいのなか、「お尻の穴を描くって…」と社内から反対の声はなかったのだろうか。

 「デザイナーが子どもの頃に好きだった外国の絵本に、お尻の穴が描かれた犬が出てきたそうです。それが印象に残っていて、ラフの段階からプリンにも描いていたと。当初はデザイナー自身、『大丈夫かな?』とおそるおそる提出したそうですが、社内では『これがいいんだよ!』『この子のチャームポイントだ』と絶賛だったようですね」

 ポムポムプリンが無防備に見せる「おしりのしるし」は様々な商品にもしっかり生かされており、最近ではお尻からティッシュが出てくるという攻めたデザインのティッシュカバーがSNSで驚愕を呼んだ。

 「デビューから27年経っても、いまだに『お尻の穴…付いてたんだ!』とびっくりされますね。こちらからは特にアピールはしていないのですが、イラストでもコロコロ転がるポーズが多いのでうっかり見えてしまうことが多くて(笑)。『ポムポムプリンには実は…』みたいに話題にしたくなるという意味では、今のSNSの時代に合っていたのかもしれません」

“ピカチュウ以前”、「黄色は売れにくい」セオリー覆してキャラクター大賞1位に

4月1日にニューオープンした『Sanrio 新宿店』にはプリンのレイアウトが

4月1日にニューオープンした『Sanrio 新宿店』にはプリンのレイアウトが

 毎年恒例のユーザー投票企画『サンリオキャラクター大賞』では、8年連続トップ3入りしている、名実ともに人気キャラクターのポムポムプリン。デビュー翌年には同大賞1位を獲得するという快挙も果たしている。

 「この結果は社内でも驚きでした。それまでキャラクターのメインユーザーは女の子。当時はピンクやブルーのハローキティが人気で、黄色いキャラクターはサンリオにはほとんどいなくて。黄色は売れにくいというセオリーが社内でもあったんです」

 海外発の黄色いキャラクターには『くまのプーさん』などがいるが、たしかに国産キャラクターとしては、それまであまり存在しなかった。ピカチュウで人気に火がついた『ポケモン』のアニメ放送が始まったのは、ポムポムプリンがデビューした翌年の1997年だ。

 「同年代で言えば、2001年デビューのシナモロールのメインカラーは水色。ランドセルの色もそうですが、もはや女の子=赤やピンクではなく、個人の好みで多様な色を選択できる時代がその頃から始まりかけていたのかもしれません。また、ポムポムプリンは男性のファンも多く、“キャラクター=女の子のもの”という固定概念も覆してくれました」

 2003〜2009年頃までは新人キャラクターたちに押され、商品展開が一時休止する不遇の時代もあった。それだけに本格復帰後は古参ファンに大いに歓迎され、2010年サンリオキャラクター大賞では4位に。その後も上位ランクをキープし続けている。

 「復帰直後は『子どもの頃に好きだった』という方々に支えられましたが、昨今は新たにファンになったという方がとても多いんです。コロナ禍で家に閉じこもっていたときに、プリンの無邪気な笑顔とマイペースな様子に癒されたという声は本当にたくさん聞きます。黄色というビタミンカラーにも、元気をもらえる効果があったのかもしれないですね」

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